TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

ー数か月前・夕方ー

ガッチマン

(この時間って
意外と多いんだな…)

他の配信者さんとお店で コラボの打ち合わせをした帰り

久しぶりに乗った電車の人の多さに おれは圧倒されていた

ガッチマン

(ちゃんとつり革を
握ってないと
倒れそう……ん?)

1つ隣の入口付近に横向きで 牛沢が立っているのが見える

ガッチマン

(まさかこんなところで
会うとはw)

駅から駅へ電車が進むにつれ 徐々に乗客が減り、やっと 人が歩けるほどのスペースが出来る

ガッチマン

(これなら行けそう)

おれはうっしーに声を掛けるべく 人の間をぬって移動し始めた

先ほどいた場所と うっしーのいるところの ちょうど半分まできたところで ある違和感に気付く

牛沢

っ…ぅ……

いつものふんわりとした 穏やかな雰囲気とは違い 青ざめた表情で 口を両手で押さえているうっしー

ガッチマン

(もしかして
体調が悪い…?)

ガッチマン

(とりあえず
うっしーのところに…)

『◯◯駅〜◯◯駅〜 お降りの際は お忘れ物にご注意ください』

電車が停まり 牛沢とは反対側の入口が開く

ガッチマン

(…待つか)

乗客がある程度下りたところで 再びうっしーの方に 目を向けた時だった

ガッチマン

(……は?)

牛沢の背後に 異様なまでに密着した 男性が立っている

ガッチマン

(なんだ、あれ…)

牛沢

ふっ…ぅ…っ

目に涙を浮かべ ガタガタと震えている牛沢

ガッチマン

(……もしかして、痴漢…)

牛沢

……あ…

ガッチマンに気付く

ガッチマン

うっし…

牛沢

…ガッチ、さぁん……っ

ドクンッ…

この後の事は あまり覚えていない

気付いたらおれは ホームで男性を殴りつけ 取り押さえていて 駅員の通報で駆け付けた警察により 事情聴取を受けていた

幸いうっしーの証言のおかげで 殴った件は不問となったが…

ガッチマン

(誰にも知られたくなかっただろうに…)

" 男が男に痴漢された "

今回の騒ぎで警察や駅員だけでなく 複数の乗客にも知れ渡ってしまった

ガッチマン

(おれがもっと
気を配っていれば…)

いつもなら もっと冷静に対処できていた

今回みたいに 後先考えずに行動するなんて 今まで一度もなかったのに どうして…

『…ガッチ、さぁん……っ』

ドクンッ…

ガッチマン

っ…

ガッチマン

(……あぁ、そうか…)

おれは、うっしーのことを…

ガッチマン

(なんで
こんなタイミングで
気付くんだよ…)

あの後、うっしーを 一人では帰らせたくなくて 家まで送っていったのだが その時にいろんな事を聞いた

例えば、痴漢に遭ったのは 今回が初めてではないこと

小さい頃から度々 痴漢やストーカーの被害に 遭っていたこと

そのせいでたまに 男性が怖くなってしまうことなど

ガッチマン

(誰にも言えず
今まで一人で…)

" これからはおれが うっしーを守らないと… "

この日を境におれは 事あるごとにうっしーと行動を 共にするようになった

最初戸惑っていたうっしーも 慣れてきたのか 今ではどこへ行くにも おれを誘うのが 当たり前になっていた

そんな日常の中、ふと頭を過ぎる

" たまに男性が 怖くなると言っていたのに 男のおれがそばにいて 良かったのだろうか "

" おれが気付いてないだけで 本当は怖くて そのことを言い出せずに いるのではないか "

今まで一度も うっしーの嫌がる姿を 見たことが無かった分 気にしだしたらキリがなく

" 実は一緒にいるのが ずっと苦痛で仕方なかった "

