スーッと障子を開けて中で寝てる光をジッと見つめる
人の寿命は短い だからこそ成長が早い
初めて会った頃はボロボロだった光は今じゃ健康体で、身体を鍛えたりしている
そりゃあ、毎日私が作ったご飯を食べてるから当然だ
もう出会ってから3年
光は19歳になって更に大人っぽくなったし、強くなった
前みたいに悪夢で泣くことは無くなったし、オドオドすることも減った
逆に私の方がこうやって時々悪夢を見てないか覗き込んでしまう
それでも光について分かってないことがある
それは私達が見える事、そして、謎に甘い匂いが部屋を充満していること
そもそも初めから私達が見える時点でおかしい、普通の人間は私達のことなんて見えないはずだ
そしてこの部屋の匂い、甘くて、心地よくて、頭が溶けるようなクラっとする匂い
セナ
(日に日に強くなってる気がする……?きのせい…?)
光
ん……
ピクっと隙間の太陽光に反応するように光はゆっくり目を開けた
光
…んぁ…
光
……
セナ
あ、起こしてもうたな
セナ
おはようさん
光は私をジーッと見つめたあとふわっと微笑んだ
光
おはよう…セナさん…
セナ
!…
セナ
(可愛ええ……)
セナ
ご飯出来とるよ
セナ
顔洗っておいで
光
うん……
光を起こしたあとご飯をついで、味噌汁を入れて、とやっていると後ろからギュッと光が抱きしめてきた
光
セナさん、洗ってきました
セナ
ん…
セナ
これ持ってってくれる〜?
光
セナさん…
呟くように名前を呼ばれて振り返ったまま固まってしまった
セナ
どうし…
光
ん…
目が合うと光からチュッとキスをしてきて舌を絡めてきた
セナ
んんっ…
セナ
(最近毎日これやっ…)
ここ最近は私からより光からキスする事が多くなり、その度に私は腰が抜けそうになっていた
セナ
ぁ…っ…はぁ…
光
セナさん……
セナ
あか…ん…
セナ
もう…ご飯食べな…冷めてまう…
光
…う…それはダメ…
光
ご飯…
ご飯と呟くと光は茶碗を持って並べに行った
セナ
っ……
セナ
(あかん…最近光に飲まれてしまう…)
最近…いや、多分初めて見た時から芽生えてた感情が大きくなろうとしていた