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学校の帰り道
モブ実
玩具(がんぐ)店の前を通り掛かると、一緒に帰っていた、モブ実ちゃんが。急にショーウィンドに飾られた、大きなピンク色した兎(うさぎ)のぬいぐるみを指しながら、俺の腕に腕を絡めてきた。
モブ実
佐古大和
ぬいぐるみは5000円の値札がついており、とても小学生のお小遣いで、買える値段ではない。俺は財布を開いて、中身を確認する。
モブ実
モブ実は更に、佐古に体を密着させ、甘言(かんげん)を囁(ささや)く。
佐古大和
はわわ、これはもしかして、もしかしなくとも、俺に脈があるのでは?
モブ実
モブ実
女の子に、プレゼント作戦は有効だって聞くし、ここでモブ実ちゃんにぬいぐるみをプレゼントすれば、両思いになれるかも。
そんな淡い期待が、佐古の頭を過る。
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
頬に強い衝撃(しょうげき)が走ったかと思ったら、次の瞬間、横の塀にめり込んでいた。
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
確かに、車は通行していたが、車道と歩道を分けるようにガードレールが敷かれているので、運転手がハンドルミスさえしなければ、安全は保証されていた。
佐古大和
守若冬史郎
守若冬史郎
佐古大和
モブ実
俺達のやり取りについていけず、取り残されていた、モブ実ちゃんが口を開く。
佐古大和
モブ実
モブ実
突然、モブ実が、引きったような声を上げる。
佐古大和
モブ実
モブ実
佐古大和
一方的にモブ実ちゃんから、別れを告げられ、制止しようとするも早く、モブ実ちゃんは、走り去っていってしまった。
佐古大和
守若冬史郎
その場に、俺は泣き崩れる。
佐古大和
モブ実ちゃんは俺に気があった。今回は絶対に成功すると思っていたのに、何故か、急にフラれてしまった。こんな理不尽な事ってない。
冬史郎君が、蹲(うずくま)って泣く、俺の背中を、溜め息をつきながら、ぽんぽんと叩いてくる。
守若冬史郎
一応、冬史郎君なりに、俺を慰めてくれようとしているようだ。普段は俺を足蹴(あしげ)にする割に、こういう時は優しい。
どうせなら、その優しさを普段から発揮して欲しいものだ。
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
子供は時に残酷(ざんこく)だ。思った事を、はっきりと口にする。
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
冬史郎君は小さな小指を俺の小指に絡めてくると、ゆびきりげんまんを歌い出す。
守若冬史郎
佐古大和
守若冬史郎
まさか、この約束が現実のものとなるとは、この時の俺は知る由(よし)もなかった。
おわり
あとがき 勿論、守若ニキは、佐古の後ろで睨みを効かせ、女の子達を追い払って、まんまと佐古と付き合う。年齢逆転してても、佐古は敬称つけて呼びそうだし、力バランスは反転しなさそう。守若ニキは年下なのをいい事に、以外と佐古に甘えたい放題しそう。 敢(あ)えて、ゆびきりげんまんは、平仮名表記で歌わせてます。そっちの方が可愛いからというのもあるんですが、実は、この歌は漢字で書くと、怖い歌になってしまうからといのが主な理由です。 因みに、漢字で歌詞を書くとこうなります ⬇️ 指切り拳万、嘘ついたら針千本のます。指切った。 これを分かりやすく言い換えると、約束を破ったら、お前の指を切断して、1万回殴って、裁縫1000本飲ますからな、という意味になります。 指切りの起源は遊郭。遊女は不特定多数の男性と寝るので、私は貴方だけを愛してますよと、愛の証しと、小指を切り落とし、相手に送った(殆んど、自分の指を切る人はいなかったが、稀に本当に指を切って贈った人もいた)。それ以外にも、客を呼び込む手段としても使われていた側面もある。大抵は、他人の指を買ったり、模造品を贈っていた。指を贈られた客は、遊女が自分に惚れてると勘違いして、足しげく通ってくる。貰った指は大事に保管。そんなプレゼントいらねぇだろって、思うんだけど、贈られた人は嬉しいらしい。他には髪や爪など贈ったり、体に○○命と彫るのも流行った。因みにヤクザのエンコもここから発生した。 拳万は漢字の通り、握り拳で、一万回打つことをさす。 そして、最後に『死んだら、ごめん』って、歌詞の続きがあったようです。それだけ、約束は重く、約束したなら、命を懸けろという事になります。 口約束だったとしても、守れない約束はするものではないということを、ゆめゆめ、お忘れなきよう。