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悲しい… ゆあんくん…戻ってきてよぉ… 泣きそうになった…
初コメ失礼します 涙で溺れそうです助けてくださいw 最高すぎます
泣けたんやけど?🥹🥹
えと
ゆあん
るな
ゆあん母
⚠️ゆあえとです 地雷の人は回れ右です
ゆあん
ゆあん
大好きな彼がそう切り出したのは
少し早い桜が咲く裏庭だった。
えと
えと
ゆあん
えと
ゆあん
それだけを言うと
ゆあんは私に背を向けて走って行ってしまった。
えと
手を伸ばした私の視界には、
見慣れた白い天井があった。
えと
そこにはもうあの桜も、
そして彼の背中もなかった。
それもそのはずだ。
だって、
あれは
3年も前のことなんだから...。
えと
女々しい自分に辟易しながら、
ハンガーにかけてあった制服を手に取った。
るな
るな
えと
教室に入ると友人が声をかけてくれた。
るな
えと
るな
えと
そう言って笑う私に彼女、
るなは優しく微笑んでくれる。
るな
そうだね、と頷いてるなの後ろの席に私は腰を下ろした。
あの日からずっとそう思ってきた。
いつの日か、時間が経てば、そのうち...
でも、何年経っても夢の中でのあの日は鮮明で....
あの夢を見る度に、ゆあんと過ごした中学3年のあの1年を、
思い出してしまう....。
えと
あの時から二度と会うことのなかった、
かつての彼の姿を...
無意識に思い描いていた。
えと
放課後
るなに遊びに誘われたものの気分が乗らず、
まっすぐ家に帰ってきた
着替える気分にも宿題をする気分にもなれず、今は制服姿のままベッドの上に転がっている。
えと
もうずっと見ることのなかった夢。
そして、嫌っていうほど見続けた夢。
あの日の続きを探すように、
あの日言えなかった言葉を絞り出そうと何度も何度も夢見ては、
いつも同じように終わってしまった。
えと
そう思うのは何度目だろう。
そして何年目だろう。
忘れたいのに忘れられない。
____それはきっと、
自分の中で納得がいって終わった恋じゃなかったから....。
えと
〜🎶〜〜🎶🎶〜🎶〜〜🎶🎶
そう呟いた途端、
マナーモードを解除していたスマホが着信音を奏始めた。
通常の着信音とは違う、
たった1人にしか鳴るはずのないメロディーを。
えと
ディスプレイに表示されていたのは、
懐かしくてほろ苦くて、
ずっと....ずっと待ち焦がれていた人の名前だった。
ー 着信 : アカキ ユアン ー
えと
思わずベッドから立ち上がり、深呼吸をして通話ボタンを押す。
スマホを握る手と同じぐらい震えた声を
なんとか絞り出した。
でも、電話の向こうからは何も聞こえてこない。
えと
尋ねる私の声に被さるように、
電話からはくぐもった声が聞こえた。
聞き覚えのあるような、ないような。
少なくともゆあんではない女性の声だった。
えと
ゆあん母
えと
ゆあん母
_その女性は、固い声でそう言った。
えと
ゆあんのお母さんとの電話を切った後、
私はスマホを握りしめたまま呆然と立ち尽くしていた。
えと
数年ぶりに、
といっても当時だってそんなにたくさん話をしたわけしゃない。
ただ、
遊びに行くといつもニコニコと歓迎してくれた、
ゆあんによく似た笑顔のお母さんだった
"昨日、ゆあんが息を引き取りました"
そうゆあんのお母さんが告げた時、
言われている内容が理解出来なかった。
えと
頭の中かをたくさんのはてなマークが埋め尽くす。
ゆあん母
ゆあん母
ゆあんが、死んだ。
3年ぶりに来た連絡が、まさかこんな内容だなんて....
思いもよらなかった。
えと
なんで今更私に連絡が来るのか、
不思議に思うべきところはたくさんあった。
だけど、動揺した私はゆあんのお母さんに何も聞くことができず、
ただ言われるがままに返事をして電話を切った。
えと
何も考えられなかった
涙の1つも流れない。
ゆあんが死んだ
その言葉の意味を、理解することを頭が拒んでいた。
けれど、そんな私に追い打ちをかけるように次々とスマホに連絡が入る。
えと
どれもかつての、
そして今も仲良くしている友人からのもので.......
私を気遣う内容だった。
1人で行くのは心細いだろうと誘ってくれたるなと一緒に、3年ぶりにゆあんの家を訪れた。
懐かしい家
懐かしい空気
中学生の頃
ドキドキしながら遊びに来ていたゆあんの家は、
あの頃とは何も変わっていなかった。
神妙な空気に包まれていることと.....
いつも隣にいた、ゆあんがいないこと以外は。
ゆあん母
呆然と立ち尽くす私に、ゆあんのお母さんが声をかけてきた。
えと
喪服に身を包んだゆあんのお母さんは、3年前に会った時よりもずっとずっと老け込んで見えた。
ゆあん母
そのまま歩き始めたゆあんのお母さんをどうしたものかと思って焦っていると、
隣にいたるなが小さな声で言った。
るな
そっと頷くと、
私はるなを残してゆあんのお母さんについて行くことにした。
えと
ゆあん母
無言でしばらく歩いた後、
ゆあんのお母さんは見覚えのある部屋に入っていった。
__ゆあんの部屋だ。
あの頃の、何度も遊びに来ていたゆあんの部屋
あの日から、初めて足を踏み入れるゆあんの部屋
ゆあんの勉強机の椅子に座ると、ゆあんのお母さんは小さい声で話し始めた。
子供の頃からずっと、心臓を患っていたこと。
中学3年の三学期に病状が悪化し、高校へは行かず病院で闘病生活を送っていたこと。
そして___最後まで私の名前を呼び続けていたこと........。
私は知らない。
知らなかった。
ゆあん母
手渡されたものは1冊のノートだった。
古い装丁の、分厚いノート。
えと
背表紙の金文字で"Diary"と書いてある
ゆあん母
えと
私が持っていた方がって、どういう意味......?
ゆあん母
えと
ゆあん母
寂しそうに笑うゆあんのお母さんに、
私はなんて声をかけていいのか分からなかった。
受け取った日記帳を大事に抱え、小さく礼をしてるなの元へ戻った。
鼓動がいつもより大きく聞こえる。
走る必要なんかないのかもしれない。
でも......1秒でも早くるなの元に、
1人じゃない空間に戻りたかった。
るな
気が付くと目の前にはるなの姿があった。
えと
るな
えと
るなとともにゆあんの棺の方へと向かう。
棺の中には、あの頃よりも少しだけ大人びた雰囲気のゆあんがいた。
えと
抑えきれず涙が溢れる。
そうしてようやく理解する。
___あぁ、本当にゆあんは......死んだのだと。
えと
るな
隣でるなも泣いていた。
えと
顔を上げると_____
遺影の中で、
ゆあんが微笑んでいるのが見えた。