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君が笑うから。

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君が笑うから。

1 - 君が笑うから。

♥

29

2019年10月25日

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夏休み真っ盛り

「夏を満喫しよう!」

…なんてみんながみんな言うと思ったか?

くだらない、わざわざこの暑い中出歩く意味が分からない

尚哉

(ふー、エアコン最高…今日も1日中ゲームして終わったな)

俺は榊尚哉、根っからのインドア派である

しかし、なんの奇跡か、

スマホ

トゥルルルルルルルルル

尚哉

!!!

尚哉

っ…ごほん……もしもし

杏紗

あー!起きてた!!

俺にも可愛い彼女がいるんだ

杏紗

寝ちゃってるかなって思いながら掛けたから起きててくれて嬉しさ倍増!

尚哉

(可愛いな…)

杏紗

尚哉ー、聞いてる?

尚哉

聞いてるよ

杏紗

もしもしって言ってから喋らなかったんだもん笑

尚哉

いや……可愛いなって思って

杏紗

んぬぁ!?やめてよ可愛くないから〜…

尚哉

(照れてるのも可愛い……)

あまり口数の多くない俺だけど、彼女のことは大好きだ

杏紗

今日ね、さきちゃんと映画見てね…

尚哉

うんうん、

こうやって、毎日ではないけど、頻繁に杏紗の話を夜の電話で聞いている

俺と真反対でしっかりアウトドア派の杏紗だから、話を聞くのは面白い

杏紗

……でね!明日は中学校のお祭りなんだ〜!!!

尚哉

おお、そうなんだ

杏紗

うん!久しぶりに中学校時代のいつメンと集まれる〜!!

尚哉

それは楽しみだな笑

杏紗

そうなの!それでね、あの……

尚哉

うん?どうした?

杏紗

その、ね、いつメンの中にね、

杏紗

えっ……と、

杏紗

元カレさんが、いて…

尚哉

うん

杏紗

一緒には回るけどね、その、もう友達だから大丈夫なの!

尚哉

分かったよ

杏紗

杏紗

ありがとう

尚哉

楽しんでね

杏紗

うん!

尚哉

あ、でも夜遅くなるんなら帰り道は気をつけるんだぞ

杏紗

分かった!尚哉優しー…

尚哉

んな、どこがだよ…!

杏紗

あ、照れた?照れた??♡

尚哉

う、うるせ、ほら違う話しようぜ

杏紗

えーー??笑

元カレと、出掛けるのか…

杏紗が言うんだから ほんとに友達に戻ったんだろうけど

あんまりいい気分はしないな

杏紗

なんか今日もいっぱい話しちゃってごめんね!笑

尚哉

いや、聞くの楽しいからいいよ

杏紗

ありがとうだよほんとに〜〜!

尚哉

うわ、日付越えてる

杏紗

え!?あ、ほんと!

杏紗

尚哉と話してるとすぐ時間経っちゃうなぁ

尚哉

!!

杏紗

じゃあ寝ようかな

杏紗

おやすみ!

尚哉

ん、おやすみ

杏紗

あ、待って尚哉!

尚哉

どうした?

杏紗

明日も電話していい?

尚哉

祭りで疲れないか?

尚哉

無理しなくていい

杏紗

ううん、一日の最後は尚哉で終わりたいの!笑

尚哉

(なん、っ、なんだよそれ可愛いにも程があるだろ!?)

尚哉

ほんとに、無理はすんなよ

杏紗

杏紗

うん!ありがとう尚哉!

杏紗

おやすみー!!

尚哉

おやすみ

可愛い…ほんとに可愛い

やっぱり…好きだ。

今頃杏紗はお祭りかぁ…

ピコンッ

杏紗からLINEだ

杏紗

お祭り今から〜!!見て見てかなちゃんが後ろから撮ってくれた!

杏紗

どうどう!?髪頑張ったのー!

杏紗

尚哉

いいじゃん

杏紗

ほんと!?ありがとう!!

元カレの前でそんな格好すんの?

あー、今日の俺、心穏やかじゃねえな…

午後11時34分

スマホ

トゥルルルルルルルルル

尚哉

尚哉

…もしもし

杏紗

起きてた!

尚哉

起きてるよ笑

杏紗

今お祭りから帰ってきたとこなんだー!

尚哉

どうだった?

杏紗

もうね、ほんとにほんとにすっごい楽しかった!!!!

尚哉

良かったね

杏紗

うん!あ〜〜〜〜〜楽しかった!

元カレがいたからか?

