こちら、主のほんの思い付きで考え付いた作品で、 ルシフェルが死亡した後 カーネが思いを綴った物を書くお話です
少々生々しい表現も含む可能性もありますので 苦手な方はどうぞお控え下さい
良いです? 私は止めましたよ
愛別離苦 これに尽きる思いです
何故ですか
何故犠牲にならねばならなかったのですか
容姿端麗、家柄優秀、知識人、完全無欠 これだけでは言い表せられない程の方が何故死なねばならなかったのだろう
少々早すぎはしないか 悪魔ならまだ生きて下さい
いえ、悪魔だからでしょうか? 神の怒りを買ったのでしょうか? 主よ、あの人は貴方に背く様な方ではありません
あの方は誰よりも愛情深く優しい方です
自分で言うのも何だが
私は美男子だ。 それに付け加え教養も行き届き優秀でそこらの貴族の男よりは上に違いない
(…流石に変か?)
しかし私の産まれは新興宗教の様な物を慕う貧しい村だった
左右違う色の瞳を持つことにより 実の両親にさえ気味悪がれ 日常的に殴られ赤く腫れた傷から流れる血は穢れ、 傷口からは時には膿が湧いていた
まだ数え年四つにも満たない時私は親に捨てられた
死を覚悟した
体温が下がり死の足音が近付いて来た時 あの方が現れたのです
暖かたった
スープにパン、暖かいお風呂にベッド 普通の子供ならば毎日与えられる物をあの人は与えてくれた
今まで一度も与えられなかった物を
泣いた、声を殺して泣いていたのをあの方は 『子供は我慢して泣くんじゃないよ、泣きたい時は泣きなさい』 などと言ったのだ
驚いた、それと同時にとても嬉しくて悲しくて…幸せだった
声を出せなくなるまで泣いた あの人は泣き止むまで私の事を抱き締めてくれた
胸元に顔を埋めて泣いて鼻水も垂らしていた きっと高い服だったので今となれば申し訳なさが勝つが
当時無力だった私は初めて安心出来る場所を得たのです
あの男が葬式にやって来ました
白色でまとめられた場に紫色の薔薇の花束を持ってね、 自分色に染めようってか?
眼鏡をかち割ってやろうかと思いました
しかし弟妹達に止められてしまったので棺の中で眠るお母様に ボソボソと話す姿を恨みを込めた目で見るだけに済ませました
よく見ると其奴の胸元には昔お母様からのプレゼントだというブローチが輝いており何とも言えない気持ちが巡った
葬式が終わり泣いている弟妹を慰めていると男が話し掛けてきた
『少しは状況を考えて話しかけろよ馬鹿野郎』なんて言いそうになるのを必死に堪えて応じると
男はだた『助けられなくてすまなかった』とだけ言い私を抱き締めた
は?何を言ってるんだよ
『助けられなくてすまなかった』だと?巫山戯るな そんな事を言うなら腹切って死ね
……つい口が悪くなってしまった お母様に怒られてしまう
しかしそれでも許せない
身を使ってでも守れよ お母様を犠牲にするな
嫌悪 憎悪 喪失 その様な感情を織り交ぜたが
私はいつの間にか抱きしめられたまま泣いてしまっていた
拾われた時と同様に、今回は声を殺した
弟妹に弱い姿を見せない それが私の役目だから
それにしても
あの男は許せん
いい加減元夫ならばどっか行け なんですがるんだ畜生
(……口が汚いな、お母様に失礼…かな)
お耳汚しの言葉失礼した
まぁ、けど あの男に怒った時のお母様の方が口は悪いし大丈夫だろう
「ふふ、どうかした?一緒に遊ぼうねぇ」
「…」
「まだ」
「まだ、教えて欲しいレシピ沢山あったのになぁ……」
お母様のばか
ばかばか 大ばか
今でも十分覚えている お母様の体温も声も全部
だけどあと1年、10年後もそうだろうか?
人にとって何かを忘れるために十分な時間だ
私はお母様を、 お母様との思い出を
全て覚えられているのだろうか
嗚呼
願いが叶うのであればもう一度
一回だけで良い
会いたい
感謝の言葉を伝えたい 弱音を吐きたい 抱きしめて欲しい
まぁけど
お母様はこんな風に子供を悲しませたんだ
東の国ではあの世に行く前に川の近くで石を積むという罰があるらしい
私がそちらに行くまでの60年程はやってて欲しいくらいだ
子供
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
カーネ
コメント
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ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ 分かってたけど!!分かってたけど!!泣かせてくるな…泣かせてくるなよぉぉぉ!!!!
見たのは自己責任だけどこんな時間に涙腺崩壊させてくるのは違うじゃないですか、違うじゃないですか……