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藤澤涼架side.
途中で元貴にトマトパスタを貰ったり
僕のきのこパスタをあげたりしていると
すぐに時間が過ぎ、僕たちはカフェを後にした
元貴の案内で若井さんの家に向かう
元貴の案内はスムーズで、行き慣れている気がした
ピーンポーン、とある家の前で元貴がチャイムを押す
中からドタバタを言う足音が聞こえてくる
そして、ドアが勢いよく開いた
wki.
元貴は笑いながら小指を立てて顎に二回当てた
若井さんはそれを見てまた笑う
どうやらこの二人は手話がわかるらしい
wki.
病み上がりとは思えないほど元気な声で若井さんがこっちを向く
『藤澤さん、一回話して見たかったんだよねぇ』 『髪の毛もお化粧も洋服も全部ふわふわしてて』
若井さんの心の声
悪くは思われてなさそう
fjsw.
wki.
fjsw.
『涼ちゃん帰っちゃ駄目でしょ!』
元貴の心の声が聞こえてくる
でも、二人の間を邪魔するなら帰るしかない
wki.
若井さんは僕に頭を下げた
その様子に元貴が笑う
でも。ちょっと失敗したかもしれない
元貴の友達なら悪い人なわけないのに
でも、どうしても
人を信用できなくなったんだよね
髪の毛のことも、服のこともどれだけ口先で褒められたかわからない
でもそれ以上に 心の中で
『気持ち悪い』って思われていたか、数え切れない
いつしか僕は人の言葉を信じれなくなった
初対面の人にも 気さくに話しかけてくれた同級生にも 良くしてくれる先輩にも 心から誉めてくれた先生にも。
上部だけのよそ行きの笑顔で接するだけ
そりゃ、友達もできないに決まっている
小さい頃は、この力は長所だって思えてた
だけど今は、いらない。欲しくない能力だ
wki.
fjsw.
wki.
若井さんの笑い声が部屋に響く
僕は今若井さんの部屋でクッションに座っている
隣には元貴がいて、オレンジジュースを飲んでいる
気まずいことこの上ない
僕はお喋りが得意な方ではないし
明るい性格でもない
『気まず…』 『おい、元貴!なんとかしろよ!』 『いやオレンジジュースおかわりじゃなくて!』 『あげるけど、あげるけどなんとかして!』
『若井の家のオレンジジュース美味し…』 『若井全然喋んないな…緊張してるのかな』 『こういう余裕ない若井見るの初めて…新鮮!』
頭の中に二人の心の声が響く
すると元貴は手話で何かを若井に話し始めた
僕はその二人を黙って見ながらオレンジジュースを一口飲む
…美味しい
wki.
すると急に静かな部屋に若井さんの声が響いた
…この人本当に病み上がりなのだろうか
wki.
fjsw.
wki.
元貴の方を見るとオレンジジュースを飲みながら上目遣いでこっちを見ている
別にいいけどね、いいけどさ…
この能力、はっきり言ってかなり気持ち悪い
人が何考えてるかわかるってこと。
それを若井さんが信じてくれない可能性だってまだ残ってるし
頭がおかしい奴って思われても仕方ない
fjsw.
wki.
fjsw.
wki.
若井さんが興奮した様子で立ち上がる
その姿を見ながら元貴がまた若井に話しかける
wki.
wki.
『ねえ涼ちゃん、この人エロいこと考えてた?』
wki.
fjsw.
wki.
若井さんは座り直してオレンジジュースを飲み干した
こんにちは
だいぶ誰が何を言ってるのかとかわかんなくなってきてる
『』 心の声 「」 ただの強調の時 “” 大森さんの手話
という感じで使い分けてます。 ””は使ったことないけど
分かりにくかった作品ですが ♡と💬よろしくお願いします ほんと毎回励みになってます。
それではまた
コメント
7件
エロいこと考えてたのはウチです。なんかもう3人とも可愛い
今更新されてる物語の中で1番好き! 全部好きだけど この物語を楽しみに待ってる!!