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主
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25,誘いの罠
朝日が障子を透かし、桃野屋の座敷を淡く照らす。
昨夜の宴の余韻を残したまま、五人はそれぞれの姿で目を覚ましていた。
桃李
らんは伸びをしながら欠伸を漏らす。
桃李
桃李
翠嵐
すちがそっと、障子の隙間から顔を出す。
その顔色はすっかり戻っており、儚げながらも以前の華を取り戻していた。
桃李
桃李
翠嵐
翠嵐
昼前、楼の玄関にひとりの使いが訪れた。
名は吉原でも大きな顔を持つ商人で、花街の後ろ盾を担う人物だという。
六人は顔を見合わせた。
紅鶴
なつが低く問い返す。
蒼霞
こさめが目を細める。
蒼霞
桃李
らんが肩をすくめ、帯を締め直した。
桃李
弥兵衛の屋敷は、吉原の外れにあった。
庭に案内されると、豪華な料理が並んでいた。
弥兵衛は太い声で笑い、手を広げる。
らんたちは戸惑いながらも席についた。
みことが目を輝かせる。
黈羽
黈羽
黈羽
茈月
いるまが呆れつつも、盃を手に取る。
紅鶴
なつが低く呟く。
紅鶴
宴は穏やかに進んだ。
酒を酌み交わし、食を楽しみ、笑い声も零れる。
桃李
らんは苦笑しながら盃を置いた。
桃李
茈月
いるまが笑みを深める。
茈月
茈月
その言葉に、皆が頷いた。
束の間でも、六人でいることが心強かった。
日が暮れ、弥兵衛の屋敷を辞す頃には、皆少し酔いの色を帯びていた。
桃李
らんがほころんだ顔で呟く。
黈羽
みことが辺りを見回す。
黈羽
蒼霞
こさめが険しい顔になる。
蒼霞
その言葉を遮るように、風が吹いた。
焦げたような匂いが鼻を掠める。
桃李
らんが振り返る。
夜空の向こう。
吉原の中心部から、黒々とした煙が立ち上っていた。
翠嵐
すちの顔色が蒼ざめる。
紅鶴
なつが扇を握りしめる。
黈羽
みことの声が震えた。
六人の脳裏に同じ楼の名が浮かんだ。
――桃野屋。
25・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡260
主
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