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夜猫依頼事務所～厄災の魔女～

第76話 - 第76話『一時脱出』

2025年08月30日

#一次創作

#ファンタジー

#戦闘

🌙夜桜猫🌸

シュッ！！

黒扇

……。

グイッ！！

黒扇

ッ！？

スッ

ガシャンッ！！

空間内の設置された鏡から何者かに引っ張られ、黒扇が現れる。

その数秒後、鏡が粉々に崩れた。

黒扇

（…はっ？
どうなってんだ？）

黒扇

ッ！？

顔に包帯を巻いた男性が黒扇の腕を掴んだまま立っている。

……。

黒扇

(なんだ、
こいつ…誰だ？)

…手間がかかるやつだ。

依頼を果たさず、
易々と死なれては困る。

……。

包帯の男性は黒扇から手を離し、声の主の方へ歩く。

黒扇

（…なんだ、
あいつの仲間か。）

声の主は黒扇の方へゆっくり歩いてくる。

……。

第76話

『一時脱出』

黒扇

…お前、
あの場にいたのか？

そうだな、
お前の様子は
ずっと見ていた。

黒扇

（…見てたなら
手伝えよ。）

…魔女様から
授かった力だというのに
この様とはな、

おまけに
くれてやった魔具を
壊すとは…。

まぁいい…、
例のものを
さっさと出せ。

忘れてないだろうな…。

黒扇

…あぁ、あるぞ。

黒扇は黒いモヤを出し、その中に手を入れる。

そして、その中から銀色のアタッシュケースを取り出した。

黒扇

…言われたとおり、
施設側が不利になるよう
警官を配置した。

黒扇

まぁ、あそこまで
やばいのがいたとは
思わなかったがな。

銀髪の男性は黒扇から銀髪のアタッシュケースを受け取り、中身を確認した。

黒扇

布に巻いてるのが
一番強力なやつだ。

黒扇

神父もどきが
自分用にこっそり
作ってたみたいだ。

黒扇

盗むのに
相当苦労したがな、

…問題ないな。

……。

包帯の男性がアタッシュケースを差し出す。

報酬だ、
今までの倍の額を
入れている。

黒扇

ふん、どうも。

黒扇はアタッシュケースを受け取った。

…言ってたとおり
お前との取引は
今日までだ。

少しだが
役に立った。

黒扇

（最後まで腹立つ
言い方を…）

スッ

黒扇

ッ！？

黒扇の立つ地面に白い光の穴が開く。

そして、彼は光に落ちて消えた。

……。

…そろそろ始めるとする。

その間、
教会の方を任せる。

邪魔者は必ず排除しろ。

……。

スッ

黒扇は部屋の立て掛け鏡から勢いよく飛び出し着地する。

黒扇

（…あの野郎っ、
いきなり出しやがって…
ほんと腹立つな。）

黒扇

（…ここは、
…養護施設の
ガキらのいる練の
職員の部屋か。）

黒扇

（…はぁ、
あのガキを
仕留め損ねたな。）

黒扇

（今戻っても
逆にやられる。）

黒扇

（おとなしく
ここを離れるか。）

…君が黒扇か？

黒扇

ッ？！

黒扇は突然の声に驚き、背後を振り返った。

そこには警官服を着た黒髪の男性が立っている。

黒扇

(あいつ、わざと
サツの前に
出しやがったのか？)

