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高橋

あ……さ…の

麻野

はぁ…はぁ

だめだ追いつかれる

すまない麻野…

俺のせいで…

終わりだ

鬼は麻野に蹴りを入れた

麻野

ぐっ…!!

高橋

んがぅ…

倒れる麻野と背中から落ちる俺

完全に追いつかれた…

てめぇよくも俺を殴ったな?

早く殺さなきゃ早く!!!

うっせぇお前は黙ってろよ

ひっ……

高橋

ごほっ…

麻野

高橋……

鬼同士仲が良くないのか…?

まずはお前から殺す

麻野

やめろ…!!高橋を殺すな!!!

……

麻野

ぐっ…!!

鬼は麻野を殴った

そう焦るなよお前は

後で殺してやるからな

高橋

ころ……す…

鬼はにこっと笑ったような気がした

分かるかお前…

ここだよここ

鬼は俺の顔を触ってそう言った

お前が俺を殴ったところだよ

ボケが

高橋

ッが…!!

いってぇ……

俺は鬼に殴られたようだ

背中を刺され、顔面を殴られ

意識が飛びそうだ…

じゃあ、言い残すことは?

高橋

ぁ……

麻野

……

高橋

い……の

はっきり言えって

そう長くは待たねぇぞ

高橋

今……あさ…

…?

麻野

……

高橋

ごほっ…ごがっ…

もう殺すぞ

やらせてくれ!!

いやコイツは俺がやる

お前はそっちでも殺しとけ

高橋

ふぅー……

じゃあな

鬼はナイフを向けた

高橋

今だ麻野

麻野

待ってたぞ

バッサアアアアア

!?

な、な、な、なんだよ!!

麻野

これも知らねぇのか!?

高橋

これはスモークだよ!!!

こんなピンチなのに

おかしいな

わくわくしてきた!!!

麻野

逃げる側にも武器があるんだよなぁこれが!!!!

くそっ…悪あがきを……

高橋

麻野!!

麻野

おう!!

麻野は鬼に向かって砂埃を投げる

めっがっ……

っ…!!!!

俺は後ろに回る

1、2ステップを踏む

2ステップ目で地面の石に手を伸ばす

高橋

石の……

高橋

お返しだ…!!

重症でも関係ない

俺の精一杯を

ぶつけろ!!!

俺は石で鬼の後頭部を思いっきり殴った

んがっ……

鬼は声を出して前方に倒れた

高橋

ようやく効いた様な声出したな…お前…

よくもおおおおおおお

もう1人の鬼はこっちに石を投げようとしている

だがその石は……避けれる!

高橋

んっ

なにっ!!!!!

なんでなんでなんで!!!

麻野

お前も寝ろよ

麻野

今は

麻野

俺らのターンだ

麻野は鬼の足をすくった

!?!

鬼は派手に転ぶ

すげーなあの足払い…

そして麻野はナイフをとって鬼に向ける

高橋

すっげーな……麻野…

麻野

高橋にはかなわねぇよ

高橋

俺は……全然だ…

麻野

その怪我でそこまで動くとはな…ほんと大した奴だ…

高橋

へっ…

カタカタカタカタ

いやっ嫌だ!!!
死にたくない!!!!!!

俺は麻野に肩を任せる

麻野の肩はごつごつしているような気がする

高橋

鬼さんよ……俺は殺す気は無いぞ…

麻野

同じくだ

うそうそうそだああああ

もう…おしまいだ……

高橋

はぁ……

こいつらを殺す気も起きない…

だがほっとけばまた敵になるだろう

麻野

高橋こいつらどうする?

高橋

拘束…するのはどうだろうか?

麻野

……だな

麻野

効率的で良い案だ

高橋

さんきゅー…

話すので精一杯だ

早く休みたい…

その時

んああああああああああぁぁぁ

麻野

!!?

高橋

嘘だろっ…!?

ゴミ共があああぁぁぁ

知らなかったかぁ!?!?

鬼はアーマーが支給されんだよ!!

お前らにスモークがあるようになああぁぁぁ

ころすころすころす!!!

高橋

はぁ!?

高橋

なんだよそれ…!!!

麻野

高橋!!離れよう!!!

俺の渾身の一撃で致命傷避けるほどのアーマーかよ…!?

そういえば最初に殴った時も拳が重かったような…

麻野

高橋!!!早く!!逃げろ!!

高橋

悪い…!ちょっと待っ

高橋

っ…!!

忘れてた

俺の体はもう…!!

限界だ…

待てやあああぁぁぁああぁぁぁ

高橋

麻野…!!
逃げてくれ頼む!!!

麻野

でもっ……!

高橋

大丈夫だ任せろ

高橋

今までも……そうだったろ?

麻野

高橋……

麻野

分かったよ……

麻野

待ってるからな

高橋

おう

俺は手でグーを作った

目が霞んで

痛みであまり見えなかったが

麻野が手を振ってくれた気がした

可哀想に見捨てられてな

殺す殺す殺さなきゃ…殺すんだ!!殺せ!!!

分かったからお前はあっちに行け

高橋

……

言葉が出ない

それより疲れた

気がつくと俺は膝をついていた

今度こそじゃあな

その言葉を聞いたあと

すぐに心臓あたりが熱くなった

麻野

はぁ……はぁ…

高橋……

俺は待ってるからな…

麻野

信じてるからな…!!

高橋と離れてから疲れてどうしようもないくらい走った

麻野

ここまで来れば…

周りは完璧に知らない場所になっていた

ここであいつを待つんだ…

麻野

俺はここで待つからな…

はぁ……何処だよ…

麻野

…!?

嘘だろ…?鬼?

ここまで来たのかよ!!!

ここでしのぐしか無い…

麻野

高橋…無事だよな……

麻野

…!

俺は何を言ってるんだ

無事に決まってるだろ

高橋が今まで約束破ったことあったか?

麻野

馬鹿野郎…俺…!

麻野

鬼と目が合った

一瞬時間が止まったかと感じた

…がその感覚は一瞬で恐怖へ変わった

いたいたいたいた

殺すんだああぁぁぁああぁぁぁ

麻野

くっそがあ!!!!

麻野

っ…!!

靴紐が絡まっ

殺す!!!!

麻野

ナイフは…!?

無い!! あの時に落としたのか!?

だめだ殺される…!!

死ねえええええええええええ

麻野

高橋と約束したんだ!!!

俺は叫ぶことしか出来なかった

麻野

また会うんだよ!!!

知るかああぁぁぁああぁぁぁ

麻野

くっ……!!

麻野

なんでだよ……

麻野

いつもだったら今日も…高橋と……

うああああぁぁぁああぁぁぁ

終わりだ

やっと1人…

鬼は手を振りかぶった

大輝

今!!!!!!

相馬

わかってるよ!!!!

相馬

中学で鍛えた腕力舐めんなよ!!!

麻野

!?!?

がっ……

相馬がスモークを投げる

スモークは鬼の頭に直撃した

大輝

麻野君こっち…!!

麻野

大輝君なんで……

驚きで声を出すのがいっぱいだった

大輝

それはもちろん

大輝

助けに!!!

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