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友達の友達を好きになりました。

第2話 - 第2話　俺ってそんな、ずるいですかね？

2025年12月25日

#BL

#甘々

#ツンデレ

HIMEKA

修学旅行が終わり、俺は今服を買いに来ている

飯島　怜

(なんで俺のお母さんは服すら一緒に買いに来ないんだよ…。)

飯島　怜

(金だけ渡されるのはいいけどさ…。)

岩崎　鈴

いらっしゃいませ～！怜く～ん！

飯島　怜

ああ！こんにちは。

岩崎　鈴

怜くん！さあ始めましょう！！

飯島　怜

(そうだ、俺は服のセンスがないから手伝ってもらおうと鈴さんの店に来たんだ。)

岩崎　鈴

ちなみに怜くんはどんなスタイルが好き？

飯島　怜

す、すたいる…。

岩崎　鈴

例えば…ストリート系！

鈴さんはハンガーからたくさんの服を組み合わせて俺に見せた

飯島　怜

ストリート……というよりは、もっと大人っぽい方がいいかもしれないです。

飯島　怜

似合うか分かりませんが…。

岩崎　鈴

いえいえ、まずは選びましょう！

何度も試着をしてやっと決まった

飯島　怜

ありがとうございました！

岩崎　鈴

あ、ちょっと待って！綾がね、もう一度会ってみたいって言ってたの。もしこの後空いてたりしたら…

飯島　怜

え！ほんとですか？！ぜひ！

岩崎　鈴

今から呼ぶね。荷物は配送しておくね。

飯島　怜

ありがとうございます！！

俺は綾を待った

岩崎　綾

怜さん！

飯島　怜

あ！！綾！久しぶり！

岩崎　綾

怜さん。と、とりあえずそこのカフェに入りましょう！

飯島　怜

ああ、そうだな。

岩崎　綾

怜さん。最近は何をしているんですか？

飯島　怜

高校には無事に入学できたし、今は楽に過ごしてるよ。

岩崎　綾

そうなんですね！

飯島　怜

綾は勉強が忙しいのかな…？

岩崎　綾

来年は高校生なので！

飯島　怜

頑張れよ。高校入学したら入学祝として俺んちでパーティーでもしようぜ！

岩崎　綾

怜さん…！

飯島　怜

付き合っていた頃は気づかなかったけど、綾はすっごく頑張り屋さんなんだね。

岩崎　綾

え…？頑張り屋さん…？

飯島　怜

ああ…！ごめん！やだったよね…。

岩崎　綾

いえ！すっごく嬉しいです！

村中　陽向

(ルーズリーフ買わねーともうねーんだよなぁ～。)

俺はルーズリーフを買いにショッピングモールに向かう途中の商店街を歩いている

村中　陽向

(おしゃれなカフェだな…。あれ……怜？！)

村中　陽向

(そのとなりは……誰だ…？もしかして元カノ？！)

村中　陽向

(まさか2人で会っているなんて…。まさかまた付き合ったりしねえよな？！)

俺は二人の様子を見たくないのに見てしまってだんだんと不安になっていった

飯島　怜

じゃあそろそろ店出て解散しようか。

岩崎　綾

……。はい…。

飯島　怜

どうした？

岩崎　綾

い、いえ！

飯島　怜

また連絡する。次はどこ行きたいか決めといて。

岩崎　綾

つ、次！！

飯島　怜

ありがとうございまし………

岩崎　綾

どうしました？

飯島　怜

村中…？！

村中　陽向

よっ。

飯島　怜

なんだよ。またついてきたのか？

村中　陽向

別に。たまたま。じゃ。

村中はいつもよりムスッとした顔で俺を見た

いや、そもそも目が合わない気もする

飯島　怜

(え、なに？！いつもと全然ちがくない？！)

