【日常組】借りてきた猫のよう。

今日はクロノアさんとのお出かけの日。…ちょっとこわい。

うわぁ…やっぱりイケメンは 見つけやすいなぁ…

せかいでいちばん…！？！？……聞いてたってバレたら気まずいよね。

だから何で皆気づくんだよー！！ 何？GPSつけられてるの？

そうだよね、ただの理由付けで…

飴と鞭が上手なのは、 夢の中だけじゃないらしい。

ぺいんとさんの馬鹿ーー！！ なんでそれを言うかなぁ！！！

次会った時、また何か 仕返しできるようにしないと…。

クロノアさんの手が優しく私の手を包む。全身の血液が沸騰しそう。

『手、繋いだままがいいの？ …かわいい笑』

この人、二人きりの時の方が 意地悪だったりする…？

〜とあるショッピングセンター〜

こういうところのエスカレーター、 ちょっと好きかも。

自分では選ばないタイプの服だけど、確かに少し着てみたいかも…

こんな感じ

…褒めてくれるの、単純に嬉しいな

………………今この人なんて？

あれ、確かセットで 5000円くらいだったような…

相手に借りがあると思うと、 少し不安になるからね。

〜映画館前〜

映画を見る時のお菓子でポップコーンを見つけた人、本当に天才だと思う。

今日見る映画は、海外の映画で、コミュ障な女の子がある事をきっかけに大逆転するお話らしい。 私は吹き替えより字幕派だから、 字幕にしてもらった。

〜シアター内〜

人が気になって映画に集中 出来ないとかあるから助かる…。

〜上映開始〜

〜映画中盤〜 （本当は英語ですが、主が 出来ないので日本語で失礼します）

『メアリー、君はちゃんと、 凄く綺麗だよ。』

『本当に？』

『あぁ、今体で伝えたって いいくらいにね。』

『…じゃあ、教えて？』

心配で目をクロノアさんに向けると、クロノアさんもこっちを見ていた。視線が交差して、心臓が高鳴る。

クロノアさんは黙ったまま、 肘掛けに置いてある私の手を 上からぎゅっと握った。

その手を少し離したかと思えば、私の腕をクロノアさんの指がなぞる。

そう言いながらも、クロノアさんの指は、手から腕、肩、首と少しずつあがっていっている。

何とか声を堪えながらクロノアさんを睨む。その顔は楽しそうに笑っていて、背中がぞわぞわした。

体の震えがとまらなくて、 声が出そうになる。

ついにその指が耳に達した瞬間、 今までのくすぐったさが全て 爆発したような感覚が私を襲う。

爪でかかれたり、優しく なぞられたり。こんなの、 たえられるわけない…

それが映画のエンドロールが流れるまで続いて、映画の内容なんて、頭に入るわけ無かった。

あの後は、腰が抜けて立てなくなってしまった私をお姫様だっこで運んでくれた。　まあ、原因はクロノアさんだけど…。

……そういえば、異性へ服を贈るのって、何か意味があったような？