フェンスを乗り越えるような音が 聞こえて俺は急いで顔を上げた
虎太郎
…ゆい、、?
ゆい
意外と乗り越えられるんだね
虎太郎
おい
虎太郎
何やってんだ、馬鹿
ゆいはフェンス越しに笑って立っていた
虎太郎
戻れよ
ゆい
虎太郎
ゆい
三階建てって意外と高いんだね
虎太郎
やめろ
虎太郎
ゆい。
虎太郎
俺、お前が好きだ
ゆい
えっ?
今まで隠していたのに 言ってしまった
ゆい
冗談でしょ?
ゆい
僕なんかを好きになるなんて
虎太郎
こんな時に冗談言うかよ、馬鹿野郎
虎太郎
お前がいたからこんなくっそつまんねーとこにも毎日通ったんだ
ゆい
僕は虎太郎みたいに良い所もなくて欠陥ばかりなのに…なんで
虎太郎
そーゆうとこだ、馬鹿
虎太郎
お前、自分に良いとこ無いとか言ってっけどお前に救われてんだよ!
虎太郎
ゆい、お前は
ゆい
?
虎太郎
喧嘩ばっかで勉強も出来ねーしセンコーにも呆れられて授業もまともに受けなくて親からも見放されてクソみてーな俺に言ってくれたよな
虎太郎
「喧嘩は良くないけど毎回誰かを守るためにしてるの知ってるよ、変な噂とか流れてるけど僕は虎太郎がすっごく優しいの知ってる」って
ゆい
だってそれは本当の事で…
虎太郎
俺はお前のそーゆとこが好きで…
ゆい
虎太郎
俺をちゃんと見て褒めてくれて…凄い救われたし嬉しかったんだ…
虎太郎
だから俺の前から居なくなんなよ…
虎太郎
今度は俺がお前を救ってやるから
ゆい
こ、たろう…
ゆい
でも…僕
ゆい
家に帰りたくない…虎太郎とずっとここにいたい
ガシャっとゆいがフェンスに頭をつけて俯いた
虎太郎
なぁ、ゆい
虎太郎
一つ質問
ゆい
?なに、
虎太郎
俺たち両思いって事でいい?
ゆい
えっ
虎太郎
告白の返事ちゃんと聞いてねーんだけど、教えて
ゆい
う…あ…///
俺はゆいをじっと見つめる
虎太郎
(真っ赤になってるゆい可愛いな)
ゆい
僕も…すき…だ
虎太郎
うん、良かった
虎太郎
ありがとう
虎太郎
じゃあ、ゆい
ゆい
?
虎太郎
俺と一緒に住もう
ゆい
はっ?!えっ、?
虎太郎
ゆい
虎太郎
ちゃんと話したいからこっち来て
ゆい
……っ