…まぁ、ここに
来たと言う事は確定か。

残念ながら君は…

ビュンッ！！

光線が警官に直撃する！

黒扇

…捕まってたまるかよ。

黒扇

（あいつ、警察とも
グルだったのか？）

黒扇

（一体、
どっち側なんだよ。）

なるほど、
これが多くを
葬った魔法か。

黒扇

ッ！？

黒扇は慌てて背を向けた方向を振り返る。

すると、男性は先程と変わらない位置に立っている。

…だけど、
今日はそうは
いかない。

黒扇

（こいつ、なんで生きてる！？）

黒扇

（今、
直撃しただろうが…）

黒扇

…な、

黒扇

（…なんだ…あれ…）

黒扇は目の前にある光景を見て、身体が震える。

黒扇

お前っ…、
一体何なんだ？

…残念ながら
君が監獄へと
連行される事はない。

君はここで…になり、
尽きるのだから…

黒扇

ッッ

シュッ！！

〜養子施設地下エリア〜

コツッコツッ…

Cエリアと書かれた扉から二人の人物が出てくる。

夜桜

（…やっと戻ってきた。）

朝花

……。

朝花は扉に振り返り、歩いてきた道を眺める。

夜桜

…連れ出せなくて
すまないな。

夜桜

…後で回収して
もらうよう伝える。

夜桜

（…死体の状態が
酷すぎて
動かせなかった。）

朝花

…えぇ、

朝花

それにしても、
蛍君は居ないわね。

夜桜

待ち合わせ時刻は
とっくに
過ぎたからな…。

夜桜

（…しかし、
ここまで
誰もいないとは…）

夜桜

（警察と施設の連中が
対峙しているなら
音がするはずだが…）

朝花

えっと、夜桜は体調
もう大丈夫なの？

夜桜

問題ない。

夜桜

（あるとすれば、
刀の方だな。）

夜桜

（今日、事務所で
確認した時より
ボロくなっている。）

夜桜

（明らかにあの
炎のせいだと思うが…
あれは一体何なんだ？）

夜桜

（今は全く
使えないようだし…）

夜桜

（とにかく、
壊れないように
慎重に使わないとな。）

…夜桜さん、朝花さん！

夜桜

ッ！

朝花

あら、蛍君の声？

こっちです、
こっち！

声のする方を見ると、パソコンがあった。

夜桜

…これか。

『僕の声聞こえてます？』

夜桜

あぁ、聞こえてる。

『おーい、
聞こえてます？』

夜桜

⁇

朝花

蛍君側に声が
聞こえてないのかも。

朝花

えっと…
ちょっと待ってね。

朝花はパソコンのマウスに触れ、画面を操作する。

朝花

蛍君、この声
聞こえてるかしら？

『あっ、はい！
聞こえてます！』

朝花

良かった、
蛍君無事だったのね。

『朝花さんは
大丈夫でしたか！？
怪我してません？！』

朝花

えぇ、問題ないわ。

『ごめんなさい、
すぐに動けてたら
こんな事には…』

朝花

ううん、
気にしないで。

夜桜さん、
怪我したんですか？

夜桜

このくらい、
問題ない。

夜桜

ところで、
お前はどこにいる？

『僕は一階にいます、
施設長室？とかいう…』

『パソコンが開いてて
各階の監視カメラの
映像が流れてて、』

『そこに二人が
写ってたので…』

夜桜

一人か？

『いえ、
旅仲間と一緒です。』

夜桜

旅仲間？

『実はここには
二人できたんですよ。』

『でも、一人行動してた
時に拉致られまして…』

夜桜

そうだったのか。

『…面倒ごとに
巻き込みやがって…』

『ごめんって！』

『だいたい、
なんで街から離れた？』

『街のおばあちゃんから
聞いた話あるでしょ？』

『ほら、蛇の神様？
が住んでるとかいう話。』

『多分、その神様を
見つけてね、』

『は？』

『傘を差した人を
見かけたんだけど、
不思議な雰囲気が感じて…』

『こっそり追うと、
北の山へ入ったんだ。』

『その山は