飯島　怜

おい！！村中！！！なんかあんならいえよー！

村中　陽向

言うかよバーか！

飯島　怜

んだよあいつ…。ごめんごめん。それじゃあ。

岩崎　綾

あ、うん！またね！

飯島　怜

おい村中！

俺は綾と別れ、村中を追いかけた

村中　陽向

ついてくんなよ！

飯島　怜

陽向！！

村中は呼び捨てで呼ばれたことに驚いて足を止めた

飯島　怜

うお、ビックリした。急に止まんなよ。

村中　陽向

今…陽向って…

飯島　怜

え…あー、無意識だったわ。

村中　陽向

なんだよ。また俺を……あー！もういい！！

飯島　怜

お前ほんと何考えてるかわんねーって！

飯島　怜

言いたいことあんなら言えよ！

村中　陽向

俺はいつも伝えてるつもりだったけどな！

村中　陽向

それを無視してるのは怜の方だろ！

飯島　怜

は……？意味わかんねえ。空気読めってか？

村中　陽向

なんだよその言い方。

村中　陽向

俺がどんな思いで怜に好きって伝えてるか分かってねーだろ…。

飯島　怜

ああ、わかんねえよ。

俺はこのイライラした頭をどうにかしたくて村中から体を背けた

飯島　怜

俺もう帰るから。

飯島　怜

あーもう。何が思いだよ。

飯島　怜

何が伝わってないだよ。

飯島　怜

あいつは俺のこと……す…き…なんだよな。

飯島　怜

いや、でも本当かわかんねえし。

近藤　蒼

おっはよーん！れ～い！

飯島　怜

おう。おはよ。

近藤　蒼

てか…陽向は？休み？

飯島　怜

いや、鞄あるから来てると思う。

近藤　蒼

そっか。怜のところに来ねーなんて珍しいな。

飯島　怜

それが普通なんだよ。

近藤　蒼

お！陽向～！

村中　陽向

あ……よっ。

飯島　怜

俺先生に呼ばれてたんだった。じゃ。

近藤　蒼

お、おう！……行かねえの？いつもついていってんじゃん。

村中　陽向

…そうだっけ？w

近藤　蒼

え…何かあった…？

村中　陽向

別になんにもねえよ。

近藤　蒼

そう…？

近藤　蒼

なあ、怜。3限目終わってから陽向が見つからねえんだけど。

飯島　怜

どっかふらふらしてるだけだろ。

近藤　蒼

なあ…怜。それでいいのかよ。何かあったんじゃねえの？

飯島　怜

……分かったよ。

俺はイヤイヤ村中に電話した

飯島　怜

もしもし

村中　陽向

……

飯島　怜

聞こえてないふりするな

村中　陽向

何…

飯島　怜

どこ？

村中　陽向

公園

飯島　怜

戻ってこい。

村中　陽向

やだよ

飯島　怜

なあ。村中。俺のこと好きなのか？

村中　陽向

はっ？！いきなりなんだよ。

飯島　怜

いいから。

村中　陽向

好き。大好きだよ…。

飯島　怜

俺が返事しなくて怒ってるのか？

村中　陽向

は…？

飯島　怜

だったら今返事する。

村中　陽向

や、やめろ！！

飯島　怜

な、なんだよ。

村中　陽向

それが理由じゃない。ていうか…振られたくないから返事はしないで。

飯島　怜

何が理由なんだよ。

村中　陽向

お前がっ…そのっ……。元カノと会ってるから。仲良さそうだったし…。また付き合ったらどうしようとか考えて…。本当は俺が勝手に嫉妬してただけ。

飯島　怜

む、村中っ。www

村中　陽向

何笑ってんだよ！

飯島　怜

俺のことそんなに好きなんだな。

村中　陽向

は、はあ？！だ、大好きだよっ…！！

飯島　怜

ありがとう。ひ、な、た。

村中　陽向

…っ！怜ずりいよ！

飯島　怜

戻っておいで。

村中　陽向

はい…。

近藤　蒼

おっ。陽向じゃん！

村中　陽向

よっ。心配かけてごめん。

近藤　蒼

何があったのか知らねえけど、勝手にどっか行くのはやめろよ～？

飯島　怜

さあ！ご飯食べよ～！

それからまた、村中からの愛の告白は止まらなくなった

飯島　怜

(なんかこの方が慣れてるからいいのかもな。)