杏紗のことだから、純粋にお祭りが楽しかっただけなんだろうけど

どうしても元カレの存在に警戒してしまう

尚哉

そっか…ごめん、俺今日は寝るわ

杏紗

え?あ……うん、分かった!お疲れのところごめんね、おやすみ!

尚哉

ブツッ

あーーやっちまった

めちゃくちゃ感じ悪くなっちまった

でもな、ダメだ

元カレのことが頭から離れねぇんだよ

なんで俺に元カレと出かけて楽しかったとか言えるのかがわからない

こんなにイライラするなんていつぶりだろう

ごめん杏紗

でも今、杏紗の話を笑って聞ける自信はない

ん?あれ……朝?

あぁ、俺あのまま寝ちゃったのか

にしても、まだイライラは消えていない

なんなんだよ、くそ…

…あ、杏紗からLINEが入ってる

電話切った直後か

杏紗

眠たいのに起きててくれてありがとうね、ちょっとでも声聞けて嬉しかった!

杏紗

明日の夜は赤い月が見られるんだって!ちょっと楽しみだね!

違うんだよ

眠たかったんじゃないんだよ

なんでわかんねぇんだよ

…違う、俺まだ理由言ってない

何も言ってないのに察しろとか何様だよ俺

今日の夜の電話でちゃんと言おう…

同日:夜

スマホ

トゥルルルルルルルルル

スマホ

ガチャ

杏紗

もっ、もしもし!

尚哉

あぁ、ごめんないきなりかけて

杏紗

ううん、大丈夫だよ!むしろ嬉しい!

尚哉

…そっか

杏紗

尚哉

あのさ、話すだけ話しとこうと思って

杏紗

……なに?

尚哉

元カレとちゃんと友達に戻ってるのは信じるけど、

尚哉

むしろ友達として仲良いのはすごいいい事だとは思うんだけど

尚哉

そいつと出かけたとか、俺に話さなくていい

杏紗

尚哉

俺は、知らなくていい事だから

杏紗

…分かった

よし、言えた

とりあえずこれでこの件は終わりだ

尚哉

別に遊ぶなとかじゃないから、

杏紗

うん

杏紗

分かった

尚哉

尚哉

杏紗?

杏紗

うん、もう分かった

杏紗

ごめんね

ブツッ

──────切れた

切られた……?

こんなこと今までなかったのに

怒られたと思って拗ねたのか?

逆ギレか?

……なんにせよ、俺は悪くない

……よな…?

あーーー、久しぶりの外出だ

つっても、コンビニ行くだけだけどな…

明日から4日間は、なぜか連続で別々の男友達に遊びに誘われてるから

いつものことなんだけど、今日はゆっくりするぞー

尚哉

(…あれ?……あの立ち姿…)

向かい側の歩道を歩く女の子が目にとまる

尚哉

(…杏紗?)

尚哉

(…なんで、ここに…??)

杏紗の家は隣の市だし、この団地に来るなんてなかなか…

尚哉

(……もしかして、俺に会いに?)

尚哉

(…昨日の電話のこと、謝るつもりか??……わざわざここに来てまで?)

嬉しい

でも、俺も少しは怒ってるんだ

元カレと出かけたことを今カレの俺に嬉嬉として話しやがって…

…でも。

直接会いに来るなんて、可愛い…

尚哉

杏紗…

杏紗

あ!おーい!!!

???

あ!杏紗……!!

尚哉

(は?ちょっと待てよ、は??)

尚哉

(そのイケメン誰だよ…)

杏紗

あっ、会いたかったぁあ…

???

ちょ、泣くな?笑

杏紗

久しぶりぃ…

???

泣くなって笑 な、笑って?

杏紗

うんー…

???

杏紗〜笑 杏紗ちゃぁ〜ん?

杏紗

っふ、やめてよ和樹ってば…笑

和樹

杏紗は笑ってる方が可愛い!

杏紗

んな、可愛いわけないでしょやめて〜笑

和樹

いつも可愛いけどな?

杏紗

もう!!笑

2人は仲良さげに歩いていく

…って、

はぁああああ!?!?

尚哉

(誰だよ!?)

尚哉

(……って、は?!は!?!?)

杏紗

お邪魔します〜

和樹

はーいどうぞ〜

杏紗

和樹がどうぞって言うの?笑

和樹

今母さん達出てるから笑

杏紗

あ、了解〜

尚哉

(家?なんで?は?)

2人は中に入ってしまって何も聞こえなくなった

尚哉

(なに、親居ないって?は??)