その神様の住処が
あるところで、』

『追いかけたけど、
いつの間にか消えて…』

『普通に人だろ。』

『いや、絶対違うよ
だって…もう、
雰囲気が違ったんだ。』

『なんか…』

『ふん、そんな
くだらない事で
山入って、拉致に
あったとは…はぁ…』

『いやいや、
噂の核心に辿り着ける
大事な事だよ！』

『…核心って、
確証ないのにか…』

『も〜、君が一緒だったら
絶対分かったのに〜！』

『だいたい君の方こそ、
何してたの？』

『勝手に居なくなって、
何してたの？』

『なんか服汚れてるし
噛まれて負傷してるし…』

『さっき言っただろう、
野獣を相手したって…』

夜桜

（仲悪いな…。）

夜桜

…話してるところ悪いが、
ここがどこか
教えてくれないか？

『あっ、すみません！』

『えっと、そこは
施設の地下一階
なんですよ。』

『そこから左へ
進んで行けば、
エレベーターがあります。』

『右は使えないですが、
左はまだ機能していて、』

『あっ、朝花さん！
あの医者から貰ったの
まだ持ってますか？』

朝花

えぇ、あるわよ。

『それ、エレベーターを
動かすのに使う
鍵みたいで、』

『エレベーター内の
操作パネルの下にある
差し込み口に
入れてください。』

『そうすると、
エレベーターが
動きますので、』

朝花

分かったわ。

『…じゃあ、僕達は
先にここから出ますね。』

朝花

えっ、行っちゃうの？

『ちょっと連れが
急用があるみたいで…』

『すみません、大変
ご迷惑をお掛けしました。』

朝花

そう、なら
気をつけてね。

『はい。』

夜桜

（…今二人だけで出たら
施設の人間と勘違い
されないか？）

夜桜

おい、ほた…

『…そこの二人、
まだいるか？』

夜桜

あぁ、まだいる。

『警察の奴らに
伝えろ。』

『どう足掻いても
魔女の復活は
止められないとな。』

夜桜

どういう事だ？

『お前らに
太刀打ちできない
相手だ。』

『お前も
巻き込まれたくない
なら、事務所の仲間を
連れてさっさと出ろ。』

夜桜

ッ！

『伝えたい事は以上だ。』

『じゃあな、
連れが世話になった。』

夜桜

おい、待て！

パソコンの画面が消え、デスクトップ画面に変わる。

朝花

通信きれたわね。

夜桜

（…あいつ、今
事務所と言ったか？）

夜桜

（事務所の事は
蛍にも喋ってないと
思うが…）

朝花

蛍君の無事なのが
確認できてよかったわ。

夜桜

…そうだな。

夜桜

（考えでも分からん…
とりあえず、
上に向かうか。）

夜桜

左って言ってたな。

朝花

えぇ、

エレベーター内部

夜桜

（…明るいな。）

ポンッ

朝花がカードキーをパネルに当てると、電子音がなる。

そして、エレベーターの扉が閉まり、上昇し始める。

朝花

…えっと、
事務所の人達が
来てるの？

夜桜

あぁ、来てる。

夜桜

最近は一緒にいたが、
施設側の魔法で
分断された。

夜桜

それから
誰も会ってない。

朝花

そう、心配ね。

夜桜

（簡単にはやられない
とは思っているが、）

夜桜

（不安なのは桜だな。）

夜桜

（事務所の中では
一番戦闘には
向いてない。）

夜桜

（それに、施設側に
狙われてる。）

夜桜

（分散した先に
手強い者が配置
されていたとしたら…）

夜桜

（…探しに行きたいが、
まずは朝花の安全が
最優先だ。）

夜桜

ところで、監禁中は
何もされてないか？

朝花

えぇ、大丈夫よ。

朝花

部屋に監禁
されてたけど、
その凄い快適で…

夜桜

…快適？

朝花

結構、いい部屋
だったのよね。

朝花

1日３食おかわり付きで、
お腹いっぱい食べれるし、
