テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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第1話 - あ

2023年11月03日

#スカッと

タナカトシキ

カズト

俺はカズト、大学4年生の22歳です。

カズト

最近まで彼女がいました。

カズト

かなりの美人で、モデル活動もしていた彼女でした。

カズト

俺はそんな彼女に一目ぼれして、猛アタックで交際に発展。

カズト

でも、あることをキッカケに俺達の関係は崩壊しました。

カズト

俺達はヒドイ修羅場の末に別れたのです。

カズト

俺の身になにがあったのか、良かったら聞いて下さい。

～3カ月前～

アヤカ

カズト、このあいだくれた誕プレ、取りかえてくれない？

カズト

え、なんでだよ

アヤカ

だって、実物を見たら、なんかイメージと違ったんだもん

カズト

イメージと違うってなに。

カズト

自分でネットで調べて、これがいいって言ったんじゃん。

カズト

で、俺は店に足を運んで買ってきたんだよ。

アヤカ

そうだけど、あのネックレスは私に似合わないの。

アヤカ

もっと大人っぽい、高級感のあるアクセサリーが良かったわ。

カズト

そんな、ワガママだよ。

カズト

わざわざ返品に行ってこいっていうのかよ…。

アヤカ

なによ、彼女のいうことを聞いてくれないなんてサイテー。

カズト

なんでそうなるんだよ。

アヤカ

だって、大学イチの美女の私が、付き合ってあげてるんだよ？

アヤカ

私、ファッションモデルもやってるくらいなのに、

アヤカ

あなたみたいに、何のとりえもない平凡な大学生と付き合ってるの。

アヤカ

もっとありがたいと思ってくれないと困るわね。

カズト

何のとりえもないって、ずいぶんな言いかただな。

カズト

俺だって、そんなにモテないワケじゃないのに…。

アヤカ

とにかく、あのネックレスは取りかえてきて！

アヤカ

じゃなきゃ、カズくんとはもう別れるから。

カズト

別れるって、そんな短絡的な。

カズト

付き合い始めの可愛さはどこへいったんだか…。

～1週間後～

カズト

なあ、アヤカ。さっきアヤカの部屋に着いたんだけど。

カズト

昨日さ、誰か来てただろ。

アヤカ

なんの事？

カズト

洗面所にヒゲのカスっぽいのが落ちてた。

アヤカ

え？うそでしょ。

カズト

なんか汚れてると思って拭いたら、明らかにヒゲ。

カズト

不潔だろ。

アヤカ

あ、ごめん。

アヤカ

掃除するの忘れてた。

カズト

掃除とか、それ以前の問題だと思うけど。

カズト

おまけに俺の下着も何枚か見当たらないし。

アヤカ

あ、それは…。

アヤカ

ちょっと古くなってるみたいだから、

アヤカ

処分しておいたのよ。

アヤカ

今度、新しい下着を用意しておくね。

カズト

いや、そんなのいい。

カズト

絶対なんか隠してるだろ。

アヤカ

隠してなんかいないよ！

アヤカ

本当は今日、下着を買っておこうと思ったのよ。

カズト

だから下着の補充はしなくていいって。

カズト

俺が言いたいのは、

カズト

誰かに俺の下着を使わせただろうってことだよ！

アヤカ

まさか！そんなコトしてないってば。

アヤカ

本当に私が処分しただけなの！

アヤカ

私を信じてくれないの？

カズト

信じたいけどさ、

カズト

最近、ワガママの度も酷くなってるし、

カズト

夜、連絡が取れないこともあったりするから心配なんだよな。

アヤカ

私にはカズくんしかいないわ。

アヤカ

心配しないで。

アヤカ

今日も、もうすぐ帰るから。

カズト

わかったよ。

カズト

帰ったら少し話そう。

アヤカ

