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聖⭐︎僕ラ之楽園！

第14話 - ベールのよく似合う君

1,522

2023年12月03日

#プロ野球

#青春

#楽園

( ͡° ͜ʖ ͡°)

山下

………、

紅林

…ぺ、ぺーた？

紅林

大丈夫か…？

山下

…あ"〜〜〜、もう！！

紅林

ぅお、！？ﾋﾞｸｯ

山下

誰なんだよー！！犯人！！

紅林

うるさ、

紅林

ちょっと、落ち着

ｺﾞｯ

宏斗

は"ぁ"〜〜〜〜ｯ、

宏斗

由伸先輩のお世話…、ち"ぬ"ぅ"…、

紅林

宏斗お前もか！！

紅林

気持ち悪いなお前ら！！

紅林

(俺の友人が半狂乱と白目剥き出しの姿になってしまった)

紅林

これもそれも全部巻き込んできた福也先輩が悪

福也

俺が何？

紅林

う"わ"ぁ"あ"あ"！！ｯ

紅林

何でもないです何でもないです腹黒だなんて思ってません学校を率いてくれる素晴らしい先輩です！！

山下

あれ、福也先輩どうしたんですか？

福也

お届けものがあるの

山下

…それは、良いものですか

福也

…由伸が危ない

宏斗

…！！ｯ、

福也

今朝、ノートがいつも通り置いてあった

福也

これで最後かもね、

山下

それって…、

福也

自分の目で確認しな

「邪魔するな邪魔するな邪魔するな」

「僕の邪魔をするんじゃない」

「消してやる」

「僕の邪魔をする奴らは僕が消してやる」

「長い事あの子の事を待たせてしまった」

「でもこれで終わりにする」

「いっぱい待たせてしまってごめんよ」

「最初からこうすれば良かったんだ」

「あの子を誑かす輩は僕が成敗する」

「でもそれじゃあ終わらない」

「僕が君の事を手に入れないと」

「そうじゃないと終わらないよ」

「どんな姿の君も僕は愛すよ」

「君を攫いに行く」

「そうしたら、僕と結婚しよう」

「後ちょっとだけ待っていておくれ」

福也

今日中に由伸が襲われる

山下

まだ犯人の足取りを何一つ掴めてないのに…、

宏斗

…は？

紅林

ぇ、ひ、宏斗、？

宏斗

あったま来た

宏斗

クレ、カッター貸せ

紅林

ぇ、え、？

紅林

でも、

宏斗

早く

紅林

…どうぞ、

ｶﾞｼｯ

宏斗

なぁーにが「結婚しよう」だよ

ｸﾞｻﾞｯ

宏斗

直接言えない臆病者のくせに！！

宏斗

一丁前に我儘言うな！！

ｸﾞｸﾞ…ｯ

宏斗

本人に言える自信がないならただ傍観だけしてろよ！！

ﾊﾞｻｧｯ

宏斗

誰もお前の意見は聞いてねぇんだよ！！

ﾋﾞﾘｨｯ

宏斗

融通効かせたきゃ誰にも迷惑かけるな！！

ﾋﾞﾘﾘ"ｨ"ｯ"、

宏斗がカッターでノートをぐちゃぐちゃにした

紅林

(こわぁ…！！)

紅林

ちょ、宏斗、

福也

満足した？

宏斗

…しました

福也

そう、なら大丈夫だね

紅林

(何が！？)

