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病院の外来が終わった午後、医局に一報が入った。
看護師
咲月希はカルテを片手に、淡々と準備を始める。
マスクをつけ、白衣を整え、診察のために救急入口へと向かった———
……そのときだった。
ストレッチャーに乗せられた男性の顔を見た瞬間、咲月希の足が一瞬止まる。
茉莉咲月希
そこにいたのは、画面の向こうで何度も見たあの人。
水色髪に無機質な瞳、だけど少し顔色が悪い———
嘉郎真爽。
SYNKのメンバーで、咲月希の“推し”。
看護師
茉莉咲月希
一瞬、頭が真っ白になったが、すぐに深呼吸して冷静さを取り戻す。
今の自分は“ファン”じゃない、“医者”だ。
咲月希は声を落ち着かせ、淡々と診察を始めた。
茉莉咲月希
嘉郎真爽
マネージャー
真爽は思っていたよりも素直に答える。
意外と大人しい、ニュースで見る“クールな表情”そのままの姿。
でも、咳をするたびに少し苦しそうな顔を見せるのが気になった。
入院が即決された。
発熱と肺の症状があり、念のため精密検査をすることに。
咲月希は担当医の一人として、彼の病棟管理チームに入ることになった。
病室へ案内するとき、真爽は少し疲れた声で呟いた。
嘉郎真爽
茉莉咲月希
嘉郎真爽
淡々としたやり取り。
けれど、心臓はバクバクだった。
茉莉咲月希
夜、当直室。
涼乃に即LINEが飛ぶ。
𝙎𝙖𝙩𝙨𝙪𝙠𝙞💎🩵
💙涼乃💙
𝙎𝙖𝙩𝙨𝙪𝙠𝙞💎🩵
💙涼乃💙
病棟の廊下を一人歩きながら、咲月希は病室のドアをちらりと見つめる。
静かに寝息を立てる真爽。
モニターの音だけが響く病室。
茉莉咲月希
その目は、もうファンのそれではなかった。
医者として、彼を治すと心に決めた強い光が宿っていた———。