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プラネタリウムの星

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プラネタリウムの星

2 - プラネタリウムの星2

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2019年07月27日

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夜11時。 眠れずに、更にお腹も減ったので近所のコンビニへとやってきていた。 夜食を物色しにきたは私は真っ直ぐおにぎりコーナーに行く。 店内は人が2、3人程度しか居らず同じくおにぎりコーナーにいた人の隣に立った

んー…

暫し悩む。 ここは定番の鮭にするか…それともおかか?いやツナマヨも美味しそう…

東雲星夜

…あ?晴、か?

え?

隣を見れば、同じおにぎりコーナーをみていた人が館長さんだったと気付いた。 全然分からなかった、と驚きながら片手を挙げる

あ、こんばんわ、館長さん

東雲星夜

……おー…。こんな場所で会うなんて珍しいな

そうですね!館長さんは?

東雲星夜

小腹の足しに

私と一緒!私もお腹が減って…

お腹を押さえてアピールすれば、お腹を見られた。 そして一言。

東雲星夜

寝る前に食うと太るぞ

余計なそれに、意識がお腹に行き無意識にお腹を引っ込ませた それに噴き出す館長さんに顔を歪める。

女に太るって言葉は禁句です

東雲星夜

それなら口出ししないが…

…一度言われれば食べ辛くなるじゃないですか…

東雲星夜

あー…悪かったな。じゃあゼリー買ってやるからそれで我慢しろよ

えー…あ、ならプリンがいいです!

東雲星夜

…プリンはカロリー高いんじゃないのか?

もう一度お腹に目を向けて…

ゼリー。ゼリーで我慢しましょう…。あ、桃のゼリーでお願いします

東雲星夜

はいはい、んじゃ買ってくる

黄色いカゴに私が注文した桃のゼリーを入れて会計へと行く館長さんを見送った

東雲星夜

ほら

コンビニから出て帰り道を2人歩く。ビニール袋からガサガサと出した桃ゼリーを私に手渡した館長に御礼を言い貰った 少し大きめな桃ゼリーはまだ冷たくて、頬に付ける

冷たくて気持ち良い

東雲星夜

最近暑くなってきたからな

そうなんですよ。寝苦しい夜は嫌で嫌で…

暑がりな私は現在も半袖短パンというラフな格好である。 正に、寝る前の格好…。 それでも気にせず行けるコンビニは凄いと思う…

東雲星夜

そうか?俺は夏の夜は結構好きだぞ?

え?

不意に上を見上げた館長さんに続いて空を見る。 冬ほど空気が澄んでいるわけでもないので見える星も少ない中、それでも強い光は肉眼で確認出来た。

あ、北極星ありますよ

東雲星夜

そうだな、目が暗がりに慣れると結構見えるもんだろ?

そうですね…あ、あの真上の星は?

東雲星夜

真上はヘルクレスだな、隣がこと座…一等星はベガ。その下のはくちょう座のデネブ…隣のわし座のアルタイル、繋ぐと夏の大三角になる

へぇ…

何度もプラネタリウムで見たと言っても本当の星は何処か違っていて…

星ってすごいですね

東雲星夜

今更だな

今更ですけど

言って、お互い笑い合う。

もっと勉強しなきゃ…

東雲星夜

んじゃあ…

人差し指を出した。

東雲星夜

真上のヘルクレス、こと座の逆の正座は?

…え?はい?…こと座の逆?え、えー…と…?

東雲星夜

……はい、時間切れ。正解はうしかい座…まぁかんむり座でも正解か。ではうしかい座の一等星は?

うしかい座の…?一等星…えー、と?

頭を抱え悩む私に館長は小さな溜め息した。

東雲星夜

アークトゥルス…な。ちなみにアークトゥルスと、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラで、春の大三角だ…。

な、成る程…

東雲星夜

……まぁ、いいか。じゃあな

え?

気が付けば別れ道。 何時ものY字の場所についていて驚いた。

え…もうお別れ…。
残念ですね…

東雲星夜

大袈裟だな

だって…

東雲星夜

どうせまた明日も来るんだろ?

未だ冷たい桃のゼリーを頬から離して手に抱き込む

それは…。行きますけど!

東雲星夜

ならいいじゃねぇか

でも。でも、今日の星はもう見られないじゃないですか…

途端。しん、とする空気の中、不意に降ってきた館長さんの大きな手 グシャグシャに髪の毛を撫でられ、離れていく時には髪の毛がボサボサになっていた

なっ、ちょっと館長さん!?

東雲星夜

生意気なこといった罰だ

え?

訳もわからず呆けた顔で館長さんを眺める。 当の本人はと言えば私に構うことなく足早にY字の右側へ曲がっていく。 しかし不意に振り返り

東雲星夜

…俺の名前は?

え?館長さ…?あ…星夜さん?

東雲星夜

折角名前教えたんだ。ちゃんと名前で呼べよ、晴。また明日な

え?…は、はい。また明日…星夜さん

満足げに笑った館長…いや星夜さんはそのまま振り返ることなく去っていった。 暫くその背中を見ていたけれど…

星夜、さん…

なんとなく呼んでみた名前に一気に気恥ずかしくなり、おでこにゼリーをくっつけて走って家に帰るのだった。

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