森山紗奈
まぁそんなことは、どうでも良くて
どうでもいい扱いされたんだけど、
森山紗奈
私は君に聞きたいことがあるんだ〜。
道枝
聞きたいこと?
森山紗奈
そ〜。
道枝
何?
森山紗奈
「幸せになって欲しい」って言われたらどう答える?
幸せになって欲しい……か
道枝
幸せになるよう頑張る…かな
森山紗奈
なんで?
道枝
「幸せになって欲しい」って言うことはその人の願いじゃん?
森山紗奈
……うん、
道枝
人の願いは叶えられるなら叶えてあげたいから。
森山紗奈
素敵な考えだね。
道枝
そう?
森山紗奈
人の願いを叶えたいって思ってるもん
森山紗奈
そう思わない人だっているから
道枝
君は?
森山紗奈
私は……
森山紗奈
幸せになれない………かな……
そう言い、悲しい顔をした。
森山紗奈
なんてね!
そう言い、すぐに笑顔になった。
森山紗奈
冗談だよ〜。
道枝
………そっか。
少し違和感を感じたけど、 無視した。
森山紗奈
あと、私の名前。
森山紗奈
森山紗奈。って言うの〜。
森山紗奈
これからは紗奈って呼んでね〜。
道枝
森山じゃダメ?
森山紗奈
何かしら理由があるならいいけどそれ以外は、ダメ〜。
道枝
分かった。
森山紗奈
じゃ〜ね〜。
(紗奈居なくなる)
道枝
はぁー、
話した瞬間、植物みたいな人だと思った。
だって、話している感覚がないし。植物みたいな、喋り方、声、動き方を、しているから。
でも、植物ではない。普通なのに、普通ではない女の子だ。
道枝
あー考えるのやめよ。
そう言い、考えるのをやめた。
危険なことには近づかない。 平凡な日々を送りたいから、、
この時の自分はまだ、何も知らなかった。
ある違和感を無視したこと、考えることをやめたこと、この行動が、
後悔で自分に返ってくることを。