蘆屋道満
……不安にさせてしまってごめんなさい…

蘆屋道満
確かに私は、貴方の言う通り晴明が好きです

蘆屋道満
…でも、貴方の事も同じくらい大切に思ってる事も本当なんです

蘆屋道満
……”どっちも”だなんて欲張りですよね

蘆屋道満
…だから私は、死んでしまった晴明の事を忘れようと努力はしました…

蘆屋道満
……でも、初めてだったんです

蘆屋道満
…あんなに優しく誰かから受け入れて貰えたのは

蘆屋道満
…私は晴明に出会う前、親に捨てられました

烏丸蘭丸
…!

蘆屋道満
……人間なんて自分勝手で、醜くて傲慢で、大嫌いでした

蘆屋道満
…でも晴明だけは、私の事を大切に育ててくれた

蘆屋道満
…私を暖かく受け入れてくれた

蘆屋道満
……だから私は、晴明に感謝してるんです

蘆屋道満
…そして私は、晴明の事を恋愛感情として好きになりました

蘆屋道満
……その後晴明に気持ちを伝えたら、その時も、”男が男を好きになる事は、恥ずかしい事じゃないんだ”と、暖かく私を受け入れてくれた

蘆屋道満
…優しく抱き締めてくれたんです

蘆屋道満
……何度もキスをしたり、身体を重ねたりもしました

蘆屋道満
…でも晴明は、私に何も言わず、ある日突然死んでいたんです

烏丸蘭丸
__それがあの日?

蘆屋道満
……はい

蘆屋道満
…寂しさで気が狂いそうになりました

蘆屋道満
…何で俺に何も言ってくれなかったんだって、日に日に怒りが蓄積していく反面、晴明が居なくなった事に対しての虚しさ、その両方に襲われました

蘆屋道満
……でも貴方は…、気づきながらも傍に居てくれたんですよね

蘆屋道満
……自分の事は好きじゃない、晴明の代わりだと気づいているのに、文句一つも言わず、今まで傍に居てくれた

蘆屋道満
…確かに私は、貴方を晴明の代わりとして傍に置いていました

蘆屋道満
……利用してしまってごめんなさい

蘆屋道満
…あの時の私は、一人で生きて行くのが困難な状態でした

蘆屋道満
…でも貴方の優しさに、心を動かされていたのも事実です

蘆屋道満
…貴方は、私にいろんな事をしてくれた

蘆屋道満
__私がそれを受け入れられなかったのは、怖かったからなんです

蘆屋道満
…晴明を裏切るような気持ちになってしまったから

蘆屋道満
……でも晴明は先程、”悔しいけど道満をお願いしたい”と言いました

蘆屋道満
…晴明は、私が前に進む事を許してくれている

蘆屋道満
……だからもう、何も怖くないです

蘆屋道満
__私は、貴方が好きです

蘆屋道満
…それは晴明じゃなくて、紛れもなく、朱雀__貴方の事です

烏丸蘭丸
…__!

蘆屋道満
…遅くなってしまってごめんなさい

蘆屋道満
…きっと貴方には、とても苦しい思いをさせたと思います

蘆屋道満
…でも…、これからは__

烏丸蘭丸
ッ~、やめてよ…っ”!!

蘆屋道満
…!

烏丸蘭丸
そんな事…っ、いきなり言われたって……信じられる訳ないじゃん…

烏丸蘭丸
あっちゃんは昔から…っ、僕の事…鬱陶しそうにしてたじゃん……

烏丸蘭丸
好きになるなんて事ある訳ない…っ”!!!

蘆屋道満
…っ

蘆屋道満
じゃあ…、どうすれば信じて貰えますか?

烏丸蘭丸
…ぇ…__?

蘆屋道満
…言えよ

蘆屋道満
どうすればお前が好きだって証明出来るんだ…??

烏丸蘭丸
何言って__ッ

蘆屋道満
なら__

蘆屋道満
俺がお前を抱く

烏丸蘭丸
……は…っ?

蘆屋道満
そうすれば、信じてくれるか?

烏丸蘭丸
…何で…っ、そこまで……

蘆屋道満
だから、俺は朱雀が好きなんだよ…っ!!!

烏丸蘭丸
…っ

烏丸蘭丸
__じゃあ…っ、キスしてよ……

烏丸蘭丸
愛してるって言って…

烏丸蘭丸
僕にしか見せない表情を沢山見せてよ…っ

烏丸蘭丸
……独り占めさせて…(ポロ

蘆屋道満
…!

烏丸蘭丸
ひとりぼっちにしないで…ッ…(泣

蘆屋道満
…ごめん

蘆屋道満
チュ)

烏丸蘭丸
…ん”ッ

烏丸蘭丸
……あっちゃんが僕を本当に好きなのか…、分かんないよ…っ…(泣

蘆屋道満
…ッッ

烏丸蘭丸
…__!

蘆屋道満
愛してる…っ(ポロ

蘆屋道満
だから…っ__信じてくれ…(泣

烏丸蘭丸
…__

今まであっちゃんは、僕の事を本当に好きじゃなかったんだと思い知らされる
__だって、あっちゃんに抱き締められるだけでこんなにも暖かくて、本当に僕を愛してくれてるんだと、今この瞬間、口に出していないのに僕に対するあっちゃんの感情が流れ込んでくるから
”ごめんなさい” ”愛してる” ”好き” ”捨てないで” ”離したくない” ”離さない” ”傍に居させて欲しい”
あっちゃんの考えてる事、今なら全部分かる
…あっちゃんは本当に、僕を愛してくれてるんだね__
烏丸蘭丸
……ありがとう、あっちゃん

烏丸蘭丸
…僕、幸せだよ…/(ポロ

蘆屋道満
…ッ、俺も…/(泣

烏丸蘭丸
…二人で、これからもっと幸せになろう?

蘆屋道満
…嗚呼っ…、約束する…

烏丸蘭丸
__約束だよ(微笑
