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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

夕方。

ピンポーン

........ぼうっとしていた。

明日香

........はい

玄関のドアを開けると、

お父さんが立っていた。

お父さん

知ってるかもしれないが、

お父さん

明日、地球が終わる。

明日香

........知ってるよ

お父さん

生き残るためのシェルターに行こう。

明日香

え........

お父さん

明日香

あ、うん。

シェルターに向かう途中、

話を聞くと、

この地球にいる人たちを全員無くすために

ミサイルを色んな国でからたくさん飛ばして、

火の森の状態にするらしい。

そんなことできるのだろうか........

お父さん

ま、どうせ戦争になるだろうw

そして、「必要な人」だけ

新しい星にロケットで移住する........と。

明日香

現実味無さすぎない?

もう、パニックというか馬鹿らしいというか、なにもない。

私にあるのはひたすら 無

明日から地球が大変なことになります!

みなさん逃げて!!!!!

と言ってもきっと信じてくれないだろう。

お父さん

なんで泣いてるんだ?

明日香

ほんとだ。

涙が流れている。

あれ、明日香........?

翼が道の向こうに見えた。

なんでこんな時に........

明日香

はずかしっ........

俯いた時。

手が、温かい?

気づくと手を握られていた。

お父さん

........君は........?

いくぞっ

顔を上げる。

あ........

その綺麗な目に、

吸い込まれる。

俺が守るよ

そう言っているような目だった。

翼は私の手をもう一度ぎゅっと手を握ると、

ぱっと走り出した。

お父さん

待て!待つんだ!

明日香

はっはっ........

はぁ、はっ........

なにも見えない。

いや、翼しか見えない世界。

お互いの息遣いだけしか聞こえない世界。

疲れなんて知らない。

だって、

この世界には君と私しかいないから。

視界が戻った。

ここはどこ?

野原?

ただ、はっきりしているのは

星が空一面にあること。

どれだけ走ったのだろう。

さっきまで夕方だったのに、

いつの間にか夜になって暗くなった。

っはぁ、はあはぁはぁ........

明日香

はぁ、はぁ、はぁ........

大丈夫か?

明日香

う、うん。

正直、まだ少し息が切れている。

........ごめんな

明日香

なにが?

その、急に手引いて、こんなとこまで来ちまって........

そういえば、まだ手を繋いだままだった。

お互いに顔を赤くする。

明日香

ご、ごめ........

まだ、このままでいたい。

顔見れないよ........

........

手を繋いだまま、草の上に座った。

翼の手が熱い。

明日香

あの、ね。

明日香

明日ね、地球が終わるの。

........は

明日香

なんか、あのお父さんが、計画してて........

明日香

多分怖かったのかな。

明日香

泣いてたら、翼が来て。

なんか、泣いてたから。

守らなきゃな。って

そっぽをむく翼は耳が真っ赤。

明日香

ふふっ、ありがと。

明日香

ていうか、信じてくれるんだ?

明日香の言うことだからな。

明日香を信じるよ

明日香

........

あのさ、あの答え知りたい?

明日香

あの答えって?

あの、もしも明日地球が終わることになったらどうするか。

明日香

あぁ。

明日香と綺麗な星空を見たかったんだ。

明日香

え……

空を見上げながら翼は言った。

あーーーー

すっげぇ綺麗。

ひとつひとつの星が眩しく光っている。

ずっとみていると、雨が降っているのかと思う。

んで、具体的にいつからなのそれ

明日香

日付が変わった瞬間からだよ。

今何時だろ。

明日香

携帯は?

置いてきた

明日香

ほんとw?

地球の終わりに明日香と来れてよかった。

幸せだ。俺。

ほんとに。私も幸せだよ。

なんで、こんなに幸せだって感じるんだろう。

少し考えてわかった。

明日香

そっか。

ずっと前から、

同時に言う。

明日香

私は

俺は

君が好きなんだ。

顔を見合わせる。

明日香

翼……

いいこと思いついた!

翼は すぅ と息を吸った。

好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きっ!

明日香

こわっ、なにそれ

一生かけて言うつもりだった好きを今伝えてるの!

明日香

あはは……!

待って、これよりいいこと思いついちゃった。

明日香

え?

覚悟しとけよ……

翼の顔は、今までにないくらいに真っ赤で、

まだ繋いでる手はものすごく熱い。

この真剣な顔が、

でも、すごくすごくかっこよくて。

ちゅ

こんなの、

反則だよ。

地球が終わる?

私たちにそんなの関係ない。

私たちならずっと、

星空の下で……

この作品はいかがでしたか?

600

コメント

13

ユーザー
ユーザー
ユーザー

え…翼かっこよ☆(急 凄く面白かったです!!✨✨

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