うん。

～2日後～

アヤカ

カズ君、明日からお仕事で韓国に行ってくるね。

カズト

え、明日から？

カズト

ってか仕事って…。

カズト

大学も休んで韓国に行くの？

アヤカ

そうだよ。

アヤカ

なにか文句ある？

カズト

いや別に．．．

カズト

ただ、ヤケに急だよね。

カズト

そもそも、仕事で海外なんてめずらしいよね。

アヤカ

私、これでも売れっ子のファッションモデルなんだよ。

アヤカ

カズ君は男性だからわからないかもしれないけど、

アヤカ

〇ンスタもやってて、フォロワーも1万人を超えてるの！

カズト

へえ、それはすごい。

カズト

じゃあ、数日間は帰ってこないんだね。

アヤカ

そうよ！しばらく帰らないから。

アヤカ

連絡が取れなくなっても心配しないでね。

カズト

連絡取れなくなっちゃうの？

アヤカ

だって海外だもんw

カズト

いいね、仕事で海外に行けるのは。

アヤカ

フフ、羨ましいでしょ。

アヤカ

平凡なカズトには想像のつかない仕事でしょ？

カズト

はあ．．．まあ、気をつけていっておいで。

アヤカ

いってきまーす♡

～2日後～

サナ

カズト、元気にやってる？

カズト

サナ、久しぶりだね。

カズト

俺は元気だよ。

サナ

アヤカとは上手くいってるとおもう？

カズト

なんだよ、ヘンな聞き方だな。

サナ

ウン、ちょっと心配になってさ。

サナ

アヤカ、最近ちょっと変わったと思わない？

カズト

ああ…そうかもな。

カズト

付き合いだした時はそんなにワガママ言わなかったけど、

カズト

この間なんか、あげた誕プレが気に入らないからって

カズト

「返品して別のアクセサリーを買って来い」って言われたよ。

サナ

何それ、ひどいわね。

カズト

当然、それは無視したけど

カズト

しばらくは機嫌が悪かったね…。

サナ

大変だったね。

サナ

あのね、あんまり言いたくなかったんだけど…。

サナ

私も前から、アヤカにはすごい振り回されてるんだよね。

カズト

え、そうなの？

サナ

うん。

サナ

私、つきあって3年の彼氏がいるじゃん？

カズト

いたね。他校の大学生。

サナ

そう。地元で知り合った彼氏なんだけどさ…。

サナ

アヤカに、彼氏を紹介したらね、

カズト

うん。

サナ

いつのまにか、彼とアヤカがLINE交換してて、

サナ

私のいないところで連絡をとっていたの！

カズト

え、それはヤバいじゃん。

サナ

それで、まず彼氏に状況を聞いたらさ、

サナ

アヤカ、「サナにいじめられてる」って

サナ

デタラメをふきこんで、彼に相談事をしていたんだって…。

カズト

サナがイジメ？

カズト

そりゃ、ないわー。

カズト

しかも、サナの彼氏に勝手に相談するとか

カズト

絶対にないわー。

サナ

そうでしょう。

サナ

彼とはなんとか仲直り出来たけど、

サナ

アヤカに真意を問いただしたら、

サナ

「サナが楽しそうに彼氏と遊んでいるのが気に入らなかった」

サナ

そう言われたのよ！

カズト

アヤカがそんなことを言うなんて。

カズト

．．．でも最近、モデル活動を始めてから、

カズト

確かに言動が酷くなってきているもんな。

カズト

俺も、なんかいつも小ばかにされてる感じがするし。

カズト

しかもこの間は、部屋に男が来ていた形跡があったんだよ。

サナ

やっぱり、やってるかも。

サナ

私、心当たりがあるの。

カズト

え？うそでしょ。

サナ

というか、本人から聞いてるのよ。

カズト

なにを．．．？

サナ

実はアヤカ、カメラマンと付き合ってるよ。

カズト

え？ほんとかよ。

カズト

まさかと思ってたけど、本当に男がいたのか…。

サナ

