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第1話 - あ

2023年09月19日

#スカッと

タナカトシキ

ユウジロウ

今仕事終わったから帰るぞ

ヒロミ

夜ご飯もう作ってるけど、家帰ったら先お風呂入る？

ユウジロウ

飯食おうかな

ユウジロウ

今日結局昼ごはん食べれなくてさ、めちゃくちゃ腹減ってるんだよ

ユウジロウ

今日の夕飯は何？

ヒロミ

今日はいいお肉買ってきたので焼き肉をしまーす

ユウジロウ

おお！焼き肉とか最高じゃないか

ユウジロウ

ビールは？

ヒロミ

もちろん、後枝豆もありまっせ旦那様

ユウジロウ

いやあ苦しゅうない

ユウジロウ

珍しいな、節約課のヒロミがなんもない日に急に焼肉なんて

ヒロミ

なんもない日じゃないよ

ヒロミ

ユリがね、今日初潮迎えたの

ユウジロウ

初潮？

ヒロミ

保健体育で習わなかった？

ヒロミ

生理が来たのよ今日

ユウジロウ

まじか！

ユウジロウ

だってまだ中一だろ！？

ヒロミ

私の時だって小学校六年生の頃から生理になる子もいたんだよ

ユウジロウ

へー早いもんだな〜

ユウジロウ

確かに家で一回見慣れないブラジャーみたいなの見かけたけど、

ユウジロウ

あれユリのだったのか

ヒロミ

それは新しく買った私のですけど

ユウジロウ

え

ヒロミ

私のサイズは中学一年生とさほど大差がないと言いたいのかしら

ユウジロウ

いや、すみませんでしたなんでもないです

ヒロミ

でもそろそろユリも必要になってきたかな〜

ヒロミ

今度一緒に買いに行ってくる

ユウジロウ

わかった〜

ヒロミ

てか、わかってると思うけどあなた気づかないふりしてよね

ユウジロウ

え？

ヒロミ

生理

ヒロミ

ユリが生理きたってことに気づかないフリしてね

ヒロミ

間違ってもおめでとうとか揶揄う感じで話しかけたりしないでよね

ユウジロウ

なんでだよ、子供を授かれる体になったって言うのはめでたいことだろ

ユウジロウ

そうだ、赤飯は炊いたか

ヒロミ

炊くわけないでしょ

ユウジロウ

なんでよ、初めて生理が来た時って家族で赤飯食べるんだろ

ヒロミ

いつの話してんのよ

ヒロミ

あれ、なんで赤飯炊くか知ってる？

ユウジロウ

いや

ヒロミ

昔、江戸時代のころにね

ヒロミ

自分達の子供は子供を産めるようになりました〜

ヒロミ

ですからぜひ、我が家の子供を引き取ってくださ〜い

ヒロミ

って言うのを周りの人に知らせるために赤飯を炊いて配ったって言うのが由来らしいのよ

ユウジロウ

へ〜確かにそれはなんか、あれだな

ヒロミ

それから意味合いがだんだんかわってきて、

ヒロミ

やれ、小豆には悪いものから守ってくれる力があるとか

ヒロミ

直接的に話しにくい、おじいちゃんやお父さんに、無事健康に育ってることを伝えるためだとかで

ヒロミ

形だけの風習が残ってんのよ

ユウジロウ

そうだったんだ

ユウジロウ

でもまあ。意味合いが変わってるなら別にいいだろ

ユウジロウ

俺赤飯好きだし、もっと盛大に祝ってやろうぜ

ヒロミ

ばか！本当デリカシーない人だね

ヒロミ

あくまで焼肉も「初潮おめでと〜！」って感じじゃなくて

ヒロミ

「じゃあ、今日は元気つけるために焼肉でも食べよっか」ぐらいの感覚で行くんだからね

ユウジロウ

なんでよ

ヒロミ

じゃああんた、家族に「ユウジロウが精通したから今日はごちそうだー！ユウジロウ精通おめでとう！」

ヒロミ

とかやられたらどうなのよ

ユウジロウ