村中　陽向

好きだよ。れ～い！

飯島　怜

どうもありがとう。

村中　陽向

もっと笑ってよ～！！

村中　陽向

ねえ、怜。デートしようよ。

飯島　怜

無理！！

村中　陽向

おねがいー！ルーズリーフこの前買うの忘れててさ～。

飯島　怜

ルーズリーフ買うだけ？

村中は大きくうなずいた

飯島　怜

ん～、ならいいけど。

村中　陽向

やったぁ！デート！デート！デート！デート！デート！デート！デート！

飯島　怜

デートじゃないから！！

飯島　怜

ただの買い出しの付き添いだ！

村中　陽向

ほぼデートなんだよ。

飯島　怜

バーカ！！うるせぇんだよ！

俺たちは休日に雑貨屋に来た

飯島　怜

どんなのがいいの？

村中　陽向

A4とかかなあ～。

飯島　怜

じゃあこれかな？

村中　陽向

まあルーズリーフなんてなんでも一緒だからね。

飯島　怜

会計してきて。俺あっちで待ってる。

俺はレジの奥を指差した

村中　陽向

了解

俺は買い物が終わり、怜を探した

でも姿はどこにもなく、残されたのはスマホだけだった

村中　陽向

れ～い！れ～い！

村中　陽向

(もしかして連れ去られたり…)

村中　陽向

(いやそれはさすがにないか…)

村中　陽向

(迷子？いや、ふらふらするか…？)

村中　陽向

(まさか俺を驚かそうとしているのか…？)

村中　陽向

(だったら早く出てきてくれよ)

外から雨が地面や傘を叩きつける音が聞こえる

村中　陽向

雨…。

村中　陽向

(店内にはいなさそうだし、外も探すか…。)

自分の着ていた上着を頭に被せ、店を出た

ペチャペチャと足音が鳴る

村中　陽向

れ～い！

数十分後

村中　陽向

もう…どれだけ探してもいない…。どこ…？怜。

俺は近くの路地の屋根の下でしゃがんだ

一時間前…

飯島　怜

(結構レジ並んでるなぁ～。)

飯島　怜

(あ…雨降ってる…。俺傘持ってたっけ…。)

俺は鞄のそこにある折り畳み傘を取り出そうと、スマホを近くの台においた

飯島　怜

(これで帰れる。よかった。)

ギャル１

あのお…一人…？

飯島　怜

え…？

ギャル１

今からカラオケでも行かない？うちらと。

飯島　怜

(逆ナン？！)

ギャル2

ほらほら、行こ！

飯島　怜

え、ちょ、友達待ってるんですけど！

ギャル１

え～？来ないじゃん！

ギャル2

ほんとほんと。

俺はギャルのアツに負けてつれていかれた

ギャル１

えまって、雨降ってんだけど。

ギャル2

はあ？チョー萎えるんですけど。

ギャル１

カラオケは遠いしめんどくね？

ギャル2

え、マジそれな～。どーする？

ギャル１

この男せっかく捕まえたから、遊びたくね？

ギャル2

それはそーなんよ。あ！うちらの秘密基地連れてく？

ギャル１

起こられねー？

ギャル2

いいっしょ。

飯島　怜

(秘密基地？なに？)

