月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにきが付き合ってます ・あにきの体調不良ネタです ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
朝起きて、一番に感じたのは異様な体の重さだった。
頭に靄がかかったようにぼんやりとした意識の中、起き上がろうと体を少し起こしたところ、頭にズキッと走る鈍痛。
悠佑
予想していなかった痛みに思わず止めてしまった息をそっと吐き出す。
時間をかけてなんとか体を起こすことに成功したが、具合も気分も最悪だった。
頭が痛い。倦怠感が酷い。体が重い。熱があるのかなんだか寒い。
誤魔化しようの無い完璧な風邪である。最近はかかっていなかったからこの感覚を忘れつつあったのに、忘れた頃にやってくるのはなんなのか。
スマホを確認すると、いつも起きている時間より少し遅い時間だった。まぁ、今日は何も用事は無いし・・・。
悠佑
思わずぽつりと声を漏らした。思い出されるのは、昨日のまろとの電話の会話。
If
悠佑
If
ぽえぽえボイスで満足気に胸を張るまろに、笑いながら頷いた。
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
にひひ、と笑う声は本当に嬉しそうで、それだけで俺も満たされた気持ちになって。
悠佑
If
悠佑
これは困ったことになった。勿論彼が来てくれること自体は嬉しいし、最近お互い忙しくあまり会えていなかったから会いたいのはやまやまなのだが、このままでは風邪を移してしまうし、こんな風邪を引いたなんて知られたらきっと治った後にお説教コースである。まろの説教は案外長い。
どうしたものかと考えている間に、自分の存在を主張するかのように頭痛がまた激しさを増してきた。
悠佑
どこまで誤魔化せるか分からないが、なんとか誤魔化せるだけ誤魔化そう。とりあえずまろにバレるバレない以前にこの痛みを抑えるには薬を飲まなければ。
そう思って薬を取りに行こうと脚に力をこめて立ち上がった時、目の前が点滅して真っ暗になった。
悠佑
どさりと床に叩きつけられる自分の体。何が起きたのか分からず、ただその痛みに顔を顰めた。
この部屋は2階にあり、薬が置いてあるのは1階。
こんな体で階段の上り下りなんて出来るとは思えない。
床を這うようにしてなんとかベットに戻り横になると、この一瞬の疲労がどっと体にのしかかってきた。
悠佑
もうそれしかないと思った。きっとお説教は食らうし沢山心配も迷惑もかけると思うが、今の自分の体はとても頼れたものじゃない。正直にまろに白状するのが一番だ。
そう思いスマホを手に取ると、新しい通知が入っているのに気が付いた。
悠佑
それはまろからのLINEだった。その内容は、
あにきごめん!急に会社行かなきゃならんくなって、今日行けなそう!ほんとごめん!!
その文面を何度か読み返し、様々な感情が湧き上がっては消えていく。
おー、分かった。休日まで大変やな。無理すんなよ〜?
そんな返信を打ち、スマホを枕元へ放り投げた。
お説教も、風邪を移すのも嫌だったはずなのに。いざ彼が来れないとなると、どうしてこうも胸が苦しい。
悠佑
薬をどうしようかと考えるも、答えは出て来ず。でもまろが来ないなら、誤魔化す相手もいないし無理に起きる必要なんて無いのでは。
そうだ、さっさと寝てしまおう。寝て次起きたら案外治っているかもしれない。病は気からと言うし。
きっとそうだ、と自分を半ば無理矢理納得させ、俺は布団を被った。
意識が落ちる寸前まで考えていたのは、まろのことだった。
次に目が覚めた時、俺を襲ったのは寝る前とは比べ物にならないような猛烈な頭痛だった。
内側を何か鈍器で殴られているかのような、そんな衝撃に最早呻き声も出ない。
薬も飲まずにただ寝たことを今更ながらに後悔した。治る訳なんてなかった。寧ろこの様子じゃきっと悪化しているに違いない。熱もあると思うが、体温計も薬と同様1階にある為確認出来ない。
悠佑
その時、喉の奥から込み上げてくるものを感じ、咄嗟にベッドのそばにあるゴミ箱に駆け寄ろうとした。
案の定しっかり立てる訳もなく、音を立てて床に落ちる体。痛みに顔を顰めながらもなんとか腕を伸ばし、ゴミ箱を自分の体に引き寄せた。
悠佑
口の中に広がる酸味が気持ち悪い。抗いようのない生理的な涙が滲み、頬を滑り落ちた。
悠佑
気持ち悪い、辛い、苦しい。
マイナスな感情が、気持ちが、次々と溢れてくる。誰かに助けて欲しい。そう、誰か。
真っ先に頭に浮かぶ彼に縋りたくなって、でもそれは駄目だと俺自身がその選択を否定する。
まろは今会社に行っているのだ。折角の休日に急遽呼び出され、頑張っている。疲れているだろう、もし用事が済んだのならば少しでも長く休みたいだろう。そんな彼の時間を割いてもらうなんてこと、俺には出来ない。
じゃあ、どうする?このまま一人で苦しんで、風邪は治るのか?俺は、いつまでこのままなの?
