司
なぁ、ミク、まふゆ、
ミク
どうしたの?
司
やっぱり、おれ、おれ、戻る事にしようと、おもって、あの、
まふゆ
なにを、言っているの?
司
……
まふゆ
ねぇ、司、貴方は私に言ってくれた、消えるなら一緒に消えるって。
まふゆ
一緒に苦しみを分かちあっていくんじゃないの?ねぇ、今更置いていく気?ねぇ司、そんなの許さないよ?
ミク
まふゆ!
まふゆ
黙っていてミク、貴方だって司を戻したくないんでしょう?
司
お、俺は
まふゆ
俺は何?
司
まふゆ、俺、戻らないよ。うん
まふゆ
ふふ、そうだよね。さぁ遊びましょう。なんてたってここは、
まふゆ
アイのセカイなんですもの。ふふふ
えむ
なんか、すごく怖いオーラが朝比奈先輩から漂ってるよ〜
類
思った数倍深刻だね。
寧々
朝比奈先輩?怖すぎでしょ…
司
ねぇ、まふゆ、ミク、次はこっちので遊ぼう、
まふゆ
勿論、
ミク
あ、ねぇねぇその次で良いから、あっちのモノクロの方を探検してみない?
まふゆ
いいよ、ミク
司
俺も気になるな
寧々
それにしてもここって、司たちの想いで出来たセカイなのかな?
類
分からないね、セカイについてまだまだ分からないことだらけだからね
えむ
ミクちゃんもワンダーランドのセカイと全然違うし、
寧々
それにしてもこのセカイ、色々な物があってごちゃごちゃしてる。
類
何かにつまづかないようにしないとね、
えむ
ねぇねぇこれなにかな、星が付いているおもちゃだけど…
そう言ってえむは星のついているステッキの様なものを拾った。
寧々
何これ、ステッキ?
類
ボタンが付いているけど何かあるのかな、でも危ないかもだ
えむ
えい!!
寧々
あ
えむがボタンを押したステッキから音がなり、まふゆが静かに振り返る
まふゆ
誰か居るの?
寧々
言ってるそばからぁぁ(めっちゃ小声)
えむ
ご、ごめんなさい!(めっちゃ小声)
類
2人とも、あそこの影に取り敢えず隠れよう(めっちゃ小声)
3人は近くにあったポスターが丸められた物で出来た山の影に隠れた。まふゆのコツコツという冷たい足音が静かなセカイに響く。
暫くしてだんだんと足音は遠ざかっていき、音も聞こえなくなった。
えむ
よかっ
まふゆ
鳳さん
安心したのも束の間、ポスターの山の上から見下ろすようにまふゆの顔が出る。
えむ
ひゃ、ひゃいぃ
寧々
こっわ((ボソッ…
まふゆ
もしかして貴方達が司のオトモダチ?司を迎えに来たの?
まふゆ
司の事何も分かってないのに?
司
えむ、寧々、類、どうして此処に居るんだ。
ミク
…まふゆ、追い出す?
類
少し話をさせて貰ってもいいかな?
まふゆ
別にいいけど、丁度私も貴方達と話がしたかったし。
司
…………
類
担当直入に言わせて貰う。司君を返してくれ
まふゆ
ダメ、そもそもなんで司を返して欲しいの?
類
それは勿論俺、いや俺達の仲間だからだ。
まふゆ
ふふふ、仲間か…
寧々
な、何が可笑しいの
司
…………
まふゆ
司の想いに気付けずに、ずぅっと司を苦しめてた癖に。
セカイで解読したあの言葉が3人の脳内に流れ混んでいく。もしあれがと思うと中々言い返す事がどんどん出来なくなっていく。
咲希
いちゃん!!お兄ちゃん!!
司
咲希?
咲希
やっと…見つけた!!
えむ
咲希ちゃん!?
寧々
咲希って、司の妹の!?
類
突然参加だね、
まふゆ
天馬さん、どうしたの?
咲希
あ、あああ朝比奈先輩!?
まふゆ
そんなに驚かななくていいんだよ?
まふゆ
せっかくだから4人に教えてあげる。司がどれだけ苦しんでたか。
ミク
まふゆ、この日記帳を読んだらいいと思うよ。
司
そ、それは、ダメだ!ダメ!お願いみんなに、バレてしまう…まだ知らないで欲しいんだ!
まふゆがミクに手渡されたその日記帳は2冊程あり、幼い頃から司が書き溜めてあった物だった。綺麗な字であったが1ページに気持ちの悪いほどびっしり書いてあり、辛うじて読めるぐらいだった。
まふゆ
ごめんね、司、でももう殆ど手遅れだし。もしみんなにバレたら私にもっと縋ってくれるかもだから。あと、分かって欲しいの、司の苦しみを
司
はは、わかった、もういいよ、
まふゆ
うん。
まふゆが静かな声で音読を始める。4人は何も言えなかった。いや、言ってはいけないような何かを感じたから何も言えなかった。