きぼう

…ｻﾞｻﾞｯ

…あー、あー、

…聞こえてる?

…よし、問題ない

初めまして

私は_____

…ごめんなさい、まだ少し検閲が残っていたようです

今回は、ヒスイということにしておいてください

…大丈夫ですよ。いずれ、本来の名も分かるはずです

…改めまして、私はヒスイです

…貴方は、この世界に迷いこんでしまったのですね

…

大丈夫です。私がいますから

とりあえず少しでも記憶を取り戻さないと元も子もないですよね

ですが、私はあなたの事をこれっぽっちも知りません

なのでーー

…少し、昔話でもいかがですか?

もしかしたら、なにか思い出すかもしれませんしね

…

ありがとうございます

では、始めましょうか

誰にも知られていない、そしてーー

これからも、永久に知られることはないーー

"物語"を

"希望"とはーー

希望とは、なんだろうか

人それぞれ、定義は違うだろう

故に、希望の形も様々だ

…私には、

私には、希望が存在しない

希望とは何なのかも分からない

そもそも、この世界に希望が存在しているのかすら、

私には、分からない

何度も考えた

何故ーー

何故、私には希望が存在しないのだろうか

それは未だに分からない

…

でもーー

一つだけ、分かった

…ような、気がする

それは、私は希望を欲していないということ

だからといって、絶望を望んでいるわけではない

平凡な毎日を繰り返す

ただ、それだけでいい

私には、それで十分だ

十分ーー

…だった、ハズなのに

…朝?

…いや、もう昼…かな

時計…

ｶﾞﾀｯ

…

落ち着け

時計を落としただけだ

違う

違う違う違う

アイツらはもういない

ここには私一人だ

ほら!これ飲んでみろよ!

違う、、

ｱｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ!ほんとに飲んだぞコイツ!

違う…!!

だから言っただろ!コイツ_____なんだって!

やめろ

ほら!おかわりだぞ!俺らに感謝して飲めよ!

やめてくれ

やっぱりコイツってさー

やめろ…!

存在価値、ないよな

ｶﾞｼｬｰﾝ!!

ｸﾞｷｯ

ﾊﾞｷｯ

また…悪夢…

もう…アイツらとは関わりたくないのに…

どうして…