理生
ただいま
光奈
………
俺の彼女は塩対応だ。
帰って来てもおかえりすら言わないし、誕生日だって祝ってくれない。
理生
ご飯、食べに行かないか?
光奈
…………
何を言っても喋らない。
理生
…やっぱり今日は寝よう
光奈
………
明日になったら突然口を開くかもしれない。
それを信じて、眠りについた。
朝
理生
…おはよう
光奈
………
…喋らなかった。
理生
…もう
理生
仕事行くから
俺の事を見ず、何処か遠い所を目を見開きながら見ている彼女を置いて、仕事へ向かった。
仕事帰り、家のマンションに人溜まりが出来ていた。
理生
どうしたんです?
通行人
このマンションから異臭がしててさ、どこかと思ったら503号室ってとこで
そこは俺の部屋だった。
理生
異臭、ですか?
通行人
あぁ、魚とかそういうのが腐った臭いで、あと血腥かったな
血?
そう言えば、光奈
いつの間にか、真っ白な服買ってたな。
それに血の匂い…
通行人
誰の部屋か分かるのか?
理生
あぁ…
理生
俺の部屋です
通行人
…はぁ?
理生
彼女の様子がおかしくって、何も喋らないのに、いつの間にか新しい服買ってて
理生
男でも作ったのかな、なんて思って
理生
彼女の真っ白な服を
理生
血の色で染めました。