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「神妙童子」第2話目
生死系が苦手な方はスルーしてください
翔太
翔太が指さすその先には何やら灰色の物体があった。
美智
その灰色の物体は、かけていてよく分からなかったがお地蔵さんで間違いなかった。
首元にかかる昔は赤だったであろう前掛けが「地蔵」を表していた。
翔太
美智
明らかに山の斜面に板をつけ地蔵を立てたような位置にあるため、2人とも「滑落事故」を想像してしまっていた。
美智
翔太
美智
翔太
美智
翔太
全くその通りだった。滑落事故と思ったのはあくまで斜面にあるから。ここを通ったり上から落石なんてこと見たことがない。
美智
翔太
明らかに美智と顔は青白くなっていた。何かを恐れてるかのように。
美智
翔太
翔太
美智
翔太
美智
シシッ…カーーーーシシッ…トットットットッ…ジジジジジ
2人は音に気づいた。森にいや、明らかに2人に付きまとうようになっている。
正確に言えば…気づかなかった。
カットットットゥシーーーー
翔太
美智
ジジジジジジジ…シシッ…
2人にはそれが「笑い声」に聞こえた。不敵な笑みを浮かべるなにかの顔が脳裏をよぎる。
翔太
美智
ガガガガガガガガ
美智
翔太
突然大きく鳴り響いたその音は明らかに「人の喉」からなる音だった。もはや2人にはそれにしか聞こえない
2人は走った。来た道を走った。…つもりだった。
翔太
美智
翔太
美智
2人は辺りを見回す。あれだけ走れば森は確実に抜ける。そう考えていたから。
しかし見渡す限りの「緑-あお-」
2人は混沌とし、今まで気づかなかったものに目がいく。
翔太
美智
2人は遠くにある鳥居を見つけた。しかし初めに見た時とは違う。
裏側
だった。
美智
翔太
シャラン
そう音が鳴った。初詣でよく聞く音を短くしたような。そんなわかりやすい音だった。
翔太
美智
2人が音のする方を見ると、そこには古びた「神社」が堂々とたたずんでいた。古びた割には綺麗なそれは、時たまに、「シャラン」と音を鳴らす。
翔太
美智
翔太
美智
翔太
何故か翔太の言葉には説得力と安心感がある。
それを美智はひしひし感じていた。
翔太はやはり何か精通するものがあるのではないか。
翔太
美智
翔太
2人はゆっくり。心として太陽の光も遮るほどの生い茂った木々の中、なり続ける鈴の元へ1歩。そしてまた1歩と近づく。
美智
翔太
シャラン
目の前で鈴がなる。まるであいさつでもするように。
美智
翔太
美智
美智いわく、御神体への奉納の時そうするらしい。また、その儀式は挨拶とおなじ。そう教わった…と
シャッ
2人で握った太いしめ縄がピンとはり、なり続けてた鈴が音を停めた。
シャラン シャラン シャラン
美智
翔太
ご奉納の時期はこっちに居ない翔太は何も分からず、ただ美智の真似をするだけだった。
美智
翔太
美智
美智
翔太
翔太は今度は指は刺さなかった。まるでタブーとでも言うように、目で訴えていた。
目線の先は神社の襖。壊れて少し傾き、真ん中が少し隙間になっている。中は暗く何も見えない…が
美智
翔太
2人の背中に「ザワっ」と悪寒が走る。
美智
???
そいつは音を出してた。わずかだが口元が動き、そこから先程からなり続けてた音が鳴っている。
美智
翔太
???
美智
美智が話しかけた。「神様」でも「妖怪」でもなく、1人の「子供」に言うように
???
ボソボソと声を出す。その声は明らかに2人よりも年下の男の子の声だった。
翔太
2人ともわかっていた。見た目は幼い子供であろうがなんだろうが、「神」であるということを
翔太
美智
???
翔太
???
暗闇の中からみえる目と僅かな口。それらが少し「にやっ」とした気がした。
翔太
美智
ガッッッ
鈍い音を立てて襖が一気に開いた。
2人は立ち尽くす…中から暖かな空気が立ち込め、当たりを包んだ。
???
美智
姿を現したその体は。あまりにも「可愛らしい」としか言いようのないものだった。
背丈は賽銭箱ほどで、目はクリっとしたつり目。大きな和服に首には木箱のようなものや勾玉を下げていた。
美智
物吸童子
翔太
物吸童子
童子は怪訝な顔する。まるで「魂を吸うのはもののけの方だ。」というのを訴えるように。
翔太
ふと翔太が話しかけた。
美智
翔太
美智
言葉を遮ってやけに通った声で否定が入った。
物吸童子
2人
物吸童子
美智
翔太
物吸童子
物吸童子
翔太
美智
しばらくの無音が響いた。2人は遠くにある鳥居を見て耳を澄ます。
ゔゔゔ…
明らかに獣の声がした。
物吸童子
美智
物吸童子
翔太
物吸童子
物吸童子がぽんぽんと自分の体を叩く。まるで人のようだった。
物吸童子
翔太
美智
物吸童子
2人
童子の話ではこうだ。「死のみち街道」とは名の通り、死者そして、生霊や神様が通る別世界のことで、モノノ怪や化け物、悪神や鬼などが通れない道らしい。
物吸童子
美智
翔太
物吸童子
美智
翔太
物吸童子
翔太
物吸童子
美智
翔太
美智の感じたことは間違っていなかった。翔太は間違いなく、神の子だったのだ。
美智
物吸童子
美智
翔太
物吸童子
小さな体でまるで殿のように咳払いをして説明を始めた。
物吸童子
翔太
場にまた寒気が戻ってきた。もののけ避けのために入った道で食われては元も子もない。
ザワっ
その音とともに童子が口を開く。
物吸童子
美智
物吸童子
嫌なものを見るような目に2人がなった。たしかに今「糞」を食うと聞こえた。
物吸童子
美智
翔太
物吸童子
翔太
美智
2人に希望が見えてきた。元世界に戻れる。それに確率がある。
物吸童子
物吸童子
美智
翔太
美智は急にしゃがみこみ、涙を流した。
美智
翔太
物吸童子
美智
美智
次回へ続く