味も美味しいし、

朝花

ベッドもね、
寝心地良くて
昼までぐっすりよ。

夜桜

（…無茶苦茶
快適だな…。）

夜桜

（心配して
損した気分だ。）

朝花

お風呂場も綺麗でね、
いいお湯加減
だったわね。

夜桜

…風呂場？

朝花

えぇ、
テレビ画面ついてて
凄かったのよ！

夜桜

ちょっと待て、
まさか…入ったのか？

朝花

えぇ、入ったわ。

夜桜

なっ…

朝花

えっと…
駄目だったかしら？

夜桜

拉致された身で
よく入ろうと思ったな？

夜桜

得体知れない場所に…

朝花

だって、身体
痒くなっちゃっうし…
臭くなっちゃうから…

夜桜

…はぁ…お前…

夜桜

（警戒心が
無さすぎにも程がある。）

夜桜

（昔からそうだったが、
ここまでだとは…）

夜桜

その…監視カメラ
なかったのか？

夜桜

どうせ確認せず
入っただろうが…

朝花

そこはちゃんと
確認してもらってから
入ったわよ。

朝花

裸見られる嫌だし…

夜桜

確認って…
施設の奴にか？

夜桜

赤の他人…いや、
拉致した側のやつを
よく信用したな。

朝花

…えっと、そのね、
知ってる人だったの。

夜桜

知ってる人？

朝花

施設にいた時、
夜桜の部屋に来てた
先生覚えてる？

朝花

男性で
立浪先生って
名前の人。

夜桜

…分からん。

朝花

施設いた時、
和菓子をもらった
事は覚えてる？

夜桜

和菓子…
あぁ…あいつか。

朝花

その先生がね、
私のいた部屋に
来てたの。

夜桜

…監視役か。

朝花

それでね、
捕まってる間、
色々してもらってたの。

朝花

雑誌とかお菓子
持ってきてくれたり、

朝花

日用品とかも
準備してくれて…

夜桜

…偉い親切だな。

夜桜

（監視として
それでいいのか？）

朝花

部屋から
出してくれたのも
その先生なのよ。

夜桜

出した？

朝花

ここから出なさい
って案内図と
カードキー渡してくれて、

朝花

それで、蛍君と
一緒に目指してたのよ。

朝花

でも、途中で
施設の人に
見つかっちゃってね、

朝花

それで、慌ててたら
違う場所に入っちゃって…

夜桜

（それが
あのエリアか。）

夜桜

（幸い、朝花が
無事だったが
下手したら…）

夜桜

（しかし、
なぜ出した？）

朝花

…この施設の人は
皆、悪い事してたの？

夜桜

…施設にいるなら
可能性は高い。

朝花

…その、いつから
悪い事してたの？

夜桜

そこは詳しく知らない、
仕事の範囲外だ。

朝花

…そう。

夜桜

お前は
気づかなかったのか？

夜桜

施設の大人とも
仲良かっただろう？

朝花

全然気づかなかった。

朝花

ここはとても
良い場所だったわ。

朝花

悲鳴も聞こえないし、
殴られることもなかった。

朝花

美鳥ちゃんも…
他の子も笑ってたし、
幸せそうだったからね。

朝花

施設の人も
優しくて…

朝花

看護師になるのに
色々と助けてくれて…

夜桜

……。

朝花

…でも、それは
私の思い違い
だったのかしら。

朝花

美鳥ちゃん達が
あんな事されて…

朝花

分からなくなって
きちゃった…。

朝花の眼から涙が溢れそうになっている。

夜桜

（…朝花にとっては
かなり酷な事実だな。）

夜桜

（何も知らず、
幸せにしてたからな。）

夜桜

（しかし、あの医者
施設にまだいたとはな…）

夜桜

（…悪い事するような
感じに見えなかったが…。）

夜桜

…ん？

夜桜

（…あいつの顔、
今思い出したが、）

夜桜

（青影に
似ている気が…）

ポン…

電子音がなり、上昇していたエレベーターがゆっくり止まる。

夜桜

(…ついたか。)

