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一目惚れ

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一目惚れ

1 - 一目惚れ

♥

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2020年04月20日

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たお

たおです

たお

咲紅…中2
流羽…中1

たお

友人枠
光…流羽の一つ上
莉斗…咲紅の一つ下

たお

BLです

皆さんは“一目惚れ”を信じますか?

1年生の夏。 僕は部活である大会に出場した。

いや、暑くね?

流羽

まあ、夏ですから…

会場に思ったより早くついてしまったので、 1つ上の先輩の光くんと、開会式までの時間を潰していた。

あ!

突然光くんが大声を出したので、 僕は額に流れる汗を拭いながら尋ねた。

流羽

どうかしました?

いや、小学校の頃の友達が…

流羽

え、どの子ですか?

なんとなく興味があったので、 光くんにどの子かを教えてもらった。

あの人

光くんが指すその先にいたのは、 友達と仲良く話す爽やかな雰囲気を持った男の子だった。

その子は遠目から見てもわかるくらいかっこいい人だった。

おーい?

流羽くん…?

僕は光くんに声をかけられるまでのしばらくの間見惚れていた。

流羽

あ、いや…

流羽

あの子、かっこいいですね…//

気がつけば声に出ていた。

え、何?

流羽くん、一目惚れしちゃったww

光くんはからかうように言ってきたが、 この彼の言葉で確信がついた。

あの子に感じた僕の気持ちの名前、

流羽

あ…//

え、マジ?

それは“恋”だった。

開会式が終わると、それぞれの試合会場へ向かった。

光くんによると彼の学校も同じ会場に向かうそうで、 自然と気持ちは高まっていった。

初戦を勝ち抜き、今日の試合を全て終えて、 光くんと片付けをしている時だった。

???

おー

???

ころんじゃんww

後ろから光くんの名前を呼ぶ声がした。

久しぶり

???

確かに何年ぶり?

光くんの名前を呼んだのは、開会式の時に見かけた彼だった。

2年?

???

まあ、そんくらいかww

僕はその時どうしても彼に名前を聞きたかったので、 自分の中にある小さな勇気を振り絞りって彼に尋ねた。

流羽

あ、あの!

???

流羽

な、名前、、なんて言いますか…///

語尾が小さくなってしまった気がするけども、 なんとか声に出せた。

???

俺、咲紅

流羽

咲紅くんですね!

無事彼の名前を聞くことができた。

咲紅

で、こっちが莉斗

莉斗

な、なんだよww

その時、咲紅くんの近くにいた子も紹介してくれた。

莉斗

あ、呼び捨てでいいから〜

流羽くん、帰ろ〜

流羽

あ、はい

咲紅

るぅとくんまたね

咲紅くんはまたね、と手を振ってくれたので、 僕も手を振り返すとニコッと笑い返してくれた。

もうちょっとお話ししてみたかったけれど、 この日名前を聞けただけで満足だった。

帰ろうとすると莉斗がこっちに走って来た。

莉斗

流羽くん、咲紅くん好きでしょ?

流羽

は、はあ!?

莉斗

あ、やっぱり…ww

流羽

もう…///

さっき会ったばかりの莉斗に見透かされていて、 ちょっと悔しかった。

咲紅くんと会えたのはその日の一度きりだけで、 その後しばらくは会うことができない日々が続いていた。

学校の帰り道光くんに聞かれた。

ねえ、流羽くん

まださとみくんのこと好きなの〜?

流羽

はい、好きですよ…/

正直に答えた。

最初はただの勘違いで終わるのかなと思っていたけど そうではなく、寧ろ“好き”が日に日に強くなっている気がする。

『次はいつ会えるかな』

こんな期待を日々背負いながら冬を迎えた。

僕は11月のテストで結構良さげな点数を取り 親にスマホを買ってもらった。

え、流羽くんスマホ買ったの?

流羽

ふふ、ついに買ってもらいましたニコッ

チャット交換しよ!

流羽

いいですよ〜

光くんは慣れたように 僕のスマホを操作して交換を済ませてくれた。

家に帰り、光くんのチャットを開き、 アイコンをタップするとあることに驚いた。

流羽

ええ、こんなフォロワーいるの?

フォロー、フォロワーの数が余裕で3ケタを超えていた。

誰と繋がっているのかなと思い「フォロー」のところを押してみた。

そこには、同学年の人から、他学年、 そして他の学校の人などたくさんの名前が並んでいた。

流羽

うわ、、

流羽

ネットって怖…

なんて言っておきながら僕はある人の名前を探した。

流羽

咲紅…

流羽

あるかな、、?

何百人といる光くんのフォロー欄から 咲紅くんの名前を探しスクロールし続けた。

流羽

あ、@saku_dayooo

流羽

これかな?

