Chocola

＿2月14日

俺は何時もと同じようにポートマフィアへ行った

が、

今日は何故だか仕事が少なく早く帰ってこれた

少し不思議で此の儘帰っていいものかと不安気だったが

潔く帰ることにした

＿ガチャッ

ドアを開けるなり先に帰っていた太宰がスキップして迎えて来る

満面の笑みで背景に花が咲いているようだ

何だ何だ、気味が悪いな…

何か話したそうな太宰を置いて 俺は先に私服に着替えることにした＿

俺はソファに坐ってキッチンに居る太宰へ話し掛ける

随分とご機嫌な太宰に頭の中は ｢?｣でいっぱいだ

キッチンから出てきたと思えば 後ろに何かを持って俺の前に立つ

今思い出したけど

そうして後ろに持っていたものを俺に渡す

にこにこの笑顔で見詰める太宰

…爆弾でも入れてないよな

恐る恐る開けてみると…

バレンタインと云えば…そうか、チョコか…

だが良く見れと、 歪な形や固まりきってないものがあった

若しかして…

あの料理下手な此奴が…こんなもの作れるとは……

そう嬉しそうに云う太宰は本当に可愛かった

1つ丸形のチョコを選んで口に放り込む

チョコってこんな甘かったか…

何時も良く食べない味に慣れない舌を働かす

チョコの甘さと、もう一つ違う甘さがあるような……

其れを早く云えよ…！！

嗚呼…此奴がずっとにこにこ笑顔なのも漸く判った…

チョコのように甘い声で訊いてくる

媚薬で頬を赤く染める俺を前に 口が止まらない太宰の腕を引っ張る

腰に手を回して逃げられないように施す

然して食べきっていなかったチョコを太宰へと口移しした

中々飲み込もうとしないので チョコ諸共甘いキスで溶かし尽くす

飲み込んだのを確認し、ゆっくり太宰から離れた

太宰に近付いて壁まで追いやる

逃げ場が無い太宰は目を泳がせて戸惑っているようだ

チョコを食べた所為か、 媚薬が回りやすい此奴は既に顔が赤らんでいた

そう云って太宰をひょいと姫抱きする

姫抱きされたのが自分で気に食わなかったのか突然暴れ出した

いや、何時も手前される側じゃん…

寝室に着くなり太宰をベッドに下ろして跨る

♢

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