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アリス

うさぎは......?

アリス

あ!いたー!

白うさぎ

急げー!

ガサガサ

ピョンッ

アリス

ああっ!うさぎさん、待ってー!

アリス

あたしも穴に入るわー!

ウサギの穴は深い井戸のようで、アリスはどんどん落ちていきました。  もう、止まろうにも止まりません。

でも大丈夫。アリスの青いスカートがパラシュートのように開いて、 ゆっくりゆっくり落ちて行くのだから。

アリス

こんなにゆっくり落ちるのなら、
2階から飛び降りても大丈夫ね。
それにしても、どこまで続くのかしら?

アリス

ウサギのお家がこんなに深いなんて知らなかったわ。
あたしの家が、こんな家じゃなくてよかったわ...

アリスがこんな事を考えていると、やがて穴の中が明るくなってきました。

周りを見ると、かべには戸だなや本だなが、びっしりはめ込んであります。

本だなの本は難しい本ばかりですが、 その中にお姉さんが読んでいた歴史の本もありました。

アリス

お姉さんもこのウサギのお家に来たのかしら...?

アリスは下へ落ちながら、途中の戸だなからビンを一つ取りました。  そのビンには《オレンジ・マーマレード》と レッテルがはってありました。

アリス

わぁ!オレンジマーマレードだわ!

オレンジマーマレードはアリスの大好物です。  でもビンは空っぽだったのでアリスはがっかりです。

アリス

無いだなんて....

アリス

あれ?まだ穴が続いてるわ!

アリス

行ってみよっと!

アリスはそのまま下へ下へ下ヘとどこまで落ちて行きました。  一体、どこまで落ちて行くのでしょうか?

アリス

もう、何キロぐらい落ちたかしら?
こんなに長く落ちたのだから、
きっと地球の中心あたりまで来てるに違いないわ!
えーと、地球の中心だから.......
6400キロぐらい落ちたかしら?

地球の中心までの距離は、アリスが学校で習ったばかりです。  アリスは自分の物知りぶりを得意そうにひろうしましたが 今は誰も聞いていないので張り合いがありません。

でも、何度もおさらいをするのは良い勉強になります。

アリス

今が地球の中心だとすると...
緯度と経度はどのくらいかしら?

本当の事を言うと、アリスは緯度や経度の意味をよく知りません。  何となくえらそうな言葉だったので言っただけです。  アリスのおしゃべりはまだ続きます。

アリス

このまま落ちていったら.......
そのうち地球を突き抜けてしまうんじゃないかしら?

アリス

地球のうら側にいる人たちなら
きっと逆立ちをして歩いているから、
あたしも逆立ちの練習をしなくっちゃ!

アリスの知識もこの程度です。  周りに聞いている人がいなくてよかったですね...

アリス

そうだわ!今夜はあたしがいなくて
ダイナがさびしがるかもしれないわ....

ダイナはアリスが可愛がっているネコのことです。

アリス

ダイナもあたしと一緒に落ちていたらいいのに...
ああ...でも、空中ではネズミがいないかもしれないわね...

アリス

だけど空中ならコウモリがいるかも?
コウモリとネズミによくにているけど....
ネコはコウモリを食べるかしら?

長い時間落ちていたのでアリスはそろそろ眠くなってきました。 そして、夢でも見ているような気持ちでおしゃべりを続けました。

アリス

ネコは、コウモリを食べるのかしら?
ネズミとコウモリはにているから
きっとコウモリはネコを食べるわね!

アリス

.........あれ?
あたし今、ネコとコウモリをまちがえたかしら?
それにしても、なんだかとってもねむたいわ.....

アリスは目をつぶると、夢の中に現れたダイナにたずねました。

アリス

ねえ、ダイナ!あなた、
コウモリを食べたことがあるの?

その時、いきなり

ドスン!

と、アリスはかれ葉の山の上にぶつかりました。

ようやく落ちるのが、終わったのです。

𝗡𝗲𝘅𝘁▶︎▶︎▶︎

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