薄桜鬼次伝

あれから1週間後の土曜日

千尋が中庭で洗濯をしていると、近藤と土方が険しい顔で呼びに来た

なぜ呼ばれたのか理解出来ないまま、近藤に連れられ、広間へ行く

広間へ着くと隊士達が集まっていた

沖田が貼り付けの笑顔で尋ねる

普段、笑うことのない土方が笑った

眉を釣り上げ土方を睨む

文句を言いながらも静かになる

千秋

女は千秋のことを"姫"と呼んだ

千秋がそう言うと、女は頷き、煙のように姿を消した

次の日、学園内休み時間

廊下にいる女子達の視線は、ある1人の男性に向けられていた

(バキッ)

1人の男子生徒が数人の女子に殴られている中、女子の視線を集めていた男が向かう先は、

平次、千秋と雑談をしていた千尋の前にその男は嬉しそうに駆け寄って来た

男は一瞬驚いたように目を見開き、寂しそうな顔をした

千尋は混乱しながらも小さく微笑む

屯所

屯所に戻るとすぐに作戦会議が始まった

その結果、3つのチームに分かれる事になった

①居なくなった生徒を探すチーム

②千尋を犯人だと言う出処を探すチーム

③千尋を守るチーム

この3つだ。

①のチームメンバーは

"斎藤肇"、"永倉新一"

②のチームメンバーは

"沖田総"、"藤堂平次"、"原田右之助"

③のチームメンバーは

"伊庭三郎"、"土方影歳"

それから数日間、3つのチームはそれぞれ行動していた

②のチームは、

『どうやら、千尋に瓜二つの者が関係しているようだ』

と話した。

『……あ、』

その場に居た者達、全員が"やってしまった"というかのように口を開いた。

真っ直ぐに土方を見る

土方は、隅にある小さな棚から小さな小瓶を取り出し、千尋の前へ置く

千尋は、自分の事を言われているみたいで複雑な気分になっていた。

血を求め、我を忘れることは無いが、 生まれつきの身体能力、驚異的な回復力。