そう言われるのを覚悟して おれは聞いた

でも、うっしーは

『ガッチさんだけは 怖いって思った事ないんだぁ』

そう言いながら笑っていた

" うっしーを守れるのはおれだけ… おれだけが特別なんだ "

なんて思ったのも束の間

『キヨたちのことは接してるうちに だいぶ慣れたんだけど…あ…/// そ、その…時々 ドキッとする時があって…ね?///』

目の前で頬を赤らめながら言う うっしーを見ておれは 理解してしまった

うっしーにとって おれはそういう " 特別 " に

" 害となるものでも 恋愛対象ともなり得ない存在 " なのだということに…

ガッチマン

あぁ~…

スマホを片手に 前髪をかき上げ天を仰ぐ

ガッチマン

言うつもり
なかったんだけどな…

『あの、さ… ガッチさんって今 好きな人、いる…?』

ガッチマン

(本当、誰にも…)

でも、電話口のキヨの雰囲気や声に 言わずにはいられなくなって…

『まあ、ガッチさんなら 大丈夫だと思うけどw』

ガッチマン

(どうしたって
無理なんだよ…
おれとうっしーは…)

好きだと伝えたところで 現実は変わらない

それにおれが告白してしまったら きっとうっしーは 困ったように笑って

おれが傷付かないよう どう断ろうかと あれこれ悩むはず…

ガッチマン

だから
このままでいいんだ…

ガッチマン

(今までみたいに
うっしーのそばにいて
うっしーを守れるのであれば…)

おれの想いなんて どうでも…

ー現在・キヨ家ー

ガチャッ…

リビング横にある寝室に 静かに入るガッチマン

ガッチマン

(電気も点けないで…)

窓から差し込む薄暗い月明かりの中 扉に背を向けた状態でベッドに座り 身を縮こませている牛沢が目に入る

ガッチマン

うっしー

牛沢

ビクッ

恐る恐る振り返る牛沢

牛沢

あ、ガッチさん… ニコッ…

ガッチマンを見て どことなく安堵した表情になる

ガッチマン

大丈夫?

牛沢

うん…

牛沢

さっきのはちょっと…

微かに震えている

牛沢

びっくりしただけ、だから…

ガッチマン

……

ガッチマン

(そんな顔、二度と
させたくなかったのに…)

ギシッ…

牛沢の隣に座る

ガッチマン

……うっし…

牛沢

ごめん…ね?

ガッチマン

え?

牛沢

おれ、全然動けなくて…

俯く牛沢

牛沢

ガッチさんには
いつも助けてもらって
ばっかりで…

ガッチマン

…そんな事ない

ガッチマン

現にさっきは
キヨの行動
防げなかったし

すりっ…

牛沢

んっ…

牛沢の首筋に触れる

ガッチマン

うっしーに
怖い思いさせて…

ガッチマン

(ここにさっき
キヨが…)

牛沢

あ…うぅ……///

目の前で急に視線をそらし 赤くなる牛沢

ガッチマン

…?

ガッチマン

(さっきまで震えてたのに
なんで…)

…もしかして

本当は嬉しかった、とか…?

……ドクンッ…

…いや、そんなはずない

あんなに怯えていたし 相手が好きな人でもない限り そう簡単に今までの恐怖が 無くなる訳…

ガッチマン

(…好きな人?)

ドクンッ…

ガッチマン

っ…

ガッチマン

(……そういうことか…)

いつかこんな日が来ることは 分かっていた

うっしーが おれじゃない誰かを選ぶことも

今度はその誰かが うっしーを守っていくことも…

ガッチマン

(それがキヨ…)

ぐっ…

牛沢

ビクッ//

キヨが触れた場所に 軽く爪を立てるガッチマン

牛沢

(い、いま…爪…//)

ガッチマン

(レトさんのことを
好きだと言っていたのに…)

さっきのが 勘違いじゃなければ キヨはうっしーのことを…

そしてうっしーも キヨのことを……

牛沢

……ガッチさん…?

