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それは幼い時の約束。

清玄寺 響

お母さーん!

清玄寺 響

鏡夜くんの所行ってくる!!

気をつけるのよ~

清玄寺 響

はーい。

鏡夜くんとは生まれたときからずっと一緒。

家は隣通し。

清玄寺 響

鏡夜くーん!

西園寺 鏡夜

あ、響ちゃん!

執事

坊っちゃん、中に入られますか?

西園寺 鏡夜

うん!

西園寺 鏡夜

響ちゃん、俺の部屋行こ!

清玄寺 響

うん!

鏡夜くんが好きだった。

小さいときからずっと。

清玄寺 響

今日は何するー?

西園寺 鏡夜

俺の話聞いてくれない?

清玄寺 響

うん、いいよ!

西園寺 鏡夜

将来、俺の嫁になってよ。

清玄寺 響

…え//

西園寺 鏡夜

俺、これからも響ちゃんの隣絶対に離れないし、離れる気はない!

西園寺 鏡夜

ずっと一緒にいようよ。

鏡夜くんは私を優しく抱いた。

清玄寺 響

…うん。//

清玄寺 響

私、鏡夜くんと結婚する!!

清玄寺 響

…約束だよ。

西園寺 鏡夜

…うん、約束。

この時、約束をした私は馬鹿だった。

想像すら出来なかった。

あんたが人殺しだなんて。

思いもしなかった。

…リリリリリリ。

清玄寺 響

…ん。

清玄寺 響

(もう朝か。)

清玄寺 響

(あーぁ。また、約束した夢見ちゃった。)

清玄寺 響

(朝から気分下がる。)

私はゆっくり目を開けた。

清玄寺 響

…うわっ!!!

真っ先に視界に入ったのは

西園寺 鏡夜

おはよう、響。

顔も見たくない奴だ。

鏡夜はニヤニヤしながら頬杖をつき、私を見ていた。

清玄寺 響

…何回いえば分かるんだよ!!

清玄寺 響

私の視界に入ってこないで。

西園寺 鏡夜

まぁまぁ、そう言わずにさ?笑

清玄寺 響

…無理。

清玄寺 響

なんで私の布団で寝てんのよ?

清玄寺 響

そーいえば暑苦しいと思ったのよ。

清玄寺 響

…邪魔。

清玄寺 響

学校に遅れるでしょ?

西園寺 鏡夜

…はいはい。

そう言うと鏡夜は部屋から出ていった。

私は布団を畳み、制服に着替えてキッチンの方へ歩いていった。

執事

おはようございます、響様。

執事

ご飯はもう出来ていますよ。

執事

お弁当はここに置いておきますね。

清玄寺 響

ありがとう!!

私は畳の上に正座をし、 箸を持ってご飯を一口食べた。

清玄寺 響

ん~、美味しい!!

執事

本当に響様は美味しそうに食べてくれますね。

清玄寺 響

だって美味しいから!!

執事

ありがとうございます。

西園寺 鏡夜

…うわ、まずいな、これ。

清玄寺 響

ちょっと、鏡夜!!?

西園寺 鏡夜

もう入らない。

西園寺 鏡夜

捨てとけ。

鏡夜は箸を置いて部屋から出ていこうとした。

清玄寺 響

おい!!!
鏡夜!!

清玄寺 響

食べ物を粗末にするとはどういうことか分かってんの?

清玄寺 響

執事さんが毎朝作ってくれてるのよ?

清玄寺 響

ありがたいと思わないの?

西園寺 鏡夜

…。

こちらを振り返った鏡夜の顔は今にも凍ってしまいそうな冷たく鋭い目だった。

清玄寺 響

…!!

鏡夜は何も言わずに机にあった弁当を持って部屋から出ていった。

清玄寺 響

…ちょっと!!

執事

大丈夫ですよ、響様。

執事

ありがとうございます。

執事

これは、捨てておきますね。

執事さんが皿を持っていこうした。

清玄寺 響

…待って!!

清玄寺 響

やっぱりもったいないから

清玄寺 響

私が全部食べる!!

執事

…ふふっ

執事

ありがとうございます。

私はそっと微笑んだ。

執事

もうすぐ学校に着きますよ。

清玄寺 響

いつもすいません、車なんかで学校まで送ってもらって

執事

良いんですよ。

執事

これが僕の仕事ですから。

執事

着きました。

清玄寺 響

ありがとうございました。

西園寺 鏡夜

今日は5時に学校が終わるから
待っててよ。

執事

はい。分かりました。

私と鏡夜は車から降りた。

清玄寺 響

(凄いなー、執事さんって。)

学校の人

きゃーーー!!

学校の人

鏡夜さんよ!!

学校の人

ほんとだ、かっこいいー!!

学校の人

おい!!

学校の人

響さんが校門を通るぞ、道を開けろ!!

学校の人

はぁー、本当に美しい!!

学校の人

可愛すぎる。

清玄寺 響

(私、こういうのは好きじゃないのに…。)

私たちはどうやら

身分が高いらしい。

でも、何か違う世界に居るみたいで私はあんまり嬉しくない。

西園寺 鏡夜

響。

清玄寺 響

…何よ。

西園寺 鏡夜

…いや、何でもない。

清玄寺 響

(…なんなの、いつも何か言いたそうに。)

清玄寺 響

(ムズムズする。)

クラスメイト

あの、響さん!

