ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ…
五条悟
僕は、腕を伸ばして鳴り出した目覚まし時計を止め、ごそごそと起き上がった。
五条悟
あれ…何だか身体が重怠い。 首筋に手をやれば、普段よりも体温が高い気がした。
風邪でも引いたかな?
昨日は風呂から出てすぐに髪乾かしたし、布団ちゃんと被って寝たけど。
五条悟
そんなことを考えていれば、ツキリと頭に走る痛み。うわ…、ちょっとの不調でも、自覚してしまえばあっという間だ。さらに怠くなったような気がする。
五条悟
怠いな。 ため息をつきながら、天を仰ぐ。 微熱と頭痛と倦怠感か。
ん~…まあどれも軽いかな。今日は体術の実習もあるけど…これくらいなら放っといてもそのうち治りそうだし、大丈夫かなぁ…。
そう思い、この不調には目を瞑ることにした。ちょっと疲れてんのかな?僕。
最強が、体調管理くらいできなきゃ 野薔薇や恵、悠二に笑われてしまう。
ぐっと伸びをひとつすると、重たくて動きにくい身体を無視してベッドからするりと下り、いつも通り支度を始めた。
五条悟
五条悟
僕の言葉に、はーい、と悠二達が、揃って返事をして、実習が一旦終わった。
僕は、すぐさま、くるりと皆に背を向けて、両手で頭をくしゃりと押さえる。
五条悟
途中から頭痛が酷くなってしまった。 ガンガンする。いたい。 身体もくたくたに疲れていて、もう1歩だって動くのが億劫だ。
朝は気にならない程度だった不調が、運動をしたせいか明らかに悪化している。
虎杖悠仁
伏黒恵
悠二と恵は、ペットボトルとタオルを手に、何やら体術の話で盛り上がっているようだ。 野薔薇は、木陰で休んでる。
…大丈夫。僕が、 体調不良だってことは気づかれてない。
まだ、実習はあるから帰れないけど…んーまあ、ちょっと休めば治るよね?
五条悟
左手でサングラスを乱暴に取って、もう片方の手でぐりぐりと眉間を押さえる。動かない身体に鞭打って、僕はのろのろと石段の方へと向かった。
中途半端にひと休みしてしまったのが良くなかったらしい。
僕は、石段の上の木陰があるとこに座り込んで、それきり動けずにいた。
あたま痛いし、てっぺんから足の指の先まで、全身が重くて怠い。まるで血液が鉛に置き換わってしまったかのようだ。座っているのに、ずるずると沈んでいきそうな感じがする。
それに、全身が火照っているみたいに熱い。 熱上がっちゃったかぁ…はー、辛い。
五条悟
いたい。だるい。しんどい。 こんなワードばかりが、意味も無くぐるぐると脳内を巡る。
為す術もなく、膝を立てて顔をうずめたまま、時間ばかりが過ぎていく。
虎杖悠仁
五条悟
…聞こえてきた声に、少し頭を上げた。日の光が眩しい。 運動場の真ん中から悠二が呼んでいる。 もう時間か…
重たい腕を、やっとのことでのろのろと動かして、横に置いておいたサングラスをつけた。怠いの全然治んねぇな…でも行かなきゃ…
五条悟
返事をしようとしたが、重くて顔が上げられない。マジで怠いし、頭痛い. 身体中がジンジンするというか、グラグラするというか…ものすごい不快感
とりあえず立ち上がろうと、立てていた膝をそろりとほどき、右腕を身体の横にやってつっぱるも、力が入らない。
五条悟
…動けない…
虎杖悠仁
動きが止まったままの僕が、不審に思ったのだろう。サクサクと足音を立てて、悠二が近づいてくるのが分かった。
虎杖悠仁
五条悟
ぐったりとして、名前を呼んでも身動きしない僕のいつもとは明らかに違う様子に焦りを感じる。
虎杖悠仁
虎杖悠仁
熱があるの…しかもかなり上がっているようだ。
五条先生は、綺麗な顔を歪め、左手で胸の辺りをくしゃりと掴んで、はぁはぁと苦しげに肩で息をしている。
かろうじて起こしている身体も、今にも倒れそうすぐに支えてやらなければ。
悠二は、急いで石段を駆け上がった。
虎杖悠仁
五条先生が、少しだけ顔を上げる。 ほんのちょっとの動作でさえしんどそうだ。
五条悟
虎杖悠仁
虎杖悠仁
言いながら、五条先生に近づいていく。 かがんで手を伸ばし、五条先生の肩を掴もうとした…そのときだった。
…バチンッ!
五条悟
虎杖悠仁
赤い光が煌めき、俺の手は大きく弾かれた。ビリビリと腕が痺れる。
これは…まさか…!
