一時間目は算数。二時間目は学活。三四時間目は体育。午前中から盛りだくさんだ。一時間目は問題なくクリア。 問題は二時間目。それは…
江野本先生
演劇の内容は、長いこと敵どうしだった二人が戦い、お互いを認めながら死ぬ。暗い内容だが悪くない。
江野本先生
江野本先生が皆に問うと、真っ先にてをあげたのは海流だった。
海流
なるほど…優勝したクラスには賞状が授与される。もちろん受け取るのは主役の俺達。渡すときにはターゲットがそろう。そのときに殺れと。
江野本先生
海斗
するとクラスから歓声が上がり、皆が先生に三四時間目を演劇練習に変更してと頼んだ結果、三四時間は演劇練習になった。 台本をもらった俺達はすぐに暗記をする。多川さんからの指導の時にたくさんやったからもうなれたな。
江野本先生
この時俺と海流は戦闘シーンの動きをアイコンタクトで決める。 作戦コードは「蝶の舞」 このコードは訓練の時に使うことが多い。相手の体に触れるだけという作戦だから怪我がなく、かつスムーズに動ける。本番で使うものは刀。 綺麗に散れるということではこれが一番適任だ。
女C
女子の列ではこんな声がちらほら聞こえる。
体育館
江野本先生
海流
江野本先生
そしてことは進み、戦闘シーンが近づいてくる。
心さん
海斗
海流
ここで俺と海流が刀を構える。 3…2…1このタイミングで一斉に踏み込む。
カキーン
刀が交わる。 蝶の舞の最後に俺達は後ろに引き刀で首を切る動作をし、倒れる。
海斗
俺はそのとき目をゆっくり閉じ、涙を流す。
海流
海流は目を開けたまま、涙を流した。
自分でも驚くほどの演技だ。 まさか涙が出てくるとは。
ガラガラ
幕が下がるとそれを見ていたクラスメイトは拍手をしたり、キャーと歓声をあげていたり、涙を流しているものもいた。
江野本先生
江野本先生は喜び、他の生徒もおーっとてをあげた。 優勝しなければ。
本番当日、俺達は衣装に着替え、演技を始める。無事演劇は終わり、俺達のクラスが優勝した。 狙い通り。この後が表彰。 (楽しかった…) ダメだ。いらない。楽しいなんて思っちゃいけない。ダメだダメだ。 次は表彰なんだ。殺すんだ。 殺…さなきゃ
海流
海流は心配そうに俺を見る。
海流
海流は珍しく命令口調で言った。
海斗
分かってる…。
俺は代表として表彰台に乗り、ターゲットの前にたった。
カンッ
海流からの合図だ。 殺らなきゃ。殺さなきゃ。殺さないといけないのに 手が動かない。 本当は俺は知っている。学園長たちは悪いことをしていない。でも多川さんのため。手が震える。 何で?今までは普通に殺せたのに。どうしてこんなに胸が痛いんだ?嫌だ。もう…
空っぽの俺は嫌だ。
海流
海流は段上に上がり、ナイフを出す。
女C
学園内に悲鳴が上がる。
海斗
俺は持っていたナイフで海流が振りかざしたナイフを受け止める。
海流
海斗
海流
海流はこちらにナイフを向けた。
海斗
俺もナイフを構える。その光景を全校生徒が見ている。
心さん
男子A
ここにいる生徒は皆を金持ち。闇影についてなにも知らないはずがない。
-カキーン-
海流と俺の刃が交わった。何て力だ。 刃が…折れる。
パキンッ
海斗
俺はここまでなのか?いや…まだ立てる。盾になれる。
海流
海流は片手で俺をおさえつけ、切りつける。力が強すぎて、抵抗できない。
ザシュ
刃は容赦なく俺を裂く。 痛い。痛い。痛い。でも、俺が守るんだ。 ダメだ…意識が…しっかりしろ!
グサッ
海斗
急所をはずしての深い攻撃。血が出すぎている。死ぬかも…ごめん。皆。 暖かい…。なんだ?この暖かい光は。 俺はそっと目を開ける。
学園長
学園長は俺を見つめながらどこかに電話をしている。そこに海流はいない。 これでよかったんだ。 ……そういえば痛くない。俺が立ち上がるとフワッと何かが揺れた。これは…髪の毛?俺こんな長くないよね? 傷が完全になおると、ドッと力が抜け、俺はその場に崩れ落ち、俺の意識が途絶えた。
コメント
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うわぁぁぁ 海斗くん-! 皆明日投稿しようと思うからもうちょっと待ってて ( ・∇・)