夕方。
ピンポーン
........ぼうっとしていた。
明日香
玄関のドアを開けると、
お父さんが立っていた。
お父さん
お父さん
明日香
お父さん
明日香
お父さん
明日香
シェルターに向かう途中、
話を聞くと、
この地球にいる人たちを全員無くすために
ミサイルを色んな国でからたくさん飛ばして、
火の森の状態にするらしい。
そんなことできるのだろうか........
お父さん
そして、「必要な人」だけ
新しい星にロケットで移住する........と。
明日香
もう、パニックというか馬鹿らしいというか、なにもない。
私にあるのはひたすら 無
明日から地球が大変なことになります!
みなさん逃げて!!!!!
と言ってもきっと信じてくれないだろう。
お父さん
明日香
ほんとだ。
涙が流れている。
翼
翼が道の向こうに見えた。
なんでこんな時に........
明日香
俯いた時。
手が、温かい?
気づくと手を握られていた。
お父さん
翼
顔を上げる。
あ........
その綺麗な目に、
吸い込まれる。
俺が守るよ
そう言っているような目だった。
翼は私の手をもう一度ぎゅっと手を握ると、
ぱっと走り出した。
お父さん
明日香
翼
なにも見えない。
いや、翼しか見えない世界。
お互いの息遣いだけしか聞こえない世界。
疲れなんて知らない。
だって、
この世界には君と私しかいないから。
視界が戻った。
ここはどこ?
野原?
ただ、はっきりしているのは
星が空一面にあること。
どれだけ走ったのだろう。
さっきまで夕方だったのに、
いつの間にか夜になって暗くなった。
翼
明日香
翼
明日香
正直、まだ少し息が切れている。
翼
明日香
翼
そういえば、まだ手を繋いだままだった。
お互いに顔を赤くする。
明日香
翼
顔見れないよ........
翼
手を繋いだまま、草の上に座った。
翼の手が熱い。
明日香
翼
明日香
翼
明日香
明日香
明日香
翼
翼
そっぽをむく翼は耳が真っ赤。
明日香
明日香
翼
翼
明日香
翼
明日香
翼
明日香
翼
明日香
空を見上げながら翼は言った。
翼
翼
ひとつひとつの星が眩しく光っている。
ずっとみていると、雨が降っているのかと思う。
翼
明日香
翼
明日香
翼
明日香
翼
翼
ほんとに。私も幸せだよ。
なんで、こんなに幸せだって感じるんだろう。
少し考えてわかった。
明日香
翼
同時に言う。
明日香
翼
君が好きなんだ。
顔を見合わせる。
明日香
翼
翼は すぅ と息を吸った。
翼
明日香
翼
明日香
翼
明日香
翼
翼の顔は、今までにないくらいに真っ赤で、
まだ繋いでる手はものすごく熱い。
この真剣な顔が、
でも、すごくすごくかっこよくて。
ちゅ
こんなの、
反則だよ。
地球が終わる?
私たちにそんなの関係ない。
私たちならずっと、
星空の下で……