コメント
15件
楼月ちゃんが書くファンタジー好き💕 怪物って言うと怖いイメージあるけど優しい怪物さんもいるんだね✨ 主人公は一番になったけど一番になったら何も無いことを知った……。確かに一番になったら次目指すものがない、よね……
面白そうですね!!怪物の正体は悪魔なのかな…?
目の前の、光り輝く星々を 遠目で見る。
強い光を発する一番星に、 私の視線は惹き寄せられる。
『一番に、なりたい___』
昔から、それだけが私の 夢だったんだ。
きっかけは、今でも鮮明に 覚えている…
小さな小さな、幸せのせい。
あの頃はまだ、純粋だった。
『一番に』なんて、 ならなくても幸せだった。
でも…
知ってしまったんだ。
『一番に』なることの、 この上ない満足感と達成感。
そして何よりも、大切な人の 大好きな笑顔を___
自分でも痛いほどわかってる。
プライドが高すぎる____
自分は、そんな 嫌な奴なんだって。
当然だけど
いつしか、みんな 私と距離を置くようになって。
そのことに気づいた時に、 自分を変えられたら
どんなに良かっただろう。
でも、鯖のように こびりついた『私の夢』は
一向に離れてくれなくて。
今更自分を変えることなんて できなかった。
だから死ぬ。
それだけ。
私が死んだら、みんなきっと 幸せになれるから。
汚れた心を持つ私にはもう、 生きる価値などないから。
目の前で大きな素敵な花火が 上がった。
その大きな音と光に驚き、 はっと我に帰る。
無意識に下を向くと、 懐かしい記憶が蘇ってくる。
地上にいる人たちはみんな 楽しそうに手を叩いている。
まるで私が、存在していない かのように無視をして。
不思議と目頭が熱くなり、 そこに雫が少しだけ溜まった。
…はは、さようなら。
どうか、元気でね____
助走をつけて、勢いを増して
勢いよく、跳んだ。
スローモーションのように、 ゆっくりと時間が流れる。
人間の『死』って、本当に 呆気ないんだなぁ……。
死ぬ間近であるというのに
呑気に、そんな事を 考えていた。
目を覚ました時
感じるはずの強い痛みが なくて_____
代わりに、誰かの 優しい温もりを感じたんだ。
眠さを押し殺して目を開ける。
真っ先に飛び込んできたものに 驚き、私は飛び起きた。
鋭く尖った、槍のような二つの頭に突き刺さっているもの。
鮮やかな紫色の身体。
そこら中のものを吹き飛ばしてしまいそうな黒い翼。
畏怖するほど、冷酷で 氷のように冷たく鋭い目線__
…お化け?
……いや、違う。
怪物……?
何故か近すぎる『怪物』の顔_
頰の辺りが沸騰したように 熱くなった。
…っていうかこの体勢!!!
これが俗に言う、 『お姫様抱っこ』ってやつ!?
振り向いた時には、 もう遅かった。
私の身体は真っ逆さまに 落ちていった___
はずだった…のに。
隣を見たら、さっき会った 『怪物』がいて___
空中でぎゅっと、 抱きしめられたんだ。