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大森元貴side
大森.
若井.
若井の言葉を受け入れるのに少し時間がかかった
若井が、俺に心臓を移植する
だから当然、若井は死んでしまう
そんなの、絶対駄目に決まっている
大森.
若井.
大森.
若井.
若井は一息にそう言うと、 「もうお医者さんにも言ったから」 と更なる宣告をしてくる
若井.
若井は一方的にそう言ってテーブルに上の麦茶を飲んだ
そのままコップの中の麦茶をくるくる回す若井
大森.
若井.
大森.
若井.
大森.
若井.
押し問答の会話が連続される
涼ちゃんの方を見ると涼ちゃんは複雑そうな表情をしていた
若井を見ると覚悟を決めたような顔をしてこっちを見ている
どうにかして、若井を止めないと
涼ちゃんに助けを求める視線を向けると、涼ちゃんは若井に声をかけた
よかった、気づいてくれた
藤澤.
若井.
藤澤.
涼ちゃんがそう言うと若井は麦茶の入っているコップを乱暴にテーブルの上に置く
若井が、怖い
若井.
大森.
若井.
有無も言わせない笑顔を向けられて、仕方なく一人で家を出る
若井が、怖かった
ずっと一緒にいたけど
あんなに固い決意で、あんなに怖い若井を初めて見た
俺を生かしてくれるために心臓を移植する
そう言ってくれたのは嬉しい
でも、やっぱり駄目だ
気持ちだけ受け取る
若井の心臓なんてもらえない
若井と涼ちゃんには、もっともっと生きててほしい
俺のせいで他人が死ぬなんて、駄目
小さい頃から哺心病だって知ってるし、心の準備だってできてるから
死ぬのは、俺一人でいい
だから、今度あったら、若井を止めよう
でも、そう決意したのに、若井と接触する機会は無くなってしまった
そうして、俺が哺心病で死ぬまで、あと
一週間になってしまった
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