クラスメイト

今日の放課後に響さんと話したいって言ってる私と部活が一緒の男子がいるんですけど…

清玄寺 響

…良いよ!

清玄寺 響

放課後ね!

クラスメイト

ありがとうございます。

クラスメイト

放課後、2年A組にお願いします

なんで同級生にまで

敬語を使われるかな。

身分なんてなくなっちゃえばいいのに。

私はもっとクラスの人と話がしたい。

放課後

清玄寺 響

(…えっとー、2年A組…)

清玄寺 響

あった!!

ーガラッ。

清玄寺 響

…失礼します!!

 

あ、本当に来てくれた。

清玄寺 響

え、あ、はい。

 

…いやぁー、何か嬉しい。

清玄寺 響

…え。

 

…ねーんてね!!?

清玄寺 響

うっ!!

…ドン!!!

勢いよく窓に渡しをおしつけた。

男は私の首を掴み凄い力で首を圧迫した。

清玄寺 響

…っ!!

清玄寺 響

(…苦しい、誰か。)

 

お前のこと好きで好きでたまらねぇんだ

 

でもお前は皆の高嶺の花だからよ、

 

どうしても独り占めにしたいって思ってたんだよ。

 

そしたら、あっさり罠にひっかかってくれたね?笑

なんなの、こいつ。

私を殺して、どうする気なの?

西園寺 鏡夜

…遅い。

俺は車の椅子に座りながら学校方を見た。

執事

とっくに学校は終わってるはずなんですけどね…

西園寺 鏡夜

…え?

執事

どうしました?坊っちゃん。

西園寺 鏡夜

…!!

西園寺 鏡夜

俺、ちょっと行ってくるわ!!

執事

…え、ちょっと坊っちゃん!

執事

危ないですよ!!

西園寺 鏡夜

…大丈夫だって!!

西園寺 鏡夜

(少しもくらいなら良いだろう、思いっきり走っても。)

西園寺 鏡夜

(それより、響が大変になってるんだ。)

西園寺 鏡夜

(…頑張れ、俺。)

清玄寺 響

…ぐっ。

清玄寺 響

(助けてよ、誰か。)

清玄寺 響

(苦しい、苦しい、)

清玄寺 響

(苦しい、!!)

ガラッ。

清玄寺 響

(…誰。)

 

あ、誰だよ!?

 

邪魔すんじゃ…

男の間から見えたのは

あいつだった

今にも怒りたそうに笑顔を顔にのせている。

西園寺 鏡夜

あのー…

西園寺 鏡夜

お取り込み中で悪いんっすけど

 

…はっ、なんだよ。

 

それ以上、近づくとこの女殺すぞ?

清玄寺 響

うっ…。

西園寺 鏡夜

はぁ。だりぃ

鏡夜は頭をかいて、だんだんこっちに向かって歩いてくる。

さっきまで笑顔だったのにあの冷たい視線に変わった。

 

…!!

 

…おい

 

良いのか?

 

この女を殺しても?

ポンッ

さっきまでドアの方にいたのに、一瞬で男の肩まできた。

 

え?

西園寺 鏡夜

さっさと手、離してくれませんか?

西園寺 鏡夜

俺の大事な花嫁なんで

西園寺 鏡夜

殺そうとしたやつは

西園寺 鏡夜

俺が殺してやるよ。

鏡夜は冷たく笑った。

そして鏡夜は男の肩にだんだんに力を入れた。

 

…ぐっ!!

 

仕方ねぇ、このくらいで勘弁してやるよ!!

清玄寺 響

…ゴホッ、ゴホ。

清玄寺 響

(…死ぬかと思った。)

西園寺 鏡夜

…大丈夫?響。

西園寺 鏡夜

立てるか?

もうあの冷たい鏡夜は姿を消し、いつもの鏡夜が手を私に差しのべていた。

清玄寺 響

(なんで、私を助けてくれるの?)

清玄寺 響

(私、あんたのこと嫌いなのに)

俺が殺した。

お前の母を

清玄寺 響

…っ!!

パァァン

清玄寺 響

…1人で立てるわよ。

私は鏡夜の手を振り払った。

清玄寺 響

助けてって言った覚えはないわ

清玄寺 響

人殺しなんかに助けられたくはなかった。

西園寺 鏡夜

私は鏡夜に背を向けてドアに向かって歩きだした。

清玄寺 響

(こいつに、お母さんを殺されたんだった。)

西園寺 鏡夜

…。

清玄寺 響

でも

私は振り返って鏡夜に言った

清玄寺 響

ありがとう。//

西園寺 鏡夜

…。

清玄寺 響

じゃあ先行くね。

清玄寺 響

(死ぬほど、恥ずかしい…/////)

ガラガラ…。パタン

西園寺 鏡夜

…。

西園寺 鏡夜

くっ。

西園寺 鏡夜

ははははっ。

俺はお腹を抱えて笑いだした。

西園寺 鏡夜

恥ずかしがりながら俺にお礼してくるなんて…

西園寺 鏡夜

可愛いな、響は。

西園寺 鏡夜

あー、好き。

西園寺 鏡夜

今すぐにでも独り占めにしたい…

西園寺 鏡夜

けど、それは無理だよな

人殺しなんかに助けられたくはなかった。

西園寺 鏡夜

…はぁ。

俺は顔を手で隠してうつ向いた。

西園寺 鏡夜

本当は俺が殺したんじゃないんだ…

その手を血で染める覚悟はあるか?

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