尚哉

(なんなの、なんなわけ?)

怒りが次から次へ湧いてきて、

俺はいたたまれなくなって

その場から走り出した

もう、無理だ

これ以上は、杏紗のことを 手放しで信じるなんて出来ない。

杏紗は社交性があるから…?

無理だろ、そんな理由で納得なんて 出来ない。

男と二人きりで、家にいるんだぞ?

今も!!

尚哉

なんなんだよ…

尚哉

杏紗、会いたかったとか言ってたし、随分親しそうだし??

尚哉

……浮気…?

もう嫌だ

何も考えたくない

スマホ

ピコンッ

尚哉

!!!?

尚哉

………LINE……

尚哉

……

尚哉

杏紗、から…

杏紗

昨日はごめんね。
1回、ゆっくり話し合わせて欲しいです。

尚哉

はっ……なんなわけ?

話し合うとか……

俺に愛想尽きたんならいっそ今言って欲しい

……俺はインドア派だし、話も合わねえだろうし、

逆に今まで杏紗と一緒にいれたことが奇跡みたいなもんだから…

尚哉

…でも、最後くらいかっこよく終わりたいな

尚哉

彼氏っぽいこと何もしてやれなかったし…まぁただの自己満足だけど

ちゃんと全部聞こう

ちゃんと全部言おう

ちゃんと全部、全部全部全部……

終わりにしよう

杏紗

昨日はごめんね。
1回、ゆっくり話し合わせて欲しいです。

尚哉

わかった。

尚哉

来週の土曜日にでも。

杏紗

ありがとう、じゃあその日は私の家に来て貰えるかな、話すのにはいい場所だと思うから

尚哉

了解。

土曜日

尚哉

お邪魔します

杏紗

うん、好きなとこ座ってて

杏紗

ジュース持ってくる

尚哉

あぁ…ありがとう

パタパタと杏紗が階段を降りていく音が聞こえる

尚哉

にしても…話しやすい場所って言ってたの、家に誰もいないからかよ…

無防備にもほどがあるんだよ杏紗は…

杏紗

三ツ矢サイダーで良かった?
好きだったよね?

尚哉

尚哉

あ、うん

杏紗が丸テーブルを挟んで俺の向かいに座る

杏紗

…………

尚哉

………

杏紗

………

尚哉

………あ、あのさ

杏紗

ごめん!!!

いきなりガバッと杏紗が頭を下げる

尚哉

え、なんだよやめろ…?!

杏紗

あのね、あの日の電話のことなんだけど

尚哉

あぁ…

尚哉

ごめんな、俺心狭いから、元カレってだけでちょっと警戒しちま…

杏紗

違うの!

尚哉

…え?

杏紗

私、元カレのこと聞いてくれなかったから電話切ったわけじゃないの

尚哉

は?え…じゃあなんで…

杏紗

…ごめんね、ただ私がダメなだけなんだけど

尚哉

そんなことないから、言って

杏紗

…信じてくれてないのかなって思っちゃったの

杏紗

…もともと自信なんかなかったけど、あの時になんか…一気に不安になって

尚哉

信じてないわけじゃないよ

杏紗

うん、多分、尚哉のことだからきっとそうなんだろうなってわかってた

杏紗

なのにあの時は、もう…なんかダメで

杏紗

元カレの話とか、嫌がるのは分かってたんだけど

尚哉

ん……?

杏紗

でも、ここで隠すのもなんかおかしいし、

杏紗

むしろ言っちゃうことで、大丈夫なんだよ!って伝えたかったんだ

杏紗

それが結果的に尚哉傷つけることになって自分が許せなくて

杏紗

こんな奴、絶対呆れられてる捨てられるって思ったら泣けてきて…

尚哉

…!

尚哉

まさかあの電話切った後泣いてたのか!?

杏紗

え、あぁぁ言うつもり無かったのに…

尚哉

言えよ、1人で泣くなって…

杏紗

……ごめん

杏紗

結局、私がただ勝手に暴走してただけなの

杏紗

巻き込んで、嫌な思いさせちゃってごめんなさい

尚哉

そんなの……俺が元カレの話聞いて杏紗のことちゃんと信じれなかったのが悪いんだろ

尚哉

杏紗が謝る必要ない

杏紗

ううん、ううん、ごめんね……

尚哉

……泣かないで

杏紗

うん……

尚哉

…でもな杏紗

杏紗

うん?

尚哉

俺、まだ聞きたいことがある

杏紗

…なぁに?