山下

兎に角犯人の正体を突き止めるほかないですよね…、

福也

………。

紅林

………。

宏斗

………。

山下

な、何、？

福也

山下くん、何か思いつかないの？

山下

へ？

紅林

いつもみたいにバァー！って閃くやつだよ！

山下

バァー…？

宏斗

今までで何かこう、疑問に思った事とか…！

山下

疑問……、

山下

………、

紅林

お、！来たかシンキングタイム！

宏斗

静かにしろ

紅林

はい

犯人が実際に危害を与えたのは

由伸先輩に想いを寄せていた1年生

先輩のお気に入りの郎希

どちらも由伸先輩に関して思い入れがある

だから透明人間に襲われた

…別にここまでは不自然な事はない

何だろう、この違和感は…、

机…、

そう、机

一番最初は机だった

福也先輩と泰輔先輩のクラスだけ机や椅子が校庭に捨てられていた

生徒会長である福也先輩に話を広めてもらおうとノートを先輩の元へ送るのは分かる

でも何でわざわざ面倒な机や椅子までを校庭に捨てる？

それをする必要があった？

福也先輩や泰輔先輩が由伸先輩と関わりが強いから？

なら颯一郎先輩だって狙われていてもおかしくない

なんであの人は狙われないんだ？

犯人は、知らなかった？

由伸先輩と颯一郎先輩の関係性を知らなかった？

だから颯一郎先輩には下手に手を出せなかったのか？

でもそれは変だ

知らなかったとして、なんで犯人は由伸先輩と颯一郎先輩が作った落とし穴の事を知っているんだ？

あの事件の全貌を知らなきゃあの場所に落とし穴があるのに気づけない

違う

むしろ犯人は全て知っているんだ

颯一郎先輩は一時的な協力であっただけで、敵対関係であるのは犯人も知っていたんだ

颯一郎先輩を襲えない理由はこれだ

あの事件の一連の流れを知る事ができた人物

もう一つ、

もう一つだけ気になる事がある

郎希だ

あの事件の話を知っていたとして、

由伸先輩が郎希を気に入っているかはあの場面じゃわからない

いやむしろ不仲だと思うのが妥当だろう

郎希は由伸先輩達に疑いを掛けていた

それに対し由伸先輩と颯一郎先輩は郎希を責め立てている

この構図をもし見ていたのなら険悪な関係だと思うはず

なのに犯人はノートに由伸先輩が郎希を気に入っている事に関して怒りを秘めていると書いていた

どこで知った？どこで聞いた？

あと可能性があるとすれば釘事件の時くらいだ

あの時由伸先輩は護衛につくのが俺らなのに対して不満を垂れてたし、

郎希を要望していた

その会話を聞いてないと分からないはず

でも俺らの他に生徒がいないのは確認済みだった

だからこの可能性は捨てて良い

考えろ

思い出せ

他の可能性はなんだ

分かった

あれだ

いやあれしかない

山下

………。

紅林

…ぺーたぁ、？

紅林

だい、じょうぶ、？

宏斗

ぺーたが固まったまま動かない…、

福也

頭ショートした？

紅林

福也先輩が責めるからですよ！！

宏斗

いやお前もせがんでたじゃん

山下

………、

福也

あ、ほら目開けたし大丈夫でしょ

山下

…ちょっと、宮城のとこ行ってきます

宏斗

え？今？

紅林

ぺーたが考えて過ぎて郎希化しちゃったよぉ！！

宮城

────でねぇ、

宮城

─────でさぁ、笑

佐々木

え〜？─────、笑

山下

いたｯ、！

山下

宮城！！

宮城

？、ぺーた？

佐々木

何帰れ邪魔

山下

郎希一呼吸でめっちゃ言うじゃん

山下

いや、そうじゃなくって、！

山下

俺が宮城にノートの話したの覚えてる？

宮城

へ？あ、うん

宮城

ストーカーのやつでしょ？

山下

そうそれ

山下

あの時さ、俺ら以外に誰か保健室にいた？

宮城

えーと、

宮城

あ、いる。いたよ

宮城

僕保健委員だから先生居ない時代役で保健室の利用者記録するんだけどさ

宮城

あの時、例の階段で吊り下ろされた子の容態見てたの

山下

え、その人って病院行ったんじゃ無かったの？

宮城

いーや？

宮城

確か、傷が浅いだったかで保健室で処置だけされたよ

山下

その人、名前は…？

宮城

うーんとねぇ、

宮城

あ、やば、！

宮城

忘れてた！

ｶｼｬｯ、

宮城

ごめん、！

宮城

放置しちゃってたね、

宮城

具合は良くなった？

宮城

もうちょっと寝てく？

宮城

そっか、

「すいませーん、絆創膏欲しいんですが、」

宮城

あ、はーい！

宮城

1人で教室戻れる？

宮城

分かったよ

宮城

お大事にー、

宮城

あ、思い出した

宮城

ぺーたのクラスの人だよ

山下

俺のクラス…？

宮城

名前は─────。

山下

…え、？

ｶﾂ、

由伸

…………。

ｶﾂ、

ｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂ

ｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂ

由伸

………。

「みつけた」

ｶﾞｯ！！

宏斗

由伸先輩！！

ｻﾞｧｯ！！

！？

由伸

宏斗…、！

宏斗

透明人間はお前だな！！

宏斗

便宜を聞くつもりはない！

宏斗

大人しく諦めろ！！

…ｯ"、！！

ﾊﾞｯ！！

宏斗

…！！

犯人がカッターを突き出す

どけよｯ！！

宏斗

譲らない…！！

宏斗

俺は由伸先輩を渡さない！！

宏斗

絶対にだ！！

由伸

宏斗…、ｯ(ｷﾞｭｳ、

ｶﾁｶﾁｯ、

ｸﾞｲｯ

刃が宏斗の喉元に近づく

宏斗

…ｯ"、

怖いだろ、早くどけてよ！！

早く！！

宏斗

…刺せば良いだろ、ｯ

…ｯ、！！

宏斗

今のお前は、本当にこれを望んでんのか？

宏斗

ちゃんと目ぇ見て由伸先輩に好きだって、愛して、って言えんの？

宏斗

刺しなよ

宏斗

お前の中ではこれが最善策で、それで由伸先輩が本当にお前の物になるって信じてんなら刺しなよ

…ｯ"、

ﾀﾞｯ！！

ｶﾞﾗｯ

紅林

待った！！

福也

逃すわけないでしょ

待機していた教室から飛び出し、通路を防ぐ

山下

"曽谷龍平"！！

曽谷

…ｯｯ！！

山下

先生に教えてもらった

山下

曽谷くんのお父さんは単身赴任、お母さんは夜勤で夜家に居ない

山下

だから夜バレずに学校に忍び込めた

山下

最初の被害者は曽谷くん

山下

犯人が被害者なら警備員さんを凌いでから襲われたふりができる

山下

机や椅子もそうなんでしょ？

山下

警備員さんより早く学校に行って、ことが済んだら家に帰る

山下

後は素知らぬ顔して再登校するだけ、

山下

転落事件の時も、遅くまで学校に残って事件の全貌を聞いた

山下

その時から由伸先輩の事を見張っていた

山下

だから落とし穴の事を見逃さなかったし、保健室で郎希の話を聞いて利用することができた

曽谷

…ぁぁ、

曽谷

ぁ"ぁ"あ"ぁ"あ"あ"ぁ"！！ｯ"

