夏帆
やっ、やめてください……

美穂
は?なんで辞めなきゃいけないの笑

七海
それな〜???

千夏
やめてって言われてやめるバカどこにいんだよ笑

春菜
いやそれ笑

美麗
み、みんな…もうやめようよ…先生来ちゃうよ…

美穂
なんなの美麗、うちらに逆らうとか馬鹿なことするつもりじゃないよね

七海
逆らったらどうなるかわかるよね

千夏
ぼっちのあんたを仲間にしてやったんだから黙ってなよ

春菜
そうそうまじうざい。美麗、また遊んで欲しいの?

美麗
ちっ、ちがっ、そういう訳じゃ……

美麗
ないです…

七海
えー残念

美穂
ちょっと七海笑

七海
だってーまた遊べると思ったのにー

美穂
まあまあ!今は夏帆っていうおもちゃがいるじゃん笑

春菜
大変、美穂!あいつ帰ろうとしてるよ

夏帆
あっ……

美穂
あんた、うちらが話してる隙に逃げようって訳?

夏帆
そんな、ごっ誤解です!!

七海
言い訳すんなよっっっ!!!!

夏帆
うっっ…………

夏帆
おえっ……

最悪だ。それがグループのリーダー、美穂の靴にかかってしまった
美穂
うわ、さいっっあく

七海
美穂大丈夫?

千夏
こいつ最悪だね

美穂
ほんとに最悪。気分悪、

千夏
お仕置きが必要なんじゃない?

春菜
いつものあれいっちゃう?

夏帆
そ、それだけは!!!

夏帆
なんでもします!!

美穂
だめ。千夏、いつものやって

千夏
りょーかい♡

千夏
おらこっちこいよ

私は髪の毛を千夏に引っ張られながら教室の外に出て……
千夏
吐いた汚い口は洗ってあげないとね〜

夏帆
い、いやだ、いやだ、、

千夏
おらよ!!

夏帆
ごっ、ごぼっ、た、たすけ、ごぼごぼ

千夏
だーめ!あと20びょ〜♡

美麗
……

夏帆
(なんで、黙って見てるの…?)

夏帆
(なんで…そんなにつらそうな顔をするの……?)

夏帆
(だめだ、意識が、だんだ、ん、)

夏帆
ごぼっ…………

美麗
も、

美麗
もうやめてください!!!!!!

千夏
はぁ?

千夏
なにあんた。

千夏
お前なんかが指図していいと思ってんのかよ

千夏
なんかしらけたわ。もう今日はやめ。

美麗
……

そう言って千夏は私の頭を投げるように放ってトイレから出ていった。
夏帆
げほっっ!げほ!おえ、う、

美麗
あ、あの

夏帆
…………

美麗
えっ、と…

美麗
…………

美麗
す、

美麗
すみませんでした!!!!!!!!!

夏帆
……え?

夏帆
なんで、、謝るんですか。

夏帆
園田さんは悪くないはずです。

夏帆
私なんかに謝らなくても。

美麗
ううん、私が一番悪いんです

美麗
わたしが、橘さんたちに

美麗
いじめをやめてって言ったから。

夏帆
仕方ないですよ

夏帆
園田さんは私よりひどいことされてましたし

夏帆
私が園田さんならやめて欲しいですもん。

夏帆
園田さんは悪くないです

夏帆
悪いのはいらない正義感を振りかざした私ですよ

美麗
そんなことない

美麗
私が逆らわなければよかったんですよ

美麗
でも、あの時、

美麗
助けてくれた時

美麗
私は救われたんです。

美麗
ひとりじゃないって思えたんです

美麗
だから今度は私が助ける番なのに

美麗
足が震えて上手くいかなくて、

美麗
あの頃の記憶が思い出されて、

美麗
情けないですよね、大口叩いといて助けることが出来ないなんて

美麗
次は必ず止めます。本当にごめんなさい

夏帆
……

夏帆
じゃ、じゃあ、こうしませんか

夏帆
いじめは止めなくていいです。

美麗
で、でも!

夏帆
いいんです。だって仮に止められたとしても

夏帆
それは『私のいじめ』の終わりであり

夏帆
私のいじめが終わることで『誰かのいじめ』の始まりになってしまうから。

夏帆
だから私はいじめを耐え抜きます。

美麗
そんな、

美麗
そんなのって、

夏帆
そのかわり

夏帆
私と友達になってくれませんか…?

美麗
……え……?

夏帆
私が園田さんのいじめを止めたのは

夏帆
園田さんが救われるなら私が犠牲になってもいいと思ったからです。

美麗
なんで

美麗
話したこともなかったのに

夏帆
あなたは

夏帆
いじめられてる時も誰にも迷惑をかけまいとずっと笑顔を貼り付けていて

夏帆
その笑顔がすごく寂しそうで

夏帆
本当は助けて欲しいんだってすぐ分かりました

夏帆
だから助けたいと思ったんです

夏帆
そんなあなたと友達になりたいって思ったんです

夏帆
辛かったですよね、園田さんはよく頑張りました。

美麗
……

美麗
本当はずっと誰かにそんなふうに

美麗
言って欲しかったんです……

美麗
……うぅ……

美麗
……うぅぅ

夏帆
泣かないでください

夏帆
涙を拭いて…?

美麗
……うっ……

美麗
ひっく……

美麗
私で……いいんですか?

夏帆
あなたが、いいんです

美麗
私も、仲良くなりたかった

美麗
助けてくれた、あの日からずっと。

美麗
私でよければ友達になってください…!

夏帆
よろこんで…!