尚哉

あの電話の次の日…

尚哉

俺見たんだ、杏紗と男が二人きりで家に入ってくとこ

杏紗

……!

杏紗

あれは…!

尚哉

…浮気なのか?疑いたくないけど、それ以外考えつかな…

杏紗

待っ、待って待って!

尚哉

なんだよ?

杏紗

和樹のこと!?

尚哉

あー、なんかそんな名前だったか

杏紗

違うよ!!!?

尚哉

何が違うんだ?

杏紗

か、か、和樹は、

杏紗

私の、

杏紗

いとこ!!!!

尚哉

…………

尚哉

……っはぁ!?

杏紗

あの後おばさん達も私のお母さん達も買い出しから戻ってきたし…

尚哉

会いたかったとか、杏紗に対して可愛いとか、色々言って…!

杏紗

だって和樹だもん…童顔だけど、あの人27歳だよ

尚哉

10個上!?

尚哉

じゃあ、えっと…

杏紗

私の事妹みたいに扱ってずっと子供だと思ってるし、

杏紗

でも、仕事で上京したからなかなか会えなくて…

尚哉

なっ…

尚哉

ごめん杏紗!!!

尚哉

疑った…

杏紗

ううん、その状況見れば誰だってそう思うよごめんね

尚哉

あぁあ〜、ほんとごめん…

杏紗

和樹には色々聞いてもらってさ…背中も押してもらっちゃって笑

杏紗

だからあの日、尚哉に話し合いたいってLINE送れたんだ

尚哉

あーーーもう全部合点がいった

尚哉

申し訳ない…

杏紗

んーー…じゃあさ

尚哉

ん?

杏紗

そんなに謝られるの好きじゃないし

杏紗

その代わりにさ…

尚哉

なんだ、何でも言え?お詫びならなんでもするわもう…

杏紗

えっと、

杏紗

そのー…

尚哉

??

尚哉

なんだよ?

杏紗

すっ、

杏紗

好きって言って!

杏紗

欲しい、なぁとか…

尚哉

……は?

杏紗

え、あ、嫌ならいいの、全然…

尚哉

可愛すぎんだろほんと、

尚哉

確信犯?

杏紗

なっ、なに、なんの話!?

尚哉

杏紗

あぁ、好きだ。

……愛しい。

俺は杏紗を抱きしめる

杏紗

!!!?

尚哉

好きだよ杏紗

尚哉

好きだ。

杏紗

〜〜〜〜〜〜〜!!

杏紗

ぅあ、ありがと…

尚哉

ほんと、好きすぎるんだよ…

尚哉

杏紗

尚哉

好きだよ

杏紗

……!!!!

杏紗

わた、

杏紗

私も好きぃ…

尚哉

なん、なんで涙目なってんだよ

杏紗

嬉しすぎるよばか〜〜〜〜!

尚哉

……っあぁくそっ!

俺は杏紗を解放し、両手でその華奢な肩を掴む

杏紗

え……?

尚哉

あのな杏紗

尚哉

杏紗はもっと危機感を持て

杏紗

えっ…と?なんの話…?

尚哉

杏紗は女で、俺は男で、しかも俺は杏紗がめちゃくちゃに好きで

尚哉

おまけに誰もいない家

尚哉

何かあってからじゃ遅いんだぞ!?

杏紗

……?

杏紗は、どういうこと?って感じの顔をしている

けど、ようやく悟ったのか、 みるみる顔が紅潮していく

…それさえも可愛い。

杏紗

えっと、え、あの…!

尚哉

大丈夫だって、何もしない

杏紗

う、うん…

尚哉

もう俺、今日は胸がいっぱいだよ

尚哉

これ以上は糖分過多

杏紗

…っふふ、なにそれ笑

杏紗が笑ってる

俺はまた杏紗を抱きしめる

さっきより優しく、 でも、しっかりと。

杏紗のことは、絶対に幸せにしよう

こんなにはっきり決心したのは今が初めてかもしれない

前までは幸せにするってことがどういうことかわからずにいた

でも、俺はなにがあっても

この笑顔を、杏紗を守る

好きだよ、

そうもう一度呟いてから、キスしてもいいかな、なんて考えた

いきなりしたら怒るかな、

それとも、照れ隠しに睨むかな

…それとも、嬉しそうにはにかむんだろうか

そんなことを考えていたら 勝手に体が動いてキスをしていた

…お、びっくりしてるな

可愛いなぁ…

 

                              

笑った。

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