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ナースステーションに明るい声が響く

幻恋ナース

今日は平和っすねぇ

幻恋ナースがいつも調子で笑う

片手で髪をかきあげて、わざとらしく肩をすくめる

幻恋ナース

ここの病棟、湿っぽい空気多すぎっしょ!

恋愛ナース

ふふ!

恋愛ナースは小さく笑う

その瞬間ーーーーー

患者

ぎゃああああああああああ!!

治療室から響く悲鳴

空気が凍る

幻恋ナースの笑みがピタリ止まった

幻恋ナース

…っ

続いて扉の隙間から漂う

独特の甘くて苦い薬品の香り

幻恋ナースの心臓が跳ねる

視界がぐらり揺れる

幻恋ナース

(…だめだ)

幻恋ナースがポケットを探る

幻恋ナース

(…あれ、俺の薬…ない)

背後から低い声

医師

何探してんだよ?

カランと小瓶の音

医師が指先で揺らしている

医師

必死だなぁ?
…これか?

医師がヘラヘラと笑いながら言う

幻恋ナース

…返せよ

医師

依存しすぎなんだよ
みっともねぇ

医師が一歩距離を詰める

甘い薬品の匂いがさらに強くなる

医師

慣れろって言ってんだろ?

医師

逃げてばっかじゃなおんねぇぜ?

幻恋ナース

…やめろ

視界が歪む

失恋ナース

…そろそろやめたらどうですか?

失恋ナースが静かに言う

医師がゆっくり振り向く

医師

あぁ?

失恋ナースのことを睨みつける

医師

…なんだよ?あまちゃんだな?

鼻で笑う

医師

ここはリハビリ施設じゃねぇぞ?

失恋ナースは黙らない

失恋ナース

それ、治療って言えるんですか?

医師

言えるね

医師

俺が決めてんだから

そして幻恋ナースへ

医師

ほら立てよ

震えて動けない

医師は一瞬だけ目を細める

声が低く落ちる

医師

……息整えろ、死ぬわけじゃねぇ

その人こだけ妙に静か

ほんの一瞬だけ優しい

でも次の瞬間

ポケットの中から小瓶を出した

医師

まぁ甘やかす気はねぇけどな

液体が揺れる

幻恋ナースの瞳が恐怖で開く

幻恋ナース

や、やめろ

医師

逃げんなよ

失恋ナースが一歩前に出る

失恋ナース

やめてください

医師は舌打ちをする

小瓶をポケットに戻す

医師

今日はこれくらいにしといてやるよ

そして薬の入った小瓶を幻恋ナースに叩きつけるように投げる

幻恋ナース

医師

次は取り上げるからな?その薬も

去り際

医師

逃げたら追う覚えとけよ?

扉が閉まる

幻恋ナースが震える手で小瓶を取る

少しだけ呼吸が整う

周りのナースたちは唖然としている

失恋ナース

…大丈夫?

幻恋ナース

…あっはいありがとうございます

失恋ナース

別に

廊下の天井

ウィと小さな機械音がした

囚恋ナース

レンズが囚恋ナースをピタリと捉えた

誰かが見ているように

カメラの赤い点が、一瞬だけ強く光る。

その先にいる“誰か”は――

まだ、姿を見せない。

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