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「いむ」は、高校生で、親元を離れて一人暮らしをしている。
朝の静かなアパートの一室。 まだ眠気が残る中、 いむは目覚まし時計のアラームに反応して目を覚ます。 カーテンを少し開けると、朝の光が差し込み、 窓の外には静かな街並みが広がっている。 手早く制服に着替え、 朝ごはんは簡単にトーストをかじりながら、 教科書をバッグに詰める。
ドアを閉めて鍵をかけると、いむは小さな声で
いむ
とつぶやく。 アパートの階段を駆け降りて、駅に向かう道を歩く。 周りには通勤や通学で急ぐ人たちの姿があり、 そんな中、いむも自然と足早になる。
電車に乗っていると、 少しドキドキするような気持ちが込み上げる。 友達との会話や、今日はどんな授業が待っているか…、 そんな小さな期待と不安を抱えながら、 いむの高校生活がゆっくりと始まる。
学校で、 いむがいつものように教室で友達と話しているときのこと。 休み時間のざわめきの中、 クラスメイトのひとりが話題を振った。
悠真
別の友達も、
陽太
と目を輝かせて言う。
いむ
と、いむは少し照れながら言い返すが、 友達は引き下がらない。
悠真
いむは、みんなの期待に押されるように考え込む。
いむ
少し不安を抱えつつも、歌い手への挑戦を勧められたことで、いむの心に新しい冒険の予感が芽生え始める。
放課後、いむは友達の言葉が頭に残ったまま帰宅した。 部屋に入ると、ふとスマホを見つめ、 友達の言葉が再びよみがえる。
いむ
勇気を出して、自分の好きな曲を選んで録音を始めた。 初めての挑戦に少し緊張しながらも、 歌うたびに気持ちが楽しくなっていく。 声を録り終え、少しの編集を加えて、 そのままネットにアップロードした。
数時間後、通知音が鳴り始め、 いむの動画に反応が集まりだした。「頑張ったね!」 「声が素敵!」というコメントもあり、 いむは少しホッとした。 しかし、次の瞬間、画面に現れたのは冷たい言葉だった。
アンチ
アンチ
そのコメントを見た瞬間、 いむの心にチクリとした痛みが走った。 せっかくの挑戦がこんな形で 否定されるなんて思ってもみなかった。
いむ
一瞬、諦めたくなる気持ちがよぎるが、 いむは深呼吸をしてスマホを置いた。 ベッドに座り、天井を見つめながら考える。
いむ
悔しさと、ほんの少しの勇気がいむの中で交錯する中、 心の中で小さな決意が生まれていく。
いむ
1年後、いむは無事に大学に進学し、 新しい生活をスタートさせていた。 高校時代の歌い手としての挑戦もあり、 心の中には「もっと自分を表現したい」と いう思いが育っていた。
大学のキャンパスは広くて、 さまざまな人たちが行き交っている。 高校とは違う自由な雰囲気が漂い、 いむにとっては少し緊張する環境でもあったが、 同時にワクワク感も感じていた。 講義やサークルに参加し、 新しい友人たちと出会いながらも、 空き時間には自宅で録音を続け、 少しずつファンが増えていった。
アンチの声に悩まされたあの頃から、いむは強くなった。
いむ
今はそんな気持ちで、新しい環境での挑戦を楽しんでいる。
ある日のこと、いむは大学の課題を終えた後、 久しぶりに歌を投稿した。 少しずつファンも増えてきて、 自信を持って投稿することができるようになっていたが、 やはりアンチコメントは消えない。 投稿して間もなく、 「やっぱり声が合わない」「もっと上手い人いくらでもいる」 といった冷たいコメントが届く。
そんな中、一つのコメントが目に留まった。
?
そのコメントの主は「ないこ」 という名前の男性歌い手だった。 ないこは、いむが以前から知っていた人気の歌い手で、 独特の声と表現力で多くのファンを持つ人だ。 思い切ってメッセージを送ってみると、すぐに返信が来た。
いむ
ないこ
憧れの歌い手に背中を押され、いむの心は温かく満たされた。 アンチの言葉に負けそうになる時もあるけれど、 ないこの言葉がいむの中で力強い支えとなり、 新たな決意が芽生えた瞬間だった。
しばらくして、ないこからいむにメッセージが届いた。
ないこ
驚きながらも興味を持ったいむは、 ないこに誘われるままグループLINEに招待された。 そのメンバーには 「りうら」「初兎」「いふ」「悠佑」 という名前があり、 全員が歌い手として活動している人たちだった。 それぞれが異なる個性と実力を持っており、 話すうちにいむは彼らの魅力に引き込まれていった。
しばらくメンバー全員で話し合った結果、 6人で一緒に活動をしていくことが決まった。 そして、グループ名を「いれいす」として 新たなスタートを切ることに。 メンバーたちは歌や動画を通して、リスナーに楽しさや元気を 届けることを目指し、一致団結して活動を始める。
ある日、いむと初兎がスタジオで話し込んでいた。 次の動画企画の打ち合わせをしていたが、 気づけば世間話に花が咲いていた。
初兎
と、初兎が笑顔で声をかけた。
いむ
いむは少し照れたように笑った。
いむ
初兎
いむは、初兎の言葉に驚きながらも嬉しそうに微笑んだ。
いむ
初兎
初兎は親しみを込めていむの肩を叩きながら言った。
初兎
初兎の言葉に、いむは安心感を覚えた。仲間として支え合えるこの絆が、いむにとっては何よりも心強かった。
いむ
お互いに少し真剣な表情で頷き合い、 いむと初兎は次の企画に向けての意気込みを新たにした。
いむは「いれいす」として活動を続ける中で、 かけがえのない仲間たちと絆を深め、 多くのファンに支えられる日々を過ごしていた。 様々な挑戦を重ねて、苦楽を共にすることで、 いれいすは次第に彼にとっての 家族のような存在になっていた。
そして、活動の中で出会った一人の人に、 いつしか特別な想いを抱くようになった。 自分の歌を聴いて応援してくれるその人の存在が、 いむにとって大きな支えとなり、 心の中に温かな光を灯してくれていた。
ある日の夜、ふと自分のこれまでを振り返り、 いむは心の中でしみじみと感じた。 歌い手としての成長、支えてくれる仲間、 そして想いを寄せる人がいる今の生活。 どれもがかけがえのない宝物だった。
静かな夜空を見上げ、いむは心からの言葉を小さく呟いた。
いむ
そうして、いむは、温かな光に包まれながら これからも歌い手として輝き続ける