そう思って名前をタップすると、 自己紹介のところにしっかりと咲紅くんの学校名と部活名が 書いてあった。

僕は即座に「フォロー」を押した。

流羽

僕のこと覚えているのかな…

少し不安になりつつ「DM」をタップして チャットランを開いた。

まずは自己紹介しなきゃわかんないよねと思い、 慣れないフリック入力をして文字を打ち込んだ。

流羽

「×××校の流羽です
光くんのお友達です
夏の大会で話したのですが、覚えていますか?」

流羽

これでいいかな

誤字脱字がないかを念入りに確認して送信した。

なんだか落ち着かなかったので、お風呂に行くことに。

お風呂から帰ると、スマホの液晶画面に通知があり、 恐る恐るロックを解除し画面を開いた。

咲紅

「覚えてるよ!」

咲紅くんから来たのはこの一言。 “覚えてるよ”これだけでも僕の気持ちは高ぶった。

しかし、この後どう会話を繋げればいいのか分からず しばらく、画面と戦っていた。

悩みに悩んだ末、僕はとんでもないことを送っていた。

流羽

「また、会いたいです」

何故あんなに時間をかけた末、 こんなことを送ったのかは僕にもわからない。

拒否される前に消そうと思い、 送信取り消しの操作を進めていると既読がつく。

流羽

終わった、と思い呆然していると、咲紅くんからチャットが来た。

咲紅

「冬休み、2人で遊びに行く?」

僕はスマホの画面を何度も見返した。

流羽

え…//

流羽

うそ//

この時の僕にはなんとも言えない感情があった。

流羽

「是非行きたいです!」

さとみくんにそう送信するとすぐに返信が来た。

咲紅

「じゃあ、また連絡するね」

流羽

「はい」

数ターンのやり取りだったけど、僕はそれだけで幸せだった。

数日後咲紅くんからチャットが来た。

咲紅

「27日とかどう?」

流羽

「大丈夫です!」

咲紅

「じゃあその日、10:00に××駅北口でいい?」

流羽

「了解です!」

この会話に「楽しみです」と付け加えて、 スマホを閉じて布団に入った。

流羽

今日は20日…

約束の日までの1週間がとても長く感じた。

約束の日、10時前。

流羽

早かったかな…

駅につき、スマホを確認しながら咲紅くんを待っていた。

咲紅

あ、流羽

数分後咲紅くんは現れた。

前にあったときとは違って私服姿の彼に目が離せずにいた。

咲紅

来るの早くね?

流羽

あ、いや楽しみで…//

咲紅くんを前にするとDMとは違って 緊張し、言葉が出にくかった。

咲紅

俺も

流羽

え?

咲紅

今日、楽しみにしてた…//

咲紅

行こっか

流羽

あ、はい

咲紅くんはとってもおしゃれで 一緒にいるのが申し訳なく感じた。

午前中は映画館に行って最近流行りの映画を見て、 お昼はちょっとおしゃれなカフェで済ませて、 午後はボウリングや卓球など色んなスポーツが楽しめる所に行った。

咲紅くんは本当にかっこよくて、 しれっと道路側を歩いてくれるし、歩幅も合わせてくれた。

この日は咲紅くんのことを再び惚れ直す機会になった。

そして、僕は咲紅くんに伝えたいことがあった。

まだ直接会ったのは2回だけ。

それでも、こんなチャンスはないかなと思って口を開こうとした。

流羽

さku…

咲紅

流羽、

でもそれは、咲紅くんによってふさがれた。

流羽

あ、はい

咲紅

今日楽しかった?

流羽

はい!

流羽

楽しかったです!

久々に出掛けて、しかも咲紅くんと2人きりで緊張したけれど、 それよりも楽しさの方が勝っていた。

咲紅

良かった

咲紅

俺、こうやって出掛けたことなかったから

咲紅

どうすれば退屈させず楽しんでくれるかなって

そう話す彼は、夕陽に照らされ、頬が赤く染められていた。

咲紅

めっちゃ悩んだ…//

咲紅

ただでさえ、流羽といるの緊張するから///

夕陽が雲に隠れても咲紅くんの顔は赤いままだった。

流羽

え?

咲紅

これ、どういうことかわかる、、?

そういうと咲紅くんは僕の目を真っ直ぐ見て来た。

咲紅

俺、流羽のことが好き

咲紅

初めて会った時から

咲紅

一目惚れだった…//

咲紅

流羽が良ければ付き合ってください

僕の足は自然と動いて、咲紅くんの元に進んでいた。

咲紅

流羽…?

流されるままに抱きついていた。

そして、こう答えた。

流羽

僕も…/

流羽

好き//

流羽

最初の時から…//

流羽

咲紅くん、これからよろしくねニコッ

とびっきりの笑顔で。

咲紅

っ///

咲紅

かわいすぎ…//

咲紅くんと駅で別れ、家に帰る。

部屋に戻ってすぐに咲紅くんのチャット画面を開く。

咲紅

「流羽、家着いた?」

流羽

「つきました!」

咲紅

「じゃあ、通話かけるぞ」

流羽

咲紅くん、今日はありがとう

咲紅

こっちこそ

流羽

ふふふ

咲紅

なに?どうしたのww

流羽

いや、咲紅くんと付き合えるなんて

流羽

思わなかったから

咲紅

俺もだよ

咲紅

もう、2度と会えないんじゃないかって思ってた

流羽

僕もです

咲紅

このアカウントを

咲紅

流羽が見つけてくれたから

流羽、好きだよ

僕も、大好き

たお

ふぅ〜

たお

200タップ超えてる…

たお

一目惚れって素敵ですよね

たお

皆さんは一目惚れ信じますか?

たお

私は信じます←経験している

たお

ここまで見てくれてありがとうございます(*≧∀≦*)
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