テラーノベル
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*あらすじに記載された ”注意事項” に必ず目を通して下さい
z視点
両手を縄で拘束されたままデカデカとそびえ立つ建物内に連れられ、これから自分が何をされるか想像しただけで恐ろしい。
──拷問をされるかもしれない。 ──悪事に手を染めたせいか、これから天罰が下されるのかもしれない。
思考を巡らせただけで恐ろしいがよくよく考えてみれば、俺は前科があるため拷問される余地しかない。
俺の両隣りには先程俺を取り押さえていた男がおり、またもやこちらを睨み付け監視の目を光らせていた。
先頭には黒の軍服の男が歩いており、何かインカムで報告し始めた。小声だったが、俺は不思議と耳がいいため聞き取れた。
「全員。今すぐ○○室へ来い」
肝心の場所は聞き取れなかったが、そう耳に届いた。 ”全員” という事は、やはり何かされるのだろうか。勧誘する振りをして俺に何かしようとしているのだろう。
すると行き先に到着したのか、男は木造の扉の前で立ち止まる。木造の扉といっても蹴りひとつ入れただけで壊れるような、やわな造りではない。 綺麗な彫りの入った扉であり、何処か異質感がある。
重たい扉が開くと既に何名か居座っており、部屋の中にいた男達は何とも個性豊かな面々ばかりだ。
z
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黒の軍服の男が部屋に入ってきた瞬間、居座っていた男達はすぐさま立ち上がり、頭を深く下げ始めた。 恐らく、この軍の中で最も立場が上の人物なのだろう。
軍服の男もそれに応じた後、唯一空いていた椅子に堂々と座り始める。
すると部屋に入った瞬間、俺は強制的に膝立ちにされる。床にふかふかなカーペットが敷かれても尚、この体勢を保つのはきつい。
念のため護衛らしき人に両手も掴まれており、暴れないための対策だろう。
黒の軍服を着た男
躊躇いもせず男がそう宣言した瞬間、周りの空気が突如として曇り始めた。 俺の耳に届く程のコソコソ話と、こちらをゴミのような目で見る者が何名かいた。
完全に人として見られていない事に、だんだん苛立ちを感じるが一度深呼吸を挟み冷静さを保つ。
男の声は何とも威厳のあるバリトンボイス。男が言葉を発するだけで空気が締まっていくような気がした。
粗方予想はしていたが、まさかここまで拒絶されるとは。
赤のマフラーを巻いた男
ユニホームを着た青年?
ユニホームを着た青年?
黒の軍服を着た男
敵無しと称される軍で、これから下っ端として生きる···
まあ、入れてもらえるだけマシか。
生憎、行くあてもないためここで長い余生を過ごすのもありかもしれない。 こうやって入団出来たのも、何かの縁だ。 俺を馬鹿にしてきた此奴らに赤っ恥かかせてやろう。
そう思うと、やる気が漲ってきた。 どうせ入団するのなら、ずっと下っ端として頭を垂れて生きてるのでは無く、”上” を目指したい。
gr
gr
z
俺はこの軍のトップまで上り詰める。
第2話‐終
コメント
1件
相変わらず物語が天才すぎる,✨ ほんと大好きです! 続き待機!!