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ー続くー
ーピーポーピーポーー
ー何がなんだかわからないまま、目の前をどんどん遠ざかっていく救急車を見つめていたー
かなー!
お母さんの大声で、私は目覚めた。
かな
今日は大親友4人組で、一緒に勉強会をする約束だった。
絶対遅刻しないって約束したのに、もうあたしったら…!
約束の時間は10時で、今は9時45分。
もう間に合いそうにないなぁ。
グループラインに遅れると伝えて、私は慌てて階段を駆け下りた。
かな
かな
お母さん
お母さん
かな
んもう、、
でも、あたしが悪いよね、お母さんは悪くない。
かな
あたしは、お母さんが聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でボソッと言った。
結局、約束から30分遅れて、10時半にことねの家に着いた。
ことね
かな
みか
ゆきな
かな
バッグの中をごそごそとあさる。
かな
かな
みか
ゆきな
ことね
皆で笑い合う。
そう、あたしはこの瞬間が1番好きなのだ。
皆で勉強して、食べて、遊んで…
といっても、ほとんど勉強せずにお喋りしてたんだけど。
かな
ゆきな
私は部屋から出ようとしたが、みかが帰り支度をしようとしない。
かな
みか
みか
お父さんは出張らしいから、家には誰も居ないんだ!
かな
ゆきな
かな
私たちは、午後6時にことねの家を出た。
翌朝の6時、スマホに電話がかかってきた。
こんな朝早くに、誰だろう…
まだ頭が回らないまま、電話に出た。
かな
すると直後、ことねの叫び声が聞こえてきた。
ことね
ことね
かな
ことね
かな
ハァ…ハァ…
私は寝起きの顔、パジャマのまま家を飛び出した。
そしてことねの家に着いた途端目に飛び込んできたのは、とんでもない光景だった。
かな
そこには、血だらけになったみかと、恐怖に怯えたことね、そしてことねの両親が立っていた。
みかは青白い顔をしており、まるで魂が抜けたようだった。息もしていないように見えた。
かな
かな
呼びかけても返事は返ってこない。
かな
かな
ことね
かな
かな
ことね
かな
頭が真っ白になって、もう何が起こってるのかわからなかった。
しばらくボーッとして、気がついたら
目の前をどんどん遠ざかっていく救急車を見つめていた。
ー次の日ー
これは一瞬の出来事だった。
ショックすぎて、ほとんどのことを覚えていない。
私は今、黒い服を着て車に乗っている。
そう、お葬式に向かっているのだ…みかの。
昨日病院で唯一覚えているのは、みかが手術室に入っていく様子と、医者が「助かる可能性はある」と言っていた事だけ。
かな
私は今日、初めて言葉を口にした。
それからというもの、私達は大忙しだった。
警察の事情聴取、みかの部屋の整理の手伝い…
出来ることはなんだってした。
知ってる事を何でも警察に伝えた。
それでも、胸の傷はずっと消えない。
私達はショックのあまり、しばらく学校を休んでいた。
1週間後、ようやく復帰したのだ。
かな
ゆきな
ことね
空気は重いばかりだ。
かな
ゆきな
ことね
かな
ことね
ゆきな
ことね
かな
そのとき、私の頭の中で電球に灯りがついた。💡
かな
ことね
かな
かな