アヤカが自分で言ってたんだから、間違いないわ。

サナ

カズト、どうする？

カズト

どうするも何も…

カズト

今、仕事だって言って韓国に行っちゃってるしな。

サナ

それもカメラマンと行ってるよ。

カズト

はあ？なんだそれ！

カズト

2人で行ってるのか？

サナ

急に言われても信じらんないよね。

サナ

でも、カズトがだまされてるのを見てたら、黙っていられなくなったのよ。

カズト

そうか、ありがとう。

カズト

でも証拠がないと信じたくない。

サナ

じゃあ、これを見る？

サナ

私とアヤカのLINEだけど。

カズト

え、あるの？

カズト

見せてほしい。

サナ

じゃあ、スクショを送るね。

サナ

（画像送信）

カズト

アヤカとサナのやりとり？

サナ

そう。

サナ

アヤカ、自慢げにカメラマンのことを書いてるでしょ。

サナ

「カメラマンの彼がかっこいい」とか

サナ

「夜の相性は抜群」とか…。

カズト

ほんとに浮気してたのか…。

サナ

しかも、良く見てね。

サナ

カメラマンの彼には子供と奥さんがいるんだって。

サナ

奥さんが実家に帰っている間に、彼の家に泊まり込んでいたって書いてある。

カズト

不倫かよ！

カズト

マジで吐き気がする。

サナ

カズト、どうする？

サナ

これでもアヤカとは続けるの？

カズト

いや、まずは本人に問いたださないと気が済まない。

カズト

今後どうするかは、落ち着いて考えたいから。

サナ

そう。

サナ

なにかあったら相談してね。

カズト

うん、ありがとう。それじゃあな。

～3日後～

アヤカ

カズト．．．相談があるの。

アヤカ

私ヤバい事になっちゃった。

カズト

なにが？

カズト

トラブルでも起こったの？

アヤカ

ごめんなさい！

アヤカ

実は私、浮気してたの…。

カズト

浮気…。

カズト

知ってるよ。

カズト

このあいだ、部屋にヒゲを散らかしてった男だろう？

アヤカ

へ？

アヤカ

気づいていたの？

カズト

ああ。俺の下着を勝手に使ったのも、

カズト

その浮気相手だろ。

アヤカ

ごめんなさい。

アヤカ

すごく強引に誘われて、断れなかったの。

カズト

断れなくても、部屋には入れないよね、フツー。

カズト

で、なんで急に俺に告白する気になったの？

カズト

トラブルって一体なに？

アヤカ

実は、その彼の奥さんにバレちゃって…。

カズト

はあ？既婚者だったの？

アヤカ

知らなかったのよ！

アヤカ

彼が結婚しているなんて知らなかったの。

カズト

よく言うよ！

カズト

男が既婚者だってことは知ってたんだろ。

カズト

奥さんが不在の日に、男の家に遊びに行ったりしたんだろ？

アヤカ

え、なんで知ってるの？

カズト

そんなのどうでもいい。

カズト

で、なんで俺に泣きついてくるわけ？

カズト

俺なら何とかしてくれるとでも思った？

アヤカ

助けてほしいの！

カズト

何を、どうやって？

アヤカ

彼の奥さんが、私の家に怒鳴り込んできたのよ。

アヤカ

しかも、自分の両親も連れて…。

カズト

へえ、それは本気だね。

アヤカ

そうよ、奥さんは本気で怒ってるの。

アヤカ

このままほっといたら、私、奥さんに潰されちゃう！

カズト

大げさなw

カズト

既婚者だと分かってて遊んでいたんだから、

カズト

それなりに覚悟してたんだろ？

アヤカ

してないわよ。

アヤカ

私、まだ学生だよ？

アヤカ

そんな私に慰謝料500万円を払えっていうのよ！

アヤカ

あんまりだと思わない？

アヤカ

私、どうしたらいいのか分かんないよ…。

カズト

そんなの、必死で働いて金を払うしかないだろ？

カズト

俺もまだ学生だから、どうにもしてやれないよ。