体と共に心まで弱ってしまっているのか、じわりと視界が滲んだ。漠然とした不安と、数分後すら見えない自分の姿に、暗闇に突き落とされたかの様な感覚に陥る。
会いたい。このわがままが許されるのなら、彼に。・・・まろに会いたい。
悠佑
ぽつりと彼の名を呼んだ声は潤んでいた。会いたい。でも言えない。
悠佑
その時、部屋の中に響き渡った着信音。
一瞬まろかと思われたその電話の主。画面に表示されている名前は、見慣れたものだった。
電話に出て耳にスマホを当てる。これだけの動作でもなんだか怠かった。
はい、という言葉は掠れてしまった。きっと聞こえていないだろう。
初兎
悠佑
久しぶりに聞き慣れた声を聞き、大きな安心感を感じる。なんだかまた涙が溢れてしまった。今日は泣いてばかりだ。
それはそうと初兎の質問に答えなくてはと思ったものの、言葉が出て来なかった。声を出したら泣いてしまいそうだった。いや、もう泣いているのだけど。
初兎
悠佑
口を開けては閉じてを繰り返す。迷惑をかけるのは重々承知で、それでももう、一人でこの不安に耐えきれなくて。
悠佑
自分のものとは思えないか細い声だった。電話の向こうの初兎は聞き取ってくれたのか、何処か戸惑いの籠った息が聞こえた。
悠佑
伸ばせないこの手を、どうか掬い上げて。
額にひんやりとした感覚を感じ、次第に意識が浮上していく。
悠佑
初兎
悠佑
初兎
初兎
初兎の言葉を聞いて思い出した。俺は初兎に助けを求めた後、そのまま意識を失ったのだ。助けてなんて言葉の後、何も言わなくなるなんてそりゃ初兎も焦っただろう。
悠佑
初兎
悠佑
視線を逸らしながらそう答えると、飛んでくる溜息。
初兎
初兎
悠佑
初兎
初兎は何やら納得した素振りを見せ、また溜息を吐き出した。
初兎
悠佑
図星だった。何も言えず黙り込む俺に、初兎は口を開いた。
初兎
悠佑
初兎
俺の手を握るその手が小さく震えていて、心配をかけた罪悪感に襲われる。
悠佑
初兎
少し和らいだ表情で頭を撫でてくる初兎に安堵する。優しい手だった。
初兎
悠佑
初兎
にっと笑う初兎の笑顔に、俺も小さく口角を上げた。体の怠さが少しマシになった気がした。
ぼんやりとした意識の中で、誰かの手の温もりを感じる。
薄らと目を開ける。ぼやけていて見えなかったが、誰かが俺の顔を覗き込むようにして立っていた。
悠佑
俺の額に当てられたその手を掴み、小さく握った。
眠気が強くてまたすぐ眠ってしまいそうだが、体はさっきよりもかなり楽な気がしている。初兎はずっとここに居てくれたんだろうか。
急に呼び出してしまったのに優しく看病してくれている彼には感謝が尽きない。微睡の中で、俺はへにゃりと微笑んだ。
悠佑
返事も聞かず、俺はまた眠りへと落ちた。
次に目が覚めた時、体の怠さは殆ど感じられなくなっていた。
いつの間にか一晩経ったのか、眠る前は暗かった筈の部屋の中が少し明るかった。カーテンの隙間から光が漏れている。
悠佑
段々と体の感覚を取り戻すと、手を握られている感覚があった。繋がれた右手をゆっくり辿っていくと、
悠佑
If
悠佑
ベッド横の椅子に座っていたのは、初兎ではなかった。居るなんて思ってもいなかった彼の姿に、目を丸くして固まった。
悠佑
そこでハッとする。眠る前に立っていたのは、もしかして初兎ではなくてまろなのか?
じゃあ俺は、まろに向かって初兎の名前を呼んで、その手を掴んで。
If
悠佑
If
くしゃりと、まろの顔が歪む。
If
悠佑
まろの悲痛な表情と声に、思わず言葉を失った。
迷惑をかけたくなかった。嫌われたくなかった。でもそれが、まろを傷付けた?
悠佑
If
滲む視界。目から溢れた涙が、頬を滑り落ちる。
悠佑
悠佑
何をしても空回り。そんな自分が嫌になる。
ゴシゴシと涙を強引に拭う。止まらない涙が嫌になる。これだって、迷惑でしかないのに。
悠佑
If
俺の手を掴んだまろの視線に射抜かれる。きっと涙で濡れた、だらしない顔をしてるだろう。
If
悠佑
If
If
好きだから、大切だから、支えたい。
まろの真っ直ぐな想いが込められた素直な言葉に、ぶわっと涙が溢れる。
悠佑
If
悠佑
様々な感情が、気持ちが浮かんできて。でも、どれも上手く言葉にならなくて。
この愛しい幸せな気持ちが、感謝の気持ちがどうか、少しでも伝わっていますように。
If
ああ、心配なんていらないみたいだ。
その表情が見れたなら、その目で見つめてもらえたら。もう何も怖いことなんてないね。
「「愛してる」」
繋がっている手の温もりが、酷く心地よかった。
コメント
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月見さんは何回私たちを泣かせるんですか…?泣かせるのはアニキだけにしといてくださいよ~…(´;ω;`)
ぴぎぁぁぁっ?!(( ゚∀゚):∵グハッ!!)すみません感想10000000000文字行ける