コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
〇〇
鐘が鳴り響く夜。 密かに音楽の鳴る夜。 街中の恋人達は、きっと今日を待っていた。
12月24日
そう、クリスマス・イブである。
多くのカップルは楽しみ、 多くのぼっちは苦しむ。
そんな日の夜を、私は最愛の彼と過ごす。
〇〇
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
去年までは、私も苦しむ側の人間だった。 でも、そんな私を、彼は見つけてくれた。
初めて大好きな人と過ごす、イブ。 絶対に、私にとっても彼にとっても、最高の思い出にしたい。 後悔だけは、させたくないから。
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
彼の舌打ちには、多分色々な意味が込められていて、 今のはきっと、照れ隠しの舌打ちだと思う。
一見なんでも出来そうに見えて、実は不器用で、 できることなんて、ほんのこれっぽっち。
そんな彼が愛しくてたまらない。
〇〇
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
「興味ない」そんな一言に、少し胸がチクリとなる。 つまらないと思ってたら…って。でも、そんな思いは必死に隠す。
〇〇
糸師 凛
〇〇
必死に腕をのばし、スマホの画面に彼と後ろのサンタさんが しっかりと入るように。
いつの間にか背を伸ばして、必死になってる私、多分、 彼はそれが面白かったんじゃないかな。
〇〇
糸師 凛
堪えきれなくなったかのように笑う彼、好きって、思った。 でも、そのあとのセリフはいただけない。
〇〇
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
〇〇
そう言って、私の手からスマホを掻っ攫う彼。
いつの間にか私の腰に腕を回して抱き寄せてるもんだから、パシャリと音が鳴った頃には、私の顔には熱が集まっていた。
糸師 凛
…ほんと、こういうところがずるいんだ。
〇〇
糸師 凛
腕を解けと伝えたかったのに、何を思ったのか 彼はさらに抱き寄せてくる。
整った顔がすぐそこまで迫って、思わず目をキュッと閉じた。
10秒ぐらい。 そのまま目を瞑り続けていると、フッと鼻で笑ったような 声が聞こえた。
〇〇
ゆっくりと目を開ければ、間近まで迫っている美しい顔が、 まるでからかってますと言っているかのように笑っていて、
さっきよりも顔に熱が集まっているような気がする。 無理もないだろう…!
〇〇
糸師 凛
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
〇〇
糸師 凛
糸師 凛
〇〇
心臓の鼓動は速まる。温度も上がる。 それだけ、私自身が求めていたのだろう。
答えなんて、ひとつしかない。
〇〇
糸師 凛
こつん、と額同士がぶつかる。彼の顔はもっと近くなる。 いいの?期待しても。
糸師 凛
〇〇
言われた通りに再び目を閉じる私は多分、すごくちょろい。
でも、彼は約束を破らない人だと、知っている。
糸師 凛
糸師 凛
そっと唇に当たった感触に、どうしようもなく胸が くすぐったくなった。