アヤカ

そんな、カズ君冷たいよ…。

アヤカ

彼女の私が困っているのに、

アヤカ

助けてくれないの？

カズト

他のトラブルなら、助けたと思うよ。

カズト

でも浮気してて、しかも不倫してたのなら話は別。

カズト

自分でなんとかして。

アヤカ

そんな！

アヤカ

私一人じゃ無理だよ。

アヤカ

だって彼の奥さん、事務所の社長令嬢なんだもん。

カズト

はあ？そんな人の旦那に手を出したのか！

アヤカ

だから、事務所もクビになりそうなんだけど、

アヤカ

実はその事務所も裏社会つながりのヤバイ筋だったのよ…。

カズト

ああ、それは…。

カズト

もっと慎重になるべきだったな。

アヤカ

カズ君、私どうしよう。

アヤカ

このままじゃ私、どうされるか分からないよ。

カズト

それはつまり…？

アヤカ

事務所の社長にも言われちゃったの。

アヤカ

「娘を泣かせた罪は重い」って

アヤカ

カメラマンの彼は当然離婚だし、クビ。

アヤカ

「2度とこの業界で仕事出来ないようにしてやる」って。

アヤカ

私たち、お互いに目の前で頭を丸刈りにされちゃったの！

カズト

え、アヤカも丸刈り？

カズト

それはお気の毒に。

アヤカ

もっと心配してよ！

アヤカ

それだけじゃないの。

アヤカ

慰謝料が払えないなら、セクシーアイドルになって稼げって！

カズト

マジか。

カズト

うーん。

カズト

やっぱり俺には無理だな。

アヤカ

へ？

カズト

あのさ、俺が法学部だと知ってるから泣きついてるんだろうけど。

カズト

学生の身分で出来る事なんて、ないから。

カズト

どうしてもっていうなら、自分の親を頼れ。

アヤカ

そんな…。

アヤカ

おねがい、見捨てないで。

カズト

アヤカ、俺はもう君の事は好きじゃない。

カズト

誕プレを返品しろとか、浮気されたとか

カズト

もう、他にも呆れる事が色々あって、無理になった。

アヤカ

謝るから！反省してるから！

アヤカ

私のそばにいて！

カズト

ごめん、助けてほしいなら、ほんと親に言って。

カズト

俺は、アヤカとは別れるから。

カズト

さようなら。

アヤカ

カズト、カズト！

アヤカ

どうしよう…。

～その後～

カズト

アヤカの浮気が、どういった経緯でカメラマンの本妻に知られたのか？

カズト

どうやらアヤカは、モデル仲間にもカメラマンの事を自慢していたようです。

カズト

それを聞いたモデル仲間が事務所の社長に報告し、

カズト

激怒した社長と、本妻である社長令嬢にもバレた…。

カズト

というのが真相だったと、サナから教えてもらいました。

カズト

俺は、そうは言っても少々心配だったので、

カズト

大学のOBを通して元カノに弁護士を紹介してあげました。

カズト

結果、アヤカはセクシーアイドルになる事は免れたものの、

カズト

慰謝料200万の支払いが確定し、

カズト

今は夜の店や立〇んぼの仕事で日銭を稼いでいる日々だそうです。

カズト

カメラマンの男も仕事が全てキャンセルになり、離婚。

カズト

大きすぎる、火遊びの代償といえたでしょう。

カズト

俺の一目ぼれから始まった恋でしたが、

カズト

女性を顔で選ぶと痛い目を見る、ということを

カズト

身をもって知った気分です。

カズト

今度女性と付き合う時は、

カズト

ちゃんと中身をみて、誠実な女性と付き合うようにしたいと思います！

カズト

最後まで聞いていただいてありがとうございました。

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タナカトシキ

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