爪を立てたままのガッチマンに 声を掛ける

ガッチマン

……

牛沢の声に反応せず 無表情のまま黙っている

牛沢

(どうしたんだろう…)

すっ…

ガッチマン

……え…

ガッチマンの頬に触れる牛沢

牛沢

大丈夫…?

ドクンッ!

ガッチマン

っ…

牛沢の心配そうに見つめる瞳や声に 一瞬にしてあの時の衝動が 押し寄せてくる

ガッチマン

(……奪われるくらいなら…)

おれが…

ガッチマン

…うっしー

ガッチマン

後ろ、向いて…?

牛沢

え、後ろ…?

言われた通り ガッチマンに背を向ける

牛沢

こ、こう…?

ガッチマン

そう、そのまま…

ぎゅっ…

牛沢

!?///

後ろから牛沢を優しく抱きしめる

牛沢

あ、え…?///

ちゅっ…ちゅう……

牛沢

ひゃっ…んうぅ…///

何度も何度も 牛沢の首筋に キスをするガッチマン

キスされる度に 牛沢の体が ビクビクと反応する

ガッチマン

(かわいい…)

牛沢

ガッチ、さんっ…
まって…///

ガッチマン

…嫌?

牛沢

ちがっ…
そうじゃなくて…

ちゅうぅ…

牛沢

んんっ///

ガッチマン

そうじゃなくて?

牛沢

は…恥ずかしい…から…///

ガッチマン

…本当

ガッチマン

めちゃくちゃかわいい…

牛沢

か、かわっ!?///

ぐいっ!

牛沢

わっ///

牛沢を自分の方に向かせるガッチマン

ガッチマン

うっしー…

ガッチマンの顔が 徐々に近付いてくる

牛沢

あ…///

牛沢

(ま、また…っ///)

ぎゅっと目を閉じる牛沢

先ほどと様子が違うものの 微かに震えている

ガッチマン

っ…

ガッチマン

(こんなに怯えさせて
おれは何を…)

牛沢

うぅ…///

ガッチマン

……

守らなきゃいけなかったのに

おれだけは こんなことするべきじゃ なかったのに

これじゃ、あいつらと…

うっしーに 痴漢とかしてきたやつらと 一緒だ…

ガッチマン

……ごめん…

牛沢

…え?

スッ…

牛沢から離れるガッチマン

ガッチマン

本当に、ごめん…

牛沢

……何のごめん、なの?

牛沢

(なんでそんな辛そうな顔して…)

ガッチマン

もっと早く
気付けば良かった…

ガッチマン

一緒にいなければ
怖がらせることも
ないんだって…

牛沢

(それってどういう…)

ガッチマン

もううっしーとは
一緒にいられない

牛沢

っ…

ガッチマン

今回で最後にする

ガッチマン

もう二度と
うっしーの前には
現れないから

ガッチマン

だからこれからは
安心して…

牛沢

……だ…っ

ガッチマン

え?

牛沢

そんなのやだぁっ!

ぎゅっ!

ガッチマンの服を掴む牛沢

牛沢

なんでそんなこと言うの?

ガッチマン

なんでって
おれが一方的に…

牛沢

「一方的に」なに?

ガッチマン

おれが一方的に
うっしーのことを
好きになって…
でも、うっしーが
誰かのものになるって思ったら
耐えられなくて

ガッチマン

こんなおれの
身勝手な想いのせいで
うっしーを
怖がらせてしまったから…

牛沢

おれ
怖がってなんかない

牛沢

ガッチさんだから
怖くないよ…?

ガッチマン

(……怖くない…)

結局、行き着く先は同じ…

何をやってもおれは

うっしーの " 特別 " には なれないんだ…

牛沢

…おれ、だって…っ…

ぽろっ…ぽろっ……

ガッチマン

!?