ギャル１

じゃじゃーん！

飯島　怜

な、なにこれ…。

ギャル2

クラブだよ。ここチョー楽しいよ？

飯島　怜

俺はいいかな。

ギャル１

そう遠慮しないで～！踊ろ踊ろ～！

ギャル３

え、だれ？勝手に知らない人いれちゃダメでしょ？

ギャル１

いや、こわいいくね？

ギャル３

だめでしょ。男は禁止でしょ？

ギャル2

男とか女とか関係なくね～？

飯島　怜

関係ない……か。

ギャル３

なに？マジ意味分かんない。

ギャル１

は？こんなんで喧嘩したくないんどけど。

ギャル３

は？うっせーよ！

ギャル2

ああー？

ギャル１

ちっ

飯島　怜

今のうちか……！

俺はたくさんの人をかきわけて秘密基地(?)から出た

飯島　怜

村中…。どこ…！村中～！！

飯島　怜

さすがに店は出てるよな。

飯島　怜

電話…電話…。スマホない！

飯島　怜

店においてきた…。取りに戻ろう。

俺は方向転換をしたそのとき、震えながらしゃがみこんでいる村中を見つけた

飯島　怜

村中？

村中　陽向

れ、怜…。

村中の目からは大粒の涙がゆっくり流れていた

飯島　怜

む、村中？！ご、ごめん。俺がいなくなったから…。

村中　陽向

ど、ど、どこっ…行ってたんだよぉ。

飯島　怜

ごめんなぁ。ギャルに連れてかれちまって。

村中　陽向

え、大丈夫…？！

飯島　怜

ああ、なんともないよ。

俺は震える村中をぎゅっと抱き締めた

村中　陽向

れ…い…？

飯島　怜

とりあえず俺の家に来ようか。

村中　陽向

怜の家…？！

飯島　怜

服かわかさねえとな。あと、お詫び。

村中はお風呂から上がってこう言った

村中　陽向

怜。もしかして誘ってる？

飯島　怜

はあ…？！

村中　陽向

服脱がして、風呂入らせて…。これって、誘ってる以外ないよね？！

村中　陽向

いや～、ついにこの日が来たかぁ…。

飯島　怜

ちげえ！なにいってんだ！

村中　陽向

もう。今になって緊張してきたの？かわい。

飯島　怜

ち、ちがう！！

俺は村中に押し倒され、服の中に手を入れられた

飯島　怜

んっ…な、なにすんだよ！

村中　陽向

照れてるだけだよね。

飯島　怜

本当に俺誘ったつもりねえから！！

村中　陽向

………そっか。ごめん。

飯島　怜

え？あ、ううん。

飯島　怜

(意外とすんなり諦めるんだ。)

村中　陽向

今日はほんとに楽しいデートだったよ。また明日。

飯島　怜

あ、うん。じゃあね。気をつけて。

飯島　怜

(少し寂しい。モヤモヤする。これはいったい…。)

そのときふと村中の言葉が頭をよぎった

怜ずりいよ！

飯島　怜

(俺って何がずるいのだろうか。)

プルルルプルルル

飯島　怜

はい、もしもし。

岩崎　綾

綾です。

飯島　怜

どうしたの？

岩崎　綾

あの…明日の放課後話せませんか？

飯島　怜

いいよ。

岩崎　綾

ほ、ほんとですか？！

岩崎　綾

よっしゃー！ふぅー！！おるっあ！！

飯島　怜

電話切れてないよ！

岩崎　綾

えあ

プツン

村中　陽向

なぁ～。れ～い。今日お前んち行っていい？

飯島　怜

ごめん。今日は予定があるんだ。

村中　陽向

ちぇ～、けち。じゃあ明日行く。

飯島　怜

だーめーだ！

村中　陽向

行く行く行くの～！

近藤　蒼

おいおめえら。見ろよ。

校門の前にたくさんの人が集まって騒いでいた

飯島　怜

なんの騒ぎだ？

クラスめいとA

かわい～。

学生A

なんだなんだ～？スッゲーかわいい子いんじゃん

近藤　蒼

見に行こうぜ！

飯島　怜

お、おい！

蒼は二人の手をひいて人混みを掻き分けた

村中　陽向

おめえ力つえーよ。

飯島　怜

え……。

村中　陽向

あ、あれって…。

そこにいたのは………綾だった

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