曽谷

遅いんだよ！！

曽谷

いつもいつも…！！ｯ

曽谷

いつになったら僕の存在を認めてくれるの…！？ｯ

山下

…最初、曽谷くんの名前を聞いた時直ぐに顔が思い浮かばなかった

曽谷

ほらね、僕はいつだって影が薄いんだ！！

曽谷

みんな馬鹿だよ！！

曽谷

誰も僕を疑わないし誰も僕を認識できない！！

曽谷

僕は透明なんだ！！

曽谷

どうせ僕は透明人間なんだよ！！

山下

それは違う！！

山下

ちゃんと人間だ！！

曽谷

うるさいうるさいうるさい…！！

曽谷

由伸くんだけだった！！

曽谷

僕の目を見てちゃんと名前を呼んでくれた人！！

由伸

………、

曽谷

それだけだ！！

曽谷

それだけが僕にとっては大切な物なんだよ！！

曽谷

手に入らないならせめて覚えててよ僕の事！！

曽谷

忘れないように！！

曽谷

忘れられないように！！

ｶﾞﾗｯ！！

曽谷くんが窓に身を乗り出す

紅林

…！！、何して、

曽谷

透明人間はここにいる！！

曽谷

最後まで見ててよ僕の事！！

山下

…！！ｯ、

ｶﾞｼｬｧﾝｯ！！

曽谷

…！？ｯ、

山下

俺は…！！

山下

ここに居ます…！！

山下

……ｯ…！

軟膏を手に塗る

山下

俺は消えたか…？！

山下

こんな薬なんかじゃ自分は消せない！！

山下

少しの事で脆く崩れるのが人間だ…！！

山下

薬や刃物なんて物は安心を得る道具にしかすぎない！！

山下

自分を維持できるのは自分しか居ないんだよ！！

山下

…だから、透明人間なんてものはいない

山下

曽谷くん、はしゃいでないで窓から降りて

曽谷

…わかっ、た、

曽谷

………、

山下

福也先輩、

福也

…、

山下

ただのいたずらです

山下

今回の件はある児童のいたずらだったんです

山下

それで良いですね？

福也

…良いよそれで

福也

先生には俺から伝えとく

福也

曽谷くん、明日俺と一緒に先生の元に行こう

曽谷

…はい、

福也

大丈夫、実際には誰も殺したりなんかしてないんだし

福也

取り敢えず俺は曽谷くんを家まで送ってから帰る

福也

君らも早く帰んなさい

山下

はい

紅林

…はい

宏斗

分かりました

由伸

…、

福也先輩と曽谷くんの姿が見えなくなっていった

紅林

…ぺーた、

山下

…ん？

紅林

大丈夫？

山下

何が…、？

紅林

何でも。なんか、様子変だし、

山下

平気だよ、

山下

ただなんか、吹っ切れただけ、

紅林

そっか、

山下

クレもお疲れ

紅林

いやぺーたこそ、

紅林

ほんと、凄いよお前、

山下

…いーや全然、

山下

俺も弱いなぁ…、

宏斗

…由伸先輩、

由伸

なに、

宏斗

曽谷とは、何処で知り合ったんですか、

由伸

…多分、委員会の顔合わせ

宏斗

そうですか、

由伸

………、

由伸

…ありがとうな、

宏斗

…え、

由伸

…俺のこと…、その…、

由伸

守って、くれて…、

宏斗

……ぁ、

宏斗

あーーー〜〜〜、ｯ

宏斗が崩れ落ちるようにしゃがむ

宏斗

…俺、はず、////

宏斗

変なこと口走ってましたよね、

由伸

何や急に、

由伸

…さっき言ってた事、嘘だったん？

宏斗

！！ｯ、違います！！

宏斗

全部ほんとで

ちゅ、

宏斗

…ふぇ、？

由伸

…褒美、

由伸

…かっこ、良かったから、ﾎﾞｿｯ

宏斗

…へ、今「かっこ良い」って、

由伸

うっさい！！////

由伸

誰が言うかばーか！！

由伸

帰る…！！

宏斗

……ほっぺに、

宏斗

ちゅー、された、

宏斗

え、夢…？

ｷﾞﾁｷﾞﾁ…ｯ、

宏斗

いたい、

宏斗

…夢じゃ、ない、

宏斗

………、

ﾊﾞﾀﾝｯ

紅林

え宏斗倒れてね？

山下

何やってんだあいつ

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