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ユーマ

なにもしないと言うことは何かをしてもらうと言うことだ。by僕

さてそんな訳で。

ユーマ

犬の肉球亭で借りた部屋なんだけど、突然2人増えたから他に部屋がなくて

ユーマ

3人で手狭だけどごめ…って2人ともさ…

しかしそんな手狭な部屋の床に、2人の男女がとても綺麗な土下座を決めていた。

なんでこんな状況になったのか。それは後から付き添いの人(奴隷商会の従業員さんかな?)  

と共にリオンの姉のレオナもやってきた所から説明せねばなるまい。

ユーマ

(姉の方は確かに病気がちと聞いたけど、リオンをさらに薄くした儚げな美人さんだなぁ)

肩までのセミロングに、顔立ちもリオンとよく似ている。

僕が2人とも買い上げたと知ると

レオナ

そんな…私のために、こんな体です。弟にも主人様にもご迷惑に

ユーマ

まぁまぁ、そんな恐縮しないでよ

ユーマ

僕だって打算がない分けじゃないんだよ?

恐縮する彼女に、あの適当な神様から受けた能力を彼女に使ってみようか。

まず手始めに怪我。治らないものではなかったが治療費が莫大にかかると言う不自由になった足を治す。

ユーマ

少し足を失礼するね、リオンもお姉さんが心配だろうけどごめんね

リオン

いいえ、我らは買われた身ですから

ースキル・ヒールを取得、セット、使用しました。

オート戦闘で本当にチートな力はあるとわかっていたが、僕が回復をかけた瞬間本当に足が治り彼女は立ち上がることが出来た、その瞬間号泣されたのは驚いたけど。

ついでに身体強化もかけて置いたので、これで虚弱からもおさらば出来るだろう。

てな訳で今の土下座の状況である。

リオン

ありがとうございます!このご恩は一生忘れません!

レオナ

私の足の治療費、一生かかってもユーマ様にお返しします!

弟のリオンが叫ぶと、続いて姉のレオナが叫ぶ。ううん、儚げ美人と思ってたけどやはり姉弟。やだそっくり。

と言っても僕は基本なにもしたく無いのだけなのでこんな重いのは困る。

のでコホンと少し偉そうに咳払いをして2人に告げる。

ユーマ

えーと2人には不服かもしれないけど、僕は田舎から出てきたばかりで何もわからない、だから君たちの手を借りたいんだ

リオン

とんでも無い!

レオナ

勿論です!

見事にハモる。

ユーマ

で、代わりに交渉や買い物、目利きしてもらってしばらく僕の生活をサポートして貰いたいんだ。ついでに僕にその辺の常識も教えてもらえると嬉しい

リオン

お任せを

レオナ

ふふ、腕がなりますわ…

 確かお姉さんの方は15歳だったよね。色々買い物や交渉は得意なのかもそれない。

ユーマ

でも基本僕、貴族とかえらい商人やら肩書きとか持ってないから目立ちたく無いんだ

ユーマ

それに知り合いもいないから、金銭でやり取りしたと言っても友達みたいにフランクにしてもらえるとさらに助かるなぁ

そこで流石に返事はなかった。特に弟の方が結構狼狽えた様子を見せている。ははん、さてはこいつ。真面目ちゃんだな?

リオン

し、しかしご主人

ユーマ

ユーマ

リオン

ご主人様

ユーマ

ユーマ

弟くんの発言を何度か名前で呼べ呼べ、と威圧していると

レオナ

わかりました、ユーマ。じゃあ私たちは目立たないよう貴方とは友人のようなフランクさでお互い語り合えば良いのね?

