凑
なあなあ
凑
今暇?
野田
いきなりなんだよ
野田
暇だけどさ
凑
ちょっと話したいことがあってさ
野田
おう
凑
あれは1ヶ月ほど前…
野田
なんでサスペンス風なんだよ笑
凑
いいから聞けよ笑
凑
1ヶ月ほど前のことなんだけど…
1ヶ月前
凑
(今日も疲れた…)
凑
(課題は終わらないし、レポートも提出できてないし…)
凑
(やっぱ大学は大変だわ…)
凑
ん?
男の子
凑
(なんでこんな遅い時間に男の子が…?)
凑
(さすがに危ないよな)
凑
君、どうしたの?ママは?
男の子
男の子
あ、こんばんは!お兄さん!
男の子
ママはどっか行っちゃったの…
凑
そっか
凑
でもそんな所にいたら風邪ひいてしまうよ?
男の子
うん、でもね、僕最近引っ越してきたから、お家までまだ1人で帰れないんだ
凑
それは困ったね。
凑
そうだ!
凑
お兄さんの家に泊まっていく?
男の子
え、いいの?
凑
お母さんは明日探そう。今夜はもう遅いから、俺の家においで!
男の子
ありがとう!お兄さん!
ーーーーーーーーーーー
野田
そんで、連れて帰ってどうしたんだよ
野田
普通にお前がいい人だってことは分かってるから自慢しなくていいわ
凑
違うんだよ
凑
その後がちょっと不思議でさあ
凑家
男の子
お邪魔します
凑
なんもないけど、適当にくつろいじゃっていいからね
凑
先に君はお風呂だな
凑
君、名前は?
男の子
…僕?
男の子
僕の名前…わかんない
凑
え?
男の子
あのね、僕、何も覚えてないんだ
男の子
だから、お家も本当にここら辺とか、お母さんはどんな顔かも忘れちゃった…
凑
そんな…まあ、ヘコむなよ!俺は凑って言うんだ。
凑
君はじゃあ、…奏にしよう!
男の子
?僕はかなで、、?
凑
うん。俺の名前からとって奏!記憶がまた戻るまでは、奏だ!
男の子
ありがとう!お兄さん!!
ーーーーーーーーーーーーー
野田
名前覚えてないとかそれはやべーな
凑
そうなんだよ
凑
でさ、その日、一緒に隣で寝て、色んなことを話したんだけどさ
凑
男の子、すげー物知りなんだよ
野田
頭いい子だったんだな
凑
それで俺が話したいのは…朝隣を見たら、男の子がいなくなってて
野田
は?
凑
びっくりしてさ、急いで家の周り探したのにどこにもいなくって
凑
心配でさ、色々歩き回ってたらさ、奏が着てたパーカーが干してある家があって
凑
おもわずインターホンを押したんだよ
野田
男の子が帰ったかもしれないからな
凑
そう。そんでさ、出てきたのめっちゃ綺麗な女の人でさ、
凑
「何か用ですか?」
凑
て言うから、お子さんは帰ってきましたか?って聞いたらさ、途端に怒って
凑
「誰だか知らないですが帰ってください!!!!」
凑
て言うのよ
凑
だから俺、あのパーカーの子、帰ってきてないんですか?昨日まで俺の家にいたのに
凑
って言ったら女の人目を開いてさ、話を聞かせてくださいって言うのよ
野田
おう
凑
んで、昨日あったことを教えたらさ、女の人が泣き出して、俺はもうパニックだよ笑
野田
なんで泣いたんだよ
凑
実は…
ーーーーーーーーーーーーーー
女の人
実は、あの子、ここに引っ越してすぐ探検しに行くと言って、
女の人
家から飛び出して行ったのですが…その途中にある交差点で、信号無視の軽自動車に跳ねられて亡くなったんです…
女の人
あの日着てたのは、あの赤いパーカーで…すごく気に入ってたもんだから、今も取っておいて綺麗に洗っているんです…
凑
そうだったんですか…
凑
記憶が無いと言ってたんですが、跳ねられた衝撃で、記憶がなくなってしまったんですね…
女の人
まさか、幽霊になって出てきたなんて…
女の人
あの、良かったらあの子に線香をあげてくれませんか…?
凑
もちろんです。
凑
お邪魔します…
*
女の人
これが、湊の仏壇です
凑
え?みなと?
凑
僕と同じ名前です
女の人
奇遇なんですね…
凑
少し漢字は違うけど、ほんと偶然ですね…
女の人
とても頭のいい子でした…最期に、あの世に行く前にいい人に出会えて良かったね、湊…
ーーーーーーーーーーーーー
野田
悲しすぎる
凑
俺も本気で泣いたよ
凑
それでさ、手を合わせてたらな、
凑
奏…いや、湊の匂いがしたんだよ
凑
フローラルっぽい、すごい優しい匂いがさ
凑
女の人の家は、フルーツ系の匂いだったのに
野田
もしかしたら、凑にお礼を言ってたのかもしれないな
凑
ああ、それなんだけど…
凑
今日の朝、ベッドの下で見つけたんだ
野田
?
凑
小さな紙切れに、「ありがとう」って少しいびつな字で書かれた
凑
紙をさ






