春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
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それは、シフト終了間近のバイト中の事だった。
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隙間時間にバイトしようと始めた駅前の小さなカフェ。
満席になったことなんてないし、迷惑な客も居なくてすごく暇だった。
ベルがなり、注文を取りに席へと向かう。
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桃
直前まで、早く上がりたいなんて考えていた頭はすっかり真っ白になって、目の前の瞳に吸い込まれていった。
桃
赤
赤
あまりに焦った口調で言うと、彼は怒りもせずにふわっと顔を緩めた。
桃
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パソコンを素早く操作しながら、真剣に画面と向き合う。
そんな彼から、目が離せなかった。
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赤
赤
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赤
もう少しだけ、彼を見ていたい。
赤
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彼が席を立った瞬間、レジまで向かう。一時でも長く、話していたかった。
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赤
なんて、いつもよりも丁寧に言ってみて
赤
桃
赤
たどたどしいその言葉に、彼はまた可愛らしい笑顔を見せてくれた
桃
小さく手を振って出ていく姿に、また、目が離せなかった。
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ここのコーヒーを好きだと言ってくれるだけあって、彼は頻繁にこの店に来ていた。
赤
桃
変わらない、可愛らしい笑顔。
彼、いや、ないこさんとは、何度か接客しているうちに、自然と仲良くなった。
赤
桃
赤
桃
赤
桃
赤
ムスッと少し不貞腐れた顔をして言われる。
ないこさんは座ってるから自然と上目遣いになる。
この人は、どれだけハートに矢を射抜けば気が済むのだろうか。
桃
赤
桃
赤
桃
桃
赤
桃
赤
桃
桃
赤
桃
小悪魔っぽく微笑む彼に、また胸がキュッと締まる感覚がした。
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赤
桃
最近は帰る時、必ず手を振ってくれる。
いつもはお辞儀するだけだった。
でも、今日は、
赤
小さく手を振り返す。
少しだけ驚いた後、彼はまたふわっと笑った。
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たった数日なのに、週末が待ち遠しい。
もっと、彼と一緒に過ごしたい。
彼の笑顔を見たい。
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駅前の小さなカフェで出会った彼に、恋をしたのだ。
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ここまで見て下さり、ありがとうございます。
いかがでしたか?彼のお話
楽しんで頂けたら幸いです。
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皆様にひとつ、お願いがございます
良ければ皆様の『彼のお話』も聞かせていただけないでしょうか。
内容はなんでも構いません。
どんな場所で出会ったか、どんな関係になったか
皆様の『彼のお話』楽しみにお待ちしております。
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#彼のお話
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コメント
1件
わー‼️‼️‼️‼️‼️‼️ すきすぎてすきなのですきです🥺🥺🥺😭😭😭😭 カフェで仲良しになるっていうのオシャレすぎますし、上目遣い桃さんに射抜かれる赤さんとかてえてえすぎる、、( ◜︎︎𖥦◝ )