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次郎_💤
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主
おはようまた今日が始まったね〜♪
大森元貴
最後の朝が始まった
僕は今日あちら側に逝く予定だ
2人は昨日来たからあと数日は来ないだろう
数日後に気づくのかな、僕がもういなくなったって
それより死体が見つかるほうが早いのかな
自分で考えておきながらそんなのどうでもいいと思ってしまう
最後に何を食べようか
やっぱりイタリアン?でもあまり外に出てこの世界に情が移ると嫌だな
どうせ消化し切る前にこの世界から消えるんだから何も食べなくていっか
そんな感じで最後の予定を立てながら身支度を済ませた
準備ができた僕はとりあえずソファに腰掛けた
すぐあちらに向かってもよかったのだけどこの世界を目に焼き付けておきたかった
2人へのメッセージはテーブルのわかりやすい位置においてある
もうやるべきことは終わった
することがない、そんなことを思っていた時ふと写真フォルダを見返してみようと思った
自分でもなぜかわからないけどきっと最後まで二人のことを大切に思っていたのだろう
マス目のように並んだ写真を下にスクロールしていく
最近受賞した賞、プライベートで出かけたところ、イタリア、韓国などの写真
一つ一つに語りきれないほどの思い出が詰まっている
気づいたら僕の携帯には雫が落ちていた
視界がぼやけて写真もまともに見れなくなってくる
でも僕は袖で拭いて写真を見続ける
こんなのでいちいち止まっていたら1日が終わっちゃうからね
しばらくしてUtopiaの写真が出てきた
このライブにも色々思い出がある
楽しかったな、そんな言葉だけでは言い表せない
しばらくスクロールしているとふと写真に写る人数が増えた
高野清宗と山中綾華だ
エデンの園が最後のライブだった
そんなことを思い出すとまた涙が溢れてくる
あの頃に戻りたいな、なんて思っても叶うわけがない
写真の中で息をしてるあの頃の君に会いたい
僕がいなくなったら君も同じように思ってくれるのかな
あっちでまた会えたらいいな
フェーズ1の若井や涼ちゃんも今とは違う良さがある
今はすっかり垢抜けてしまったけどフェーズ1の頃の2人も大好きだ
本当に出逢えて良かった
一通り写真を見終わって携帯から顔を上げた
また涙が溢れてきたみたいで袖で拭こうとする
でももう袖はびしょびしょに濡れていた
自分でも驚くほど泣いていたみたいだ
この数日で過去1の量泣いているだろう
でもまた同じ運命を辿るよりはマシなのかもね
そんなことを考えていたら時計の短針が10を指した
ちょうどいい時間だ、そろそろ行こう
鞄に痛み止めをたくさん入れて、三人が写っている写真も入れて
準備完了だ
ありがとう、僕の家
2人が来たらちゃんと出迎えてあげてね
なんて意味わからないことを思ってみる
最後ぐらいいいよね
バイバイ
ガチャッ
ここらへんの通りは休みだから人が少ない
大量の薬を飲んでもあまり注目されない
マップで逝く場所を探して歩きスマホをしていた
ゴツッ
大森元貴
大森元貴
若井滉斗
若井滉斗
大森元貴
若井滉斗
若井滉斗
若井滉斗
君が何を言おうとしているのかはわからなかった
でもこの沈黙が教えてくれた
本当は僕に聞きたくないことだって
もしかしてバレてる?
いやいや、そんなわけない
このことは誰にも話していないのだから
早く君と別れたくて僕は口を開く
大森元貴
若井滉斗
若井滉斗
なんで?
なんでバレた?
誰にも言ってない、二人には宝石病のこと、1回目のことは話したけどだからってバレるか?
いや、二人の勘なら気づきかねない
1回目の時だってそうだった、2人は何でも見破ってくる
きっと今認めてしまったら君は止めるだろう
ならいっそのこと突き放して逃げてしまおう
もちろん逃げる先はあっちさ
大森元貴
若井滉斗
君はこんなこと言われるなんて思っていなかったみたいな顔をする
いいんだ、このまま突き放してショックを受けてる間に逃げてしまおう
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
自分で選んで言っているのにまた涙が溢れてきそうになる
こんな事言いながら泣いてたら惨めだよね
バレないようにもう逃げないと、全速力で
そう思った僕は若井を優しく突き放して駆け出した
若井滉斗
若井滉斗
待つわけないでしょ
僕は必死で逃げる
きっと若井が全力を出したら追いつかれてしまうから
今のうちに遠くへ逃げてしまおう
そんなことを考えながら必死に腕を振って走る
辛いとか悲しいとかどうでも良かった
もうあっちへ逝くと決めたのだから
しばらく走り続けていたから一旦止まる
さすがにもうここまで追いかけてこないだろう
そう思ってベンチに腰掛ける
ここから目的地までは後歩いて5分ほどだ
そこは調べたところ屋上に鍵がかかっていないらしく飛び降りるのには最適だ
僕と同じような考えで飛び降りる人が頻発しているらしい
それにもかかわらず封鎖されてない、飛び降りの名所みたいだ
息が整ってきた、そろそろ出発しよう
若井〜?
若井?
聞き馴染みのある言葉に思わず振り向く
声の主は涼ちゃんだった
藤澤涼架
藤澤涼架
藤澤涼架
大森元貴
藤澤涼架
若井滉斗
は?なんでこの場所が?
かなり走ったはずだけど?
足早すぎんだろ
また逃げないと
藤澤涼架
藤澤涼架
藤澤涼架
若井滉斗
藤澤涼架
若井滉斗
チッ、バラすなよ
涼ちゃんにまで追いかけられないといけないのかよ
せっかく体力回復したってのに
急いでまた走り出す
どうせ若井はもう追いかけてこれないし
涼ちゃんなら振り切れる
そんなことを思ってた僕が馬鹿だった
50メートルもしない間に涼ちゃんに捕まえられた
捕まえられた勢いで思わず転ぶ
一瞬何が起きたかわからなかった
すぐ立ち上がって涼ちゃんの手を振りほどこうとしたけど
それより前に涼ちゃんが僕の上に乗ってきた
こんな状態で勝てるわけがない
僕は抵抗するのをやめた
藤澤涼架
若井が息を整えながら近づいてくる
もう逃げられないや