五条悟
五条悟
虎杖悠仁
五条悟
五条悟
五条先生が、片手で乱暴にぐしゃりと髪を掴む。
五条悟
五条悟
五条悟
五条先生は、ふらりと立ち上がり、ずるずると身体を引きずって、俺から距離を取ろうとする。
支えきれていない身体が傾き、サングラスがカシャンッと乾いた音を立てて落ちた。
駄目、五条先生は今にも倒れそうだ。 何これ!呪力が暴走して…
伏黒恵
伏黒恵
伏黒恵
五条悟
五条悟
相当辛いのか、透き通った空色の瞳から涙がぽろぽろとこぼれ落ちる。
明らかに負荷が掛かり過ぎだ。
如何したら…。どんな危険があるか分からない以上、これでは近づけないし何もできない。
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条先生の身体がグラリと傾く。
虎杖悠仁
ドサッ…! ふっ…と赤い光が霧散する。
俺と伏黒は、とうとう意識を失って倒れた五条先生に駆け寄り、急いで身体を抱き上げた。
途中で、明らかな異変に気がついた野薔薇も駆け寄ってきた。
釘崎野薔薇
虎杖悠仁
虎杖悠仁
釘崎野薔薇
焦りを含んだ声で短く返事をして、野薔薇が校舎に向かって走っていった。
五条先生を医務室に運び込んで、1時間ほどが経った頃…ぱちり、と空色の瞳を覗かせて、五条先生が目を覚ました。
虎杖悠仁
虎杖悠仁
五条悟
五条悟
伏黒恵
伏黒恵
五条悟
五条先生がぐにゃりと顔を歪め、頭を押さえる。
虎杖悠仁
五条悟
家入硝子
五条悟
家入硝子
家入硝子
家入硝子
家入硝子
家入硝子
家入硝子
少し眠ったとはいえ、五条先生はまだしんどそうだ。
虎杖悠仁
虎杖悠仁
五条悟
五条悟
五条悟
その返事に、恵、悠二、野薔薇は目を見開く。
伏黒恵
伏黒恵
虎杖悠仁
虎杖悠仁
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
五条悟
五条悟
五条先生が照れたように、ふわりとはにかむ
虎杖悠仁
虎杖悠仁
俺もつられて微笑んだ。 でも、笑ってはいても五条先生は、やはり本調子ではないようで、眉間にしわを寄せて何かに耐えるようにぎゅっと目を瞑った。両手も、くしゃりと掛け布団を握っている。
虎杖悠仁
今の五条先生は、術の暴走で呪力も体力もほとんど底を尽きている。
まだ休ませてやらなければ。
虎杖悠仁
虎杖悠仁
虎杖悠仁
ぽんぽんっと五条先生の頭を撫で、くるりと背を向ける。
扉に向かって歩き出そうとしたら、申し訳なさげに、くいと服の裾を引かれた。
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
五条先生の方に向き直り、不安げに裾を引いた右手をそっと包みこめば、それは少し震えていて。 うつむきかげんに髪に隠れた顔は強張り、目にはかすかに怯えが浮かんでいた。
その様子に悠二はハッとして、迷わずするりと五条の横に跪く。
虎杖悠仁
虎杖悠仁
虎杖悠仁
五条悟
既に疲れて眠かったのだろう。 少し頭を撫でていてやると、すぐにすぅすぅと寝息を立てて眠ってしまった。
伏黒恵
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
虎杖悠仁
…そのあどけない顔に、心が締めつけられる。最強なんてお面を被っていない五条先生の、年相応の顔。
幼い頃から、強く、誰にも頼らずにいなければならなかった五条先生の心の拠り所に、少しでもなれたらいいなと思う。
カタカタと椅子を引き寄せ、五条先生の手を握ったまま、ゆっくりと腰掛けた。
まずは…食事か。五条先生は体力が削られてしまっているから、何か身体に刺激を与えないようなものを作ってあげなければ…
そんなことを考えている内に俺もうとうととし始め、次第に眠りへと落ちていった。
コメント
13件
イイネ♥️押させて頂きました。 次回も、楽しみに待っています☆ 花音様に、お願いがあるのですが… リクエスト作品もみたいのですが、 また、参加型の方も是非、 お願いします🙇♀️この前は、参加出来なかったので参加したかったのと、花音様の物語が、凄く好きなので読みたいです。 宜しければ、宜しくお願いします☺️ 無理を承知で頼んでいるので、無理でしたら諦めます…、、、御検討お願いします🙏
こんばんは〜 ご無沙汰しております〜 イイネ👍押させて頂きました! 物語が、良すぎてブックマーク🔖 させて頂きました♪ 次回も楽しみにしています⭐︎ えっと、リクエストしたいのですが 良いですか?? 伏黒恵と虎杖悠仁の絡みがみたいです! 体調不良編でも、なんでも良いので宜しくお願い致します🙇♀️
皆様、コメントお早いですね。 私も、たった今更新が来ていたので、 読ませて頂きました。 優しい生徒さん達で、五条先生 本当に良かったですね! 次回も楽しみに待ってますー🌸