太宰 治
…おや
太宰 治
もうそんな時期か
公園の方に子供達が集まっていた。
その中心には竹があった。
太宰 治
七夕か…
じっと見ていたら 一人の青年がこちらに来た。
青年
これ、良かったら
太宰 治
え、あぁ…
そう言われて短冊と鉛筆を渡された。
太宰 治
…
願い事なんて
したところで叶うはずもない。
無謀で無意味だ。
太宰 治
…やっぱり返してこよう。
でも、もし叶うなら。
そんな事が頭を過ぎった。
太宰 治
…残らないよ
太宰 治
どんな事を形にしても
きっともう
誰も覚えていない。
織田作の
声も
言葉も
名前すら。
何故、
太宰 治
何故誰も君を覚えてくれないんだい…?
この胸の奥には
誰にも取り除けない
孤独が蔓延っている。
太宰 治
…書くだけ書こう
私は思った事を 短冊に書いて結びつけた。
太宰 治
…
私はきっと知らないまま
君を見ていた。
君の
全てを
太宰 治
………知らなかったね
太宰 治
いや…
太宰 治
わからなかったよ
太宰 治
あの時は
青年
…?
君が来世幸せでありますように。 太宰 治
青年
誰に向けてのだろ
青年
まぁいっか