ガチャンッ

　〜養護施設１階〜

朝花

…えっと、
知らない場所ね。

夜桜

…誰かいるな。

朝花

え？

夜桜

（…近づいてくる。）

夜桜

朝花、こっちだ。

二人はエレベーター近くの柱の裏に隠れる。

すると、前方の奥、右側から三人の男性達が話しながら現れる。

夜桜

（…敵か。）

夜桜

（エレベーターの音で
寄ってきたんだろう。）

夜桜

…朝花、
四葉の魔法で
防御してろ。

夜桜

俺がいいと
いうまでここから離れ…

ドゴンッ！！

朝花

ッ！？

夜桜

ッ！？

な、なんだッ！？

壁が勢いよく破壊され、男性が一人飛んできた。

おい、大丈夫か？！

飛んできた男性はその場でぐったりとしていて意識がない。

…キャハハっ、
悪い奴見〜つけたっ！

ッ！？

穴の空いた壁から女性がこちらへ現れる。

夜桜

（…警官？）

オレンジ色のツインテールの女性は警官服を着ており、

右手に等身大サイズのハンマーを持っている。

悪いやつは
み〜んなっ、
ぶっ叩かないとな〜！！

キャハハッ！！

こいつッ

ポワッ

ダッ！！

シュッ！

三人の内、一人の男性の魔法陣から巨大な鉄球が女性に向かって飛び出すが、

ドガンッ！

警官女性は走りながらハンマーで弾く。

ダッ！！

くらえぇぇぇっ！！

女性は高く飛び上がり、男性ら向けてハンマー振り上げ落下する！

ガンッ！！

男性の頭上に鉄の柱が現れ、

女性の振ったハンマーが衝突し、勢いよく火花が散る。

今だ、やれ！

ポワッ

他の二人が魔法陣を展開する。

夜桜

（まずい、援護に…）

ダッ！

パチンッ！

夜桜

ッ！

夜桜が走り出した瞬間だった。

女性のハンマーから発生した弱い火花が強く光り始める。

夜桜

（あれはまずいっ！）

夜桜

朝花っ、防御だ！！

朝花

え？

夜桜はすぐさま後方へ方向転換し、走り出す。

ボワッ！！

朝花

ッ！？

夜桜

ッ

ドゴォォォンッ！！

ガラッ…

夜桜

……。

大爆発により直径20m内の空間の天井や壁は破壊され、

その場に瓦礫が散らばる。

朝花

夜桜、大丈夫？

夜桜

…悪い、助かった。

朝花が四葉に姿を変え、反射膜を張り防御していた。

夜桜

（…なんだあの
高威力魔法は…）

朝花

えっと、さっきの
警察の女の人、
大丈夫かしら？

夜桜

（さっきの
宗教員達はあそこに
いるな…）

先程の男性三人は少し離れた森の草の上に倒れている。

夜桜

（あの警官の気配は
あの瓦礫の下だな。）

夜桜

（…さっきの爆発に
自分も巻き込まれた　
みたいだな。）

朝花

た、助けないとっ

ガコンッ！

夜桜

ッ！

朝花

…え？

ドンッ！

壊れた建物の瓦礫が勢いよく飛び地面に落ちる。

そして、瓦礫のあった場所に警察の女性が立っている。

朝花

えぇッ！？

夜桜

（…無傷…）

夜桜

（それに
重そうな瓦礫を
軽々と一人で…）

…あれ、ちょっと
やり過ぎたか？

おーいっ、
お前生きてるかっ？！

女性は森の草に倒れている男性達の方に慌てて駆け寄る。

…まぁ、生きてるな？

建物…は…

や、やばいぞっ…
怒られるか？

夜桜

（…こいつとは
関わらない方が
いい気がする。）

朝花

ねぇ、大丈夫？

ん？！

警官女性が朝花の声に気付き、こちらに振り向く。

夜桜

（…最悪だ。）

…あれ、
まだいたのか。

警官女性はハンマーを肩に乗せてこちらへ歩き出した。

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第76話 - 第76話『一時脱出』

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