テラーノベル
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夏休み最後の日。
彼は突然そう聞いた。
俺は少し考えて、
と答えた。
海にも行ってない。
花火大会にも行ってない。
旅行にも行ってない。
宿題に追われて、暑い部屋でアイスを食べて、 気づいたら夏が終わろうとしていた
彼はそう言って笑った。
近所の小さな公園。
夕方なのにまだ暑くて、セミの声がうるさい。
自販機で買ったジュースを片手に、 俺たちはベンチに座っていた。
彼が言う。
俺は笑った。
くだらない。
でも、楽しかった。
彼とは、特別な出会いじゃなかった。
ドラマみたいな一目惚れでもない。
席が近くなって。
話すことが増えて。
気づいたら一緒にいる時間が増えていた。
ただ、それだけ。
でも俺は、その“それだけ”が好きだった。
ある日、雨が降った。
傘を忘れた俺は昇降口で立ち尽くしていた。
すると後ろから声がした。
振り返ると、彼が傘を持って立っていた。
一瞬、時間が止まった。
彼は顔を赤くした。
雨の音だけが響いた。
でも、その日は世界で一番幸せな雨の日だった。
付き合ってからも、何かが大きく変わったわけじゃなかった。
毎朝「おはよう」って言う。
休み時間にくだらない話をする。
帰り道を少しだけ遠回りする。
たまにケンカする。
でも次の日には普通に笑っている。
夏休みの終わり。
あの日と同じ公園に行った。
彼が言う。
俺は、迷わず答えた。
俺は笑った。
彼は少し驚いた顔をして、それから笑った。
夕焼けが公園を赤く染める。
蝉の声。
ぬるい風。
半分溶けたアイス。
全部、いつか忘れてしまうかもしれない。
でも、
この瞬間だけは、絶対に忘れないと思った。
数年後
大人になった俺が夏の夕方に空を見上げた時。
きっと思い出す。
特別な場所じゃない。
特別な出来事でもない。
ただ、
好きな人と笑った、あの夏を。
#akpr
#⃣ ざこざこ .
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コメント
1件
読んだよ〜〜!!😭💕💕💕 「今年の夏、何かした?」って始まりからもうエモすぎるし、最後の「好きな人と笑った、あの夏を」で完全に持ってかれた…!!✨ 「そこら辺が好き」の告白シーン、雨の音だけが響く描写がめっちゃ良かった🥺 特別なことじゃないけど、一緒にいるだけで十分って気持ちがじんわり伝わってきて、涙出そうになったよ…!!( ; ; ) 日常の積み重ねがこんなに尊いなんてな…青春恋愛の王道すぎる!! ぬさんの優しい文章、めっちゃ好きです…続きも絶対読みたい〜!!🌸