牛沢の目から涙が零れる

ガッチマン

(なんで泣いて…)

牛沢

おれだって
ガッチさんのこと…
好き、だもんっ…

ガッチマン

(…え?)

ガッチマン

うっしー
おれのこと
好きなの…?

牛沢

そぉ…言ってんじゃん…

ガッチマン

いや、でも
おれだけ
そういう風に
見れないんじゃ…

牛沢

だから…
ガッチさんだけだってばぁ…っ

牛沢

怖くないのも
一緒にいたいのも
いっぱい触って欲しいのも

牛沢

恥ずかしくて思わず
目をそらしちゃったりするけど
顔を近付けながら
じーっとおれを見つめてくるのを
嬉しいと思っちゃうのも
全部っ…ガッチさ、ん…だからっ…

ガッチマン

…ん?

ガッチマン

(顔を近付けながら
じーっと見つめて…?)

言われてみれば確かに キヨたちと比べると うっしーと距離が近い気がする…

そういえばうっしー 赤くなる時はいつも おれの目の前だったような…

ガッチマン

…っ//

も、もしかしなくてもおれ キヨたちみたいに うっしーへの好きが だだ洩れだったんじゃ…//

牛沢

うぅ…っ

ボロボロ泣く牛沢

ガッチマン

あ〜…えっと…//

ガッチマン

(これ、両想い…だよな?//
いやぁ、お互い鈍感な上に
色々とこじれまくって…//)

ガッチマン

うっしーの気持ちは
分かったから
もうそんなに
泣かなくても…//

牛沢

絶対、分かってないっ…

ガッチマン

いや、もうちゃんと
分かってるから…//

牛沢

だって…おれとは
会わないようにするんでしょ…?

ガッチマン

あ、あれは、その…
ごめんね…?//

牛沢

うぅ~…やっぱりこれで
最後なんだぁ…っ

ガッチマン

あ~もう…//

ぐいっ

牛沢

っ///

牛沢を抱き寄せるガッチマン

牛沢

ガ、ガッチさ…///

ガッチマン

さっきのは
おれの片想いだと思ってたから
言ったのであって

ガッチマン

でも、うっしーも
おれと同じ気持ちだって
分かったから
もう離すつもりはないというか…

すりっ…

牛沢

んっ…///

牛沢の頬を撫でる

ガッチマン

一生、
うっしーのそばから
離れないから

ガッチマン

だからもう
泣き止んでくれると
嬉しいんだけど…//

牛沢

…よかったぁ///

嬉しそうに笑う牛沢

ガッチマン

(やばい…
マジでかわいい…♡)

牛沢

ガッチさん

ガッチマン

ん?

牛沢

大好き/// ニコッ

ガッチマン

(くっ//)

ガッチマン

おれも
大好きだよ ニコッ

牛沢

うん♡

ガッチマン

(あ~…
これはだめだ…//)

牛沢に顔を近付けていく

ガッチマン

(もう我慢の限界…//)

牛沢

…あ!!

ガッチマン

!?

あと少しで キスできそうなところで 止まるガッチマン

ガッチマン

ど、どうした?

牛沢

キヨとレトルト!

牛沢

2人きりにして
大丈夫かな!?

ガッチマン

(あ、忘れてた)

ガッチマン

(いやでも、うっしーを
一人にしたくないし、
かといって
キヨに近付けるのも…)

牛沢

ねえ、ガッチさん

ガッチマン

ん?

牛沢

おれはガッチさんが
いれば大丈夫だよ ニコッ

ガッチマン

(!?//)

ガッチマン

そ、そうか…//

ガッチマン

(なんていうか…
言葉と笑顔の破壊力//)

ガッチマン

(て、今はキヨたちのことに
集中しないと…)

ガッチマン

なるべくおれから
離れないようにね?

牛沢

うん、分かった ニコッ

ガッチマン

よし、
じゃあ行こう!

とんでもない恩返し?

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

402

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