絶対に振り向くまで追いかけ続けられる俺が命の危機を感じるため絶対に振り向きたくない話

あれから数日

猫宮いふはあれきり追ってこなくなった

追ってこなくなったおかげでいつも通りのごくごく平凡で平和な日常に戻った

幸いに先生にお叱りを受けたあとのことは 偶然誰も見ていなくその後も女子に恨まれることもまったくなかった

こいつは俺の数少ない友達 またの名を『陰キャ同盟』

に所属している初兎 (普通に友だちです)

陰キャとして永遠を誓おうという同盟に入った仲間だ

なに？もし裏切ったら？

そんなん裏切ったらもう…… ね？

切腹だぞ切腹

酷くね！？俺たち一応友達だよね！？

あっ友達だから言い合えるんか(自己解決)

キャーーーーーーーー！！！！！！

いふ様よぉーーーー！！！！！！

ニコニコしながら軽く手を振るあいつ

この前のことがあってからあいつになにを思われているのかわからない

だからこそより恐ろしい

目つけられてないかな

怒らせてないかな

やばいやばいやばいやばいやばい！！！

目があってしまった今そらしてももう遅いし嫌でも死にたくないし逃げるにもドアのところにいるから逃げられないしあぁぁぁあぁぁあぁ終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わ

目と目があったらポケ○ン勝負ってか！？

ふざけんな！！誰だよそんなの考えたやつ表出ろや！！！！

いやぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！！！！ こっちきてるぅぅぅぅぅ！！！

ガバッ

うわぁぁぁぁぁぁぁあうわうわうわうわうわうわうわうぁぁぁぁぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁぁぁぁうわうわうわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁうわぁぁぁぁぁぁ

ナイスしょうちゃん！！！！

えっしょうちゃんマジ神！！！！ほんと神！！！！大好き！！ 後で昼奢るね！！！！

えぇぇぇ！？！？！？ いふ様がぁぁぁ！？！？！？

どんどん女子たちに囲まれていく……… 恐るべし女子………

届いてんのかわかんないくらいの声でボソボソ謝るしょうちゃん

今回はめちゃくちゃ助かったまじありかとう

お昼絶対奢るから。高いやつ買ってもいいよ

それからしばらく経ってお昼休みになりました

※購買だと思ってください

しょうちゃんとベラベラ喋りながら自分たちの教室に戻る

階段を登り自分たちの教室が見えてきたとき

俺の足は自然と動かなくなってしまった

恐る恐る見えた方向に指をさす

しょうちゃんも気づいたのか目を見開いて固まった

お互いを見つめ合って 同じタイミングで口をひらきこう言った

屋上行こ！！！

しょうちゃんと声を揃えて全力で階段を登っていった

屋上の隅の方にふたりで並んで座り込み息を整える

落ち着いたところでお昼を食べようを両手を見る

後で教室に戻って教室で食べる予定だったから手元にお弁当がなかった

あいにくしょうちゃんに財布を空にさせられたためなにか買えるようなお金は残っていない

………しょうちゃんのお昼の分を少し分けてもらうとかできたんじゃないかと思いつつも友達の善意を踏みにじるわけにもいかないのであえて何も言わなかった

だってあんなに優しい子なんだもん

ガチャ

帰ってくるには早すぎないか？屋上から出て言ってまだ数分しか経っていない

まぁ…しょうちゃんのあの体力ならワンチャン……

いや無理だろ！！！

どんだけでかいと思ってんだこの校舎 中高一貫校だぞここ

この数分で帰ってこれたしょうちゃんがちょっとキモいわ

高身長でスタイルのいいシルエット

ドアの隙間から見えたあの青髪

しょうちゃんじゃない

猫宮いふだ

え、待って待って待って待って！？！？！？！？

無言+真顔でこっちに近づいてくんるだけど！？！？

怖い怖い怖い怖い怖い

どんだけイケメンだろうがこんな真顔で無言で近づかれたら恐怖しか感じられないんですけど…！！！！！

ガシャン…！

フェンスに手をついて俺に顔を近づけてくるいふ

も、もしやこれ……

壁ドンでは…！？！？！？

でもドキドキしねぇ…！！！ 恐怖心からのドキドキはするけども…！

しょうちゃん早く助けに来て…！

ぽんぽん

頭を優しく撫でられた

こっわっこっっっっわ！！！！！

イケメンってすぐ簡単にこういうことをしちゃう生き物なんだ……

怖すぎる……

あ、やだ続き聞きたくない 絶対に聞きたくない

ですよねーーー

めちゃくちゃいやだぁぁぁぁぁ

てかしょうちゃん早く帰ってこいよ いつまで待たせんねん

ガチャ

フリーズしてる…… 早く助けてくれ…！！！

わかった！？わかったのか！？ わかったなら早く助けてくれ…！！！！！

こいつらには何を言ってもだめだと確信した一日でした