コメント
1件
こんな私だが、中学生の頃に初恋はいた。
澄んだ声に、大きな手。
綺麗な青い髪に青い瞳。
いつもメンバーと楽しそうに笑う姿。
本当は、見ているだけで良かったんだ。
でも、いつの日か彼はそこから姿を消した。
彼は、公園のバスケットボールコートでよく見かけた。
他には同い年の友達だろうか、大きい人が3名、憧れる子供たちが5名ほど何時もいた。
なおきり
ボールを投げたのが蓮也さんだろうか。
受け取った彼は綺麗にパスッとスリーポイントゴールを入れる。
彼の入れるゴールが一番綺麗だった。
子供たちからも声援が上がる。
それに答えるように笑って手を振る彼の姿が、その時の私にとって、何よりも綺麗だった。
私はいつもそんな姿を少し見てからその場を去る。
後から聞こえてくるのは、彼のことを呼び称える声。
『なお兄!なお兄!』っと楽しそうな声が羨ましかった。
私は知らなかったから。
自分の気持ちを、彼の状況を。
蓮也
なおきり
翔
蓮也と翔は友達。
バスケ部で一緒に戦ってきた中だった。
蓮也が怪我して引退することになった時、3人で辞めたのだ。
蓮也は身長が俺よりも高く、ディフェンスが強く、
翔は小さな体と瞬発力を活かしてドリブルが早かった。
僕はシュートが得意だ。
蓮也
蓮也が指さしたのは公園にポツンと立っているバスケットゴール。
翔と目を合わせてやろうと走り出した。
翔
翔は、蓮也が怪我してから随分過保護になった。
もちろん俺にも。
なおきり
翔から投げられたボールを綺麗に入れる。
まだ訛ってない腕に喜びを感じた時、一人の女の子と目が合った。
憧れるようなキラキラして、その中に不安と怖さが入り黒く濁った瞳、
風になびく黒髪に、綺麗だと思った。
なおきり
翔
ハッと我に返った。
なおきり
走って取りに行き、その場所をもう一度見た時、彼女の姿はもう無かった。
何だったんだろうと思った僕の心に、もう一度会えるなんて文字は無かった。
主
シオン
なおきり
主
主
主
主
主
主