それは

ユウジロウ

最悪だな

ヒロミ

でしょ

ユウジロウ

わかった、ユリには気づかなかったふりをする

ヒロミ

よろしくね

ユウジロウ

なんかプレゼントとか買ってった方がいいかな

ヒロミ

何も理解してないじゃん！

〜1週間後〜

ヒロミ

私明日から、ママさんバレーのメンバーで旅行行くから２日間

ヒロミ

家のことよろしくね

ユウジロウ

ほーい

ユウジロウ

あれ、飯とかは

ヒロミ

スーパー行って自分で作るなり、ユリとタク連れて外食行くなりして

ヒロミ

あんま高いところは行っちゃダメだからね

ユウジロウ

はいはい、気をつけて〜

ユウジロウ

あれ、今日なんかAmazonから荷物届かなかった？

ヒロミ

なんか来てたわよ、あれ何？あんたまたなんかくだらないもの買ったの？

ユウジロウ

仕事で使うやつだからさ、開けないで俺の部屋置いといて

ヒロミ

はいはい、別に興味ありませんよ

〜次の日〜

ユリ

お母さん

ヒロミ

どうしたのユリ

ユリ

ちょっと相談があるんだけど

ヒロミ

何よ、まさかまた服勝手なんて言うんじゃないでしょうね

ヒロミ

旅行中で私が浮かれてるからって、買ってあげないよ

ヒロミ

まあ、ZARAぐらいだったら考えてあげるけど

ユリ

違うの

ヒロミ

なんだ違うの

ユリ

実はお父さんが昨日の夜に勝手に私のお風呂に入ってきたの

ヒロミ

え〜？

ユリ

ごめん間違えたとか言ってすぐ出て行ったんだけど、

ユリ

なんか私すごいわざとだったんじゃないかって思って

ヒロミ

流石にわざとなんてことはないでしょ

ヒロミ

あの人私がいないからってお酒飲みまくったな

ヒロミ

ごめんね、私から叱っとくから

ユリ

うん、ありがとう

ヒロミ

敏感な年頃なのにマジでデリカシーなくてやだよね😩

ヒロミ

おいしいお土産買って帰るから！

ユリ

うん

〜ユウジロウのチャットルーム〜

ヒロミ

おい！

ヒロミ

お前うちの娘に何してくれてんだ！

ユウジロウ

え！？何急に！

ヒロミ

昨日ユリが風呂に入ってる間に突撃したんだって？

ヒロミ

ほんとありえないんだけど

ユウジロウ

いや昨日酒たくさん飲んじゃってさ、

ユウジロウ

マジで気づかなかったんだよ

ユウジロウ

ぼーっとしてた

ヒロミ

あのさ、ユリもう13歳なんだよ？

ヒロミ

もっと気を遣ってよ、男性に対して敏感な時期なんだから

ユウジロウ

ちゃんと謝ったって

ユウジロウ

気をつけるよこれから

ヒロミ

頼むわよ本当に

ヒロミ

美味しいお土産買って帰るから

ユウジロウ

ありがとございま〜す

〜次の日〜

ユリ

お母さん

ユリ

助けて

ヒロミ

何どうしたの！？

ユリ

私もう限界、耐えられない

ヒロミ

何よ！

ユリ

お父さんがこわい

ヒロミ

え！？

ヒロミ

ユリ、ちゃんと私に話してみて

ユリ

うん

ユリ

昨日のことを謝りたいとか言って

ユリ

私の部屋に急に入ってきたの

ヒロミ

最低だね

ユリ

ううん、ここまではまだいいんだけど

ユリ

なんか私の身体をジロジロみたりしてて

ユリ

急に下着の棚とかを開け始めたの

ヒロミ

は！？

ユリ

それで、何してるのって聞いたら

ユリ

「ほら、生理始まったらパンツが汚れたりするだろ？それ捨てるからお父さんに渡しなさい」

ユリ

って言われて

ヒロミ

何それ、ほんとの話？

ユリ

うん

ユリ

実は私の胸がちょっと膨らみ始めてから、お父さんが私を見る目が変わった気がして

ユリ

一回、タクが星を見たいって言うからお父さんの望遠鏡を借りようとして

ユリ

お父さんの部屋に入ったことがあるの

ユリ

そしたらお父さんの本棚の下の部分にね

ユリ

なんか、変なDVDが何個かあってね

ヒロミ

あのやろう

ユリ

それ以来なんかすごいお父さんが気持ち悪く感じるの

ヒロミ

わかった

ヒロミ

教えてくありがとう

ヒロミ

まだなんかある？

ユリ

それで、昨日の夜

ユリ

私がタクに絵本を読んであげながらベッドで寝てたんだけど

ユリ

急にお父さんもベットに入ってきて私を後ろからハグしてきたの

ユリ

なんか、明らかに下半身を密着させてくる感じで

ユリ

手の位置も胸の位置だったの

ヒロミ

ごめんね、怖い思いしたよね

ヒロミ

わかった、私すぐ帰るから、すぐにお父さんと話してみる

ユリ

うん

ヒロミ

何かあったらすぐ連絡してね

ヒロミ

私はリンの味方だから

ユリ

ありがとうお母さん

〜ユウジロウとリンのチャットルーム〜

ユウジロウ

どこに出かけてるんだ？

ユリ

友達と遊んでる

ユウジロウ

そうか

ユウジロウ

どうせならお母さんいないんだし友達を家に連れてきなよ

ユウジロウ

いつもお母さんいるから友達を連れて来ずらかっただろ

ユウジロウ

あの人、すぐ自分も話に参加し始めるからな

ユリ

別にいいよ

ユウジロウ

遠慮すんなよ

ユウジロウ

ほら、俺、タクと一緒に外出かけて家空けてやるからさ

ユウジロウ

連れてこいって

ユリ

いいよ別に、大丈夫

ユウジロウ

遠慮しなくていいのにな〜

〜数時間後〜

ユリ

お母さん後どれくらいで帰ってくるの？

ヒロミ

あと2時間ぐらいかな？

ヒロミ

どうした？またなんかされたの？

ユリ

トイレ

ヒロミ

トイレがどうしたの？

ユリ

トイレから隠しカメラが出てきた

ユリ

ちっちゃい

ヒロミ

は？

ヒロミ

ちょっと待ってどう言うこと？

ユリ

もう無理耐えられない

ユリ

私この家出ていきたい

ヒロミ

ちょっと落ち着いて

ヒロミ

冷静に説明して

ユリ

友達を家に連れてこいってすごいお父さんがしつこくて

ユリ

しょうがないから連れてきたの

ユリ

それでね

ユリ

友達がトイレから帰って来た時に

ユリ

なんか便座の内側に黒い機械みたいなのついてるけどあれ何？って聞いてきたの

ユリ

それでお父さんはタクと公園に出かけてたから二人でトイレを確認しに行ったら

ユリ

小さいカメラみたいなのが出てきた

ヒロミ

そのカメラは今どうしてる？

ユリ

まだトイレについたまま

ヒロミ

わかった、そしたら旅行に行く時みたいに服とかをキャリーバックに詰めて

ヒロミ

いつでも家を出れるように

ユリ

うん

ヒロミ

カメラもトイレにつけたままでいいよ、お友達にはもうトイレを使わせないで

ユリ

わかった

ヒロミ

私お友達に車借りてくるから、ついたら荷物持ってすぐに家を出てきて

ヒロミ

わかった？

ユリ

うん

ヒロミ

怖いと思うけどもう少し頑張ってね

〜数時間後〜

ユウジロウ

おい！ちょっと待ってくれって！

ヒロミ

何が待ってくれだよ、このクソ変態野郎が！

ヒロミ

もう二度と子供たちには合わせないから！

ユウジロウ

誤解なんだって

ヒロミ

自分の娘にセクハラまがいなことして

ヒロミ

トイレにアマゾンで買った隠しカメラ設置して

ヒロミ

娘の友達にまで被害を与えようとして！

ヒロミ

それで私があんたの部屋探ったら出てくるわ出てくるわ

ヒロミ

児童ポルノ、娘の観察日記、娘のパンツ、知らない女の汚ねえパンツ！

ヒロミ

まじで最低

ヒロミ

絶対に離婚するから

ヒロミ

タクに変なの見せてないでしょうね

ユウジロウ

離婚とか何言ってんだよ！

ユウジロウ

大体お前の稼ぎで子供二人養えないだろ？

ユウジロウ

感情に任せて口走んなって

ユウジロウ

全部ただの俺のためのものなんだからいいじゃん

ヒロミ

は？

ユウジロウ

別にどこに売るわけでもないし

ユウジロウ

自分で楽しむ分にはいいだろ

ユウジロウ

それに俺がユリを無理やり犯したか？

ユウジロウ

ユリの友達の体に触ったか？

ユウジロウ

やろうとすればやれたのにしてなかったのは俺が自分なりにちゃんとコントロールできてたからだろ？

ユウジロウ

男は女より性欲が単純なんだから抑えるのに一苦労なんだよ

ユウジロウ

それを自分なりのやり方で解決してるんだからいいだろうが

ユウジロウ

これぐらい許してくれよ

ヒロミ

マジであんたバグってんだね

ヒロミ

いいよ、離婚するわ

ヒロミ

二人とも私が育てる

ヒロミ

あんたからの養育費とかも一切いらないから

ヒロミ

あんたみたいな人からあの二人を育てる手助けも貰わない

ユウジロウ

おいいいのかよそんなこと言って

ユウジロウ

相当な貧乏生活になるぞ〜

ユウジロウ

タクとユリの意見も聞いたほうがいいんじゃないのか

ヒロミ

黙れ

ヒロミ

二度とあの二人には合わせないからね

ヒロミ

てか、あんたのカメラ、私が取って来たから

ユウジロウ

へ？

ヒロミ

あんたが録画したこのトイレの盗撮、それと静駅がついた娘のパンツ、変態観察日記

ヒロミ

全部警察に届けるから

ユウジロウ

警察って大袈裟な

ユウジロウ

待ってくれよ！そんなことすんなって

ヒロミ

何が大袈裟よ！

ヒロミ

あなたは少なくとも娘の

ヒロミ

一人の女性のトラウマを作ったんだよ！

ヒロミ

あんたは捕まって終わりだよ

ヒロミ

でもユリはこれからずっとこの辛い体験と向き合い続けなきゃいけないんだぞ！

ヒロミ

わかってんのかこのハゲタコ！

ユウジロウ

待ってくれたのむ

ユウジロウ

警察だけはやめてくれ

ユウジロウ

離婚もする

ユウジロウ

金も、欲しいだけ払うから

ユウジロウ

頼むやめてくれ俺家族になんて言えばいいんだよ

ヒロミ

無理無理

ヒロミ

もう、あとは弁護士通して連絡して

ヒロミ

さよなら

ユウジロウ

ちょっと待ってくれよ！

〜後日談〜

ヒロミ

その後離婚が成立

ヒロミ

慰謝料は請求しましたが、養育費の支払いに関しては義務を課しませんでした

ヒロミ

あんな犯罪者に頼らず、私の力だけで二人を育てると決めたからです

ヒロミ

苗字は元旦那のものから、私の旧姓キタミに代わり、

ヒロミ

最初は子供たちも戸惑っていましたが、今ではすっかり慣れてしまったようです

ヒロミ

ユリは高校に入ると、すぐにアルバイトを始めて家計の足しにとお金を私に渡すようになりました

ヒロミ

最初はずっと断り続けていたのですが、彼女の気持ちを尊重して今ではありがたく助けてもらっています

ヒロミ

元旦那はその後、数回逮捕されました

ヒロミ

児童売春等を繰り返し、今も刑務所の中で暮らしています

ヒロミ

あんな男、さっさと税金を使って去勢しちゃえばいいんです

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タナカトシキ

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