 と微笑みを見せる。おお、流石どこの世界も女の子って思い切りが良い

ユーマ

そうそう、それ!助かるよ

と僕がレオナの柔軟性に心の中で大喜びしているとレオナがリオンに向き直る。

レオナ

リオンもそれで良いわね?そもそも私たちは借金奴隷なんだから、お金を返せば自由になれるし

レオナ

ご主人様に恵まれたのをむしろ幸運に思いましょう?それにご主人様も反対に色々教えて欲しいって言っていたじゃ無い

 それでも「でも」とか「しかし」と悩む弟に僕はフォローを入れる事にした。

ユーマ

そうだよ。確かに僕は君たちを買ったかもしれないけど、代わりに生活の手伝いをしてもらう

ユーマ

僕はお金を出して君たちはそれに似合った働きをする。奴隷とご主人様なんて言ってるけど僕らは持ち得るものの対価交換をしているだけなんだし

ユーマ

この国での常識は知らなけど、僕はそう思って今まで生きてきたから、他を知らないしね

ユーマ

これはあくまで命令じゃなくてお願い

僕達は対等だよーお金と知識を交換するだけだよーと13歳の少年に洗脳でもするように懇々と訴えかけると、レオナの方も

レオナ

そうよ?あまりへりくだるのも行けないわ

と援護してくれる。流石元貴族、体さえ治ればしっかりしてるなぁ。

で、説得する事10分ぐらい。13歳がやっと折れた。

リオン

わかりま、分かったよ。でもオレは姉のようには出来ないし、その年下だからこれで勘弁してよ、ユーマさん

と困ったような恥ずかしいような感じで、見上げてきた。あかん可愛い。弟がいたらこんな感じか。

レオナ

ふふ、じゃあこれから宜しくね?ユーマ

こうして僕はなんとか2人と打ち解けることが出来た。

さて、そんなやりとりをしつつ簡単に話を聞く。

レオナ

此処は良心的な部類ですね、確かにぼったくりはされてません

リオン

うん、大金を見せなかったのも良かった

リオン

下手にお金を見せると、変な奴らに狙われる心配もあったからね

ユーマ

うわ、何となく金貨って高級かなーって思ってたんだけど…危なかった

ユーマ

実は袋の中に白銀のコイン入ってるんだけど…

レオナ

ユーマ、あなた賢明でした。そんなものを出してたら裏路地で遺体になっててもおかしくありませんでしたよ

ユーマ

ひょえ

ま、まぁオート戦闘があるので何とかなった気もするけど、何せなにもしたく無いからね、僕は!

油と言うのも夜ランプに火を入れるための物らしい。そんな所で話を切り上げ、詳しい事は実際暮らしていきながら2人に習う事になった。

2人と言えば、やはり一緒にお買い上げが効いたのかかなり優しくして貰っている。弟のリオンはかなり利発そうだがお堅い所が有るらしい。

姉のレオナは反対にとても柔軟的だ。いい感じに懐かれているので、やはり懐かれるのは良いなと思う。

なにもしない為に人を使うと言っても、嫌々やられたのでは僕の快適ライフには程遠いからね!目指せ、優しくしてもらえるような魅力的な人間!

ユーマ

そう言えばこの宿って鏡あるかな

リオン

はぁ、鏡?

ユーマ

実は街についたのが今日の昼ぐらいでさ、戦闘に巻き込まれたりして、そのまま身なりを整えられてないんだよ

実際はこの世界に来たばかりで自分の容姿さえわからないのだが、そんな事は言えないので湯浴み的なことをして整えたいと言った所。

リオン

なっ、それはいけない。ちょっと、お湯と鏡を借りてくる

ユーマ

お金は必要な分を持って行ってね

 実際町にきてから、自身を確認する暇が無かったと言えば嘘になる。

何だか怖くて窓に映る姿とかもあえて見ないようにしていたのだ。

 だってみんなじろじろ見てくるんだもん。あの神様だし?自殺したくなるような姿にされていたらと思うと、ほんと怖くて怖くて。

 でも今は二人の姉弟と話している内に覚悟が決まった。またひよっちゃう前に確認だ!と勢いのまま申し出たのだ。

リオン

準備してもらったよ

そう言ってお湯の張られた桶を持ち込んで貰う。手鏡も一緒だ。

タオルをお湯に浸して拭くスタイルのようだけどレオナがニコニコこっちを見たまま動かない。

ユーマ

あの、そんなに見られると恥ずかしい

レオナ

あら、お互いもう恥ずかしがる間柄じゃ無いじゃない、ね?リオン

なんて聞く人が聞けば誤解を招きそうな事言うレオナ。結構ユーモアも持ち合わせているらしい。

リオンの方と言えば反対に背を向けてこっちを一向に見ようとしない。

訳が分からないが、ここは異世界。何か僕の知らない事がまだあるのだろう。

お手伝いを申し出る2人を何とか引き止め、1人で湿らせたタオルで体を拭った。上半身だけ。

そしてある程度拭き終わると、ゆっくり鏡を覗き込んで。僕はつい大声を張り上げてしまった。

ユーマ

ひっ?び、美少女ぉぉぉ!!?

そこに写し出されていたのは、冴えない社畜の姿でも、その社畜の幼き日の姿でもなく。

ーーーー紛れも無い美少女だったのだ。

異世界に飛ばされたら超チートだったので何もしない事にした件テラー版

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