TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

波紅〇〇

うぅ……泣

共同墓地で蹲り、溢れる涙を拭う事もなく ただただ哀しみに打ちひしがれる。

黒基調の服と腰に隠された銃は ポートマフィアに所属する事を示す。

波紅〇〇

(また死んでしまった)

波紅〇〇

(私の所為で…私が好きになった所為で…)

此の墓地には私が嘗て愛した男性"達"が眠っていた。

私は好いた相手が必ず死ぬ詛いに罹っていた。

太宰治

君、大丈夫かい?

と、突然背後から声がし、振り向く。 其処には一人の青年が立っていた。

黒い外套に片目は包帯で覆われている。 黒社会で最も恐れられる男。

波紅〇〇

?、何方ですか?

そんな男だと知らず私は見上げる。

外套が汚れる事も気にせずに、目線を合わせるように屈む其の人。

太宰治

太宰治だ

青年…太宰さんは私の涙に濡れた頬をハンカチで拭ってくれた。

波紅〇〇

太宰って…太宰幹部ですか!

太宰治

そ。敬語外してくれて良いよ

太宰治

君の方が年上だし

波紅〇〇

そう云う訳には…!

波紅〇〇

あ、外套汚れてしまいます!すみません

私は地面に着く外套の裾を見て顔を青くする。

直ぐに太宰さんと一緒に立ち上がって、 「失礼します」と裾の土を払った。

幹部様の外套が汚れる事を恐れて 涙はすっかり引っ込んでいた。

太宰治

やっぱり君は優しいね

波紅〇〇

やっぱり、?

太宰治

否、何でもないよ

太宰治

其れより君はこんな処で泣いて…

太宰治

亡くなった恋人を慈しみに?

波紅〇〇

!、何故其れを…

太宰治

君の事は凡そ知っているよ

波紅〇〇

太宰治

じゃあ私は此の辺で

太宰治

またね

波紅〇〇

は、はい

波紅〇〇

ありがとうございました、!

波紅〇〇

(太宰幹部、怖いイメェジだったけど優しかったな)

私は太宰さんの姿が見えなくなるまで頭を下げて見送った。

此の時の私は未だ知らない。

彼と二度と戻れなくなるような恋をする事も、 私も元彼達も彼の掌の上だった事も。

君 し